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深海 Fuka-Umi

ここに『アトリエ城山』のパンフレットがあります。
以前『携帯オサルスが行く』でも第一回展は紹介した事が・・・ここの住人は7人。
『川崎の津田山という所に、絵画、映像、写真、デザイン等、ものを作る集団がいます。美しい店舗などではありません。いわゆる作業場です。霊園の脇のプレハブです。』(アトリエ城山パンフレットより)

城山というのは昔、お城があった場所を示す地名。下作延城跡に住まう住人達。いったい彼らは何をしようとしているのか・・・? 天下取りを目指すのか? 残念ながら去年の第二回アトリエ展には風邪を引いて伺えなかったけれど、2003年2月5日から新生堂(東京都港区南青山5-4-30 TEL03-3498-8383)で個展予定の『深海』さんにお話をお聞きしました。でも、静かな場所ですね。
あ! 当たり前だよねえ〜。お墓の隣だもん。うるさっかったら怖いよ〜。

●どうして美大に行こうと思ったの?

 「特に就職しようと何も決めてなかったし、高校の時に美大の研究所を紹介されて高2の夏に修行して来いと、それが夏期講習のパンフだったんです。」

●芸大のデザイン科は何倍なの?

「54倍位かな。」

・・・え! 54人に一人なの? 凄いね。

「受けた後に気がついたんです。偶々通っていた予備校が芸大のデザイン科専門だったから。普通に基礎科からデッサン初めて・・・。一浪して入りました。」

・・・でも絵を描き始めた訳だから、デザイン科じゃなくても良かった訳だよね。

「デザイン科は最初全部の科の事をやらせるから、三年か四年で先生を選んでいく時に絵にしようかなって・・・。」

●大学・大学院と六年間如何でした?

「殆ど行ってないです。」

・・・え! じゃあ、何をしていたの?

 「僕は大学生活はのんびりと本を読んでました。今はうるさくなりましたが、僕らの頃は単位がうるさくなかったから・・・。課題さえしっかり出していればOKだったんです。
課題説明の日と中間講評と講評の三日間しか行きませんでした。だから四年間で四週間しか行かなかったのかも・・・助手にそう言われたし。それでも院に行けました。」

・・・素晴らしい。拍手、拍手。でも何で院を出てから有元さんみたいに、電通に就職してから絵描きになろうとは思わなかったの?

「そういう事があるのは判ってたんですが、俺勤める事が不可能に近いから・・・。」

・・・四週間しか学校に行かない人だから?

「性格上無理かな。そういう所にいた先生から話を聞くと電通とかは違うと・・・勿論ある程度の経験して三年位で出なきゃ意味無いみたいだし、今、時代も違うからそんなにクリエイティブな事はさせてもらえないよと・・・。だからむしろ行かない方がいいと。」

・・・ふ〜ン。今は関係ないんだ。

●では、深海さんが目指す作家像とは?

 「自給自足です。」

・・・エンターテナーになろうと思わないの?

「勿論なれればいいんですか。それはあとでもいいんです。将来的には目指したいけれど・・・。」

・・・ん〜。そうすると自給自足じゃ無理なんじゃないの?

「自給自足ができなきゃ余計無理でしょう。」

・・・例えば言葉は悪いけれど『のし上がり方』はどう考えているの。

「上がって行き方ですか。」

・・・のし上がりじゃ、矢沢になっっちゃうのか・・・。

「その辺は最近凄く考えているんです。友達も色々な方向から探っている人もいるし・・・。」

・・・今、画廊でバイトしていて、絵の世界の仕組みが見えてしまう事もあるよね。その辺はどうなの?

「何だ、と思う部分と、やはりこういう事があるんだと思う部分と、でも自分はそことは違う路線でいきたいと・・・。」

・・・買取で生活する事が絵描きさんにはいいと思うんだけど。まあ! 色々制約もあると思うけど・・・その部分での違いという事なの?

 「この年齢でこういう事をいうのは、まだ世間を知らないよと言われるかもしれないけれど、最後まで絵を描いているのが絵描きだと思っているから、唯、自分が絵を止めちゃうのは嫌だし。」

・・・画廊に買取ってもらい、お金をもらって、大きな作品作って、マスコミに取り上げられて、いい暮らしをする。それが絵描きの究極なんじゃないの?

「まず一番初めに自分には面白く思えないんですよ。例えばデパートでやって注文がきて売れて・・・それで画家になった完成じゃんと言われれば、逆に、え! って。まだそこまでも行ってない俺がいってもしょうがないけれど、まず第一に面白そうだと思えないのが決定的な事。」

・・・では、面白いとは?

「自分は描くのが好きだし、描いてお金が入って次々に展開していく事は面白いんだけど・・・。今、自分が普通にバイトしてお金が入って来る。その範囲内で描ける・・・自分が背伸びしないで描けるとかコンスタントに出せる範囲が楽しいんです。
周りにこういう環境で描いている友達もいて、唯、皆多少考えにズレがあるかもしれないけれど、デパートでやるとかそれで生活していく事は何か違うんじゃないかと、その部分では皆一致していると思うんです。」

・・・そうだよね。今更だもんね。

 「自分には『絵』が最終兵器みたいな。『絵』が自分の寝床だから、もしかしたら売れている作家さんはもっと『絵』を突き放していて、自分を画家として演じていて厳しい場所としてやってるんじゃないのかな。でも俺はそれはないです今は・・・。俺の『絵』は日記だと言われれば日記かもしれないし・・・。」

・・・日記ねえ〜。日記というよりも、凄く不思議だと思うのはあなたの絵は定まらないでしょ。イメージは何処から?

「 普通にバイトしたり、本を読んだりとか、何処かで何かに引っかかっていて・・・『何かあの感じがあるよな・・・。』と、ずっと引っかかっていて偶に電車の中でちょっと見えた風景だったり、言葉からのイメージが残りますね。」

・・・経験したものは?

「そのままでは無くて、何かフィルターを通して出てきます。そのフィルターは『絵』です。ある時期から理想があって何が一番やりたいかなと、一番やりたいのは『絵』みたいな『絵』が描きたい。『絵』を描きたいと思ったんです。僕が好きな作家は『絵』じゃないけれども『絵』をやっている作家。」

・・・具体的には?

「わかんない。何処かの展覧会で見たり・・・。一番これ『絵』だねと言われる『絵』がずっとやりたい。あまり自分を縛らないでやりたいです。いつも頭にあるのは『絵』です。」

・・・そうねえ〜。いいなあ〜と思うような絵は見てみたい気がするね。

 「多分画家が思っている『絵』は、凄く高いイメージで捉えている人が多そうな気がするけれど、自分は何か自分の趣味の女の人を言い当てるような感覚に近くて、何処か一箇所ここが『絵』と思って・・・毎回当てよう当てようと思って描いているから 結構広いのかもしれないです。それにやはりドキドキ感がないと・・・。毎回同じものは描きたくないし。」

・・・ん〜。なるほどね。いつもリフレッシュなのね。

「毎回何処に着地するか全然判らないから・・・。」

・・・そうするとデッサンなんかどうするの?

「画家として失格かもしれないけれど、デッサン、クッロッキーは殆どしないです。」

・・・下絵も描かずにそのまま描くの?

「はい。」

・・・そうでなきゃつまらないよね。日本画のつまらなさはデッサンのしすぎというかモチベーションが本画まで維持できない場合が多いでしょうから。

「画面の中をあちこち動かすのが出来ないと面白くないんです。ここと決めて塗り絵みたいに描ききるのはどうも。」

・・・でも、深海さんの絵は画面は暗いけれど暖かいよね。

 「『湿度』があるんでしょ。水分多いな〜。とか。描いている時は水分は結構気にしますね。自分が水を使っているからではなくて霧吹きで水が張っているような状態の中に描きたいなと思っちゃうから。」

・・・蒸し・・・ね。今回ここにある絵は新作なの。いつも見ても・・・定まって無くていいね。定まった絵はつまんないよね。

「定めようと思った時期もあったんですけど駄目ですね。面白くない。一つ評価されても同じように描くには拒否反応があるから。嘘ついてもいいからぐるっと一周廻ってやっている方が好きです・・・。」

では、最後に何故絵を描くの?

「閑だから。」

・・・そうね。閑かあ〜。オサルスも閑だからこんな事してるんだもん。I understand.
絵もそうだけど。画家とか作家はこうだと規程できるものではないんだよね。

 「皆から僕は作家らしくないと云われるんです。でも、私は絵描きですと言い切らないでも、職業はなんでも試しに絵を描いて見て成功させてしまう人はいるんですよ。生き方はいくつもあるから、絵描きとは何かと云えば・・・絵を継続して描いているのが絵描きなのか? でも描きあがったものが絵から外れていたらどうなんでしょう。
絵描きさんですか? と言いたくなってしまうでしょ。それが僕は一番怖いんです。最近抵抗感を思っちゃうのが、何かを犠牲にしないと出来ない人、その感覚が凄く嫌で・・・
『何かを自分は犠牲にしてこの作品を作った。』
と言う人。犠牲に何かしなくてその犠牲にしたものを描いてみたらいいじゃんと思ってしまう。今はその位余裕があってもいいと思うんだけど。これから経済勉強して商売人になろうかなあ〜。」

・・・ある意味で絵はドラマだから、自分の人生をドラマ化するのも面白いよね。アルテュール・ランボーのように若い時は詩人で、ある日アフリカに行ってしまって商売人になるような感じの人がいても、見ているこちらとしては面白い。

是非、そんなドラマを期待してます。GOOD LUCK.

深海 関連情報 2001.3 2002.2_b 2002.2 2002.5 2002.6
作家紹介ページ http://www.gaden.jp/arts/fuka-umi.html

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