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諸熊仁志 Hitoshi MOROKUMA


Artists viewでの諸熊さんのコメントは 「今回は音がでます。」

音??

この作品はベーグルに見えますが?

「ええ、ベーグルなんですが、吹けるんです」

ベーグルからでる音はどんな音?
聞いてみたいな。
楽器として作られたわけではないらしいけれど。 ブロンズのベーグルからはオカリナのような不思議な音色が・・・。

諸熊さんとの出会いは1998年の21+葉ANNEXでの初個展。
等身大の少年がウキワをつけて、画廊の空間がプールかいと思った印象が。何故ウキワなのかな・・・?

『水中では「うきわ」を身につけることで
浮かびつづけることが出来る
浮かびつづけることーそれは生を意味する

わたしたちは意識的であれ無意識的であれ
各々の「うきわ」を普段も身につけている

あらゆる事象は動態のなか
わたしたちは「うきわ」を信じ
流れに身をまかせる 』

・・・何故彫刻を?

 「高三の時将来に迷いまして、それまではいい会社に入ってとかデザイナーになろうとか。、そう受験の前の今ぐらいの時期だったと思うのですが、彫刻の森美術館へ行ったんですよ。
ちょうどヘンリー・ムーアの小品展をしていてガラスケースの中に手びねりのような可愛らしい、小さな彫刻があったんです。
見た瞬間凄く魅力を感じてこんなの作れるようになりたいなって、それが勢いになって彫刻科を受けようと。その時の記憶を今も引っ張っているのかなって思います。
一時期は大きな作品を作りましたが、今は最初に感動を受けたものに近づいていっているような気がするんです」

・・・何故ウキワなのかとずっと疑問に思っていたんですが、コメントを読んでガテンがいきました。

「僕は説明するのが上手くなくて・・・」

・・・最初の展覧会からLife Ringというタイトルですよね。

「Life Ringは結局ウキワという意味があるんですが、英語にしたのはLifeとRingという言葉をわけて捉える事が出来るような表記にしたかったから、最初の文字を大文字にしたり工夫しました。
Life Ringというのは、どちらかというと人命救助的なウキワの使われ方だと思うんです。色々云い方はあるでしょうが、僕にはピッタリだったと思います。最初からウキワの中という意識はありました」

・・・命を救うものという意識があって浮き輪と共に今迄歩んできたわけですか?

 「それは違うんです。いきなりウキワが出てきたわけでは無くて、支持体的な形態は考えてたんです。浮かせてくれるようなもの・・・心地よく浮かせてくれるような形態感というか・・状況を作りたいなと。
元々はウキワでは無くて、試行錯誤して作りながら気づいてきた形なんです。これ・・・ウキワでいいのかなって・・・。
形態のあうあわないとか、そういう色んな方向から段々真丸くなってきたり、はった形になってきたりして、なんかウキワに見えるし、ウキワってそういう役割をするなって・・・そういう気づき方です。最初からねらったわけではないですから」

・・・以前は安定したくらしを願ったわけですよね。全然違う道に来てしまったように思うのですが(笑)。ウキワには安心感がありますね。

「ありますね。プールだとかだと心地いい感じがあると思いますが、実際に溺れてしまったら、助けられた時はウキワが無いと生きていかれなかったと思うでしょうね」

・・・それは判る、溺れたら焦りまくりそう。素材にブロンズを使う理由は、やはりヘンリー・ムーアですか?

「最初に感動を受けたものは何処かにとまっていて、単純にいいものはいいなって、同じようなものを作る意識はないんだけれど、魅せられた素材で作りたい気持ちはあります」

・・・今年は音を出しました。というコメントがありましたが、何故音なんですか。

「去年ぐらいから、何ていうのかなウキワ的な要素というか、魂とか気持ちの支えになるようなもの・・・それを与えてあげたりとか与えてもらったりするようなもの・・・そういう作品を作っているんです。それには栓がついているとか・・・」

・・・え! 線ですか?

「ウキワの吹き口の栓です。ポンプとかも出てきました。だから見た人が与えていくというか・・・ 『気』 を注入するみたいなそういう要素が入ってきたんですよね。注入されて・・・又された少年が誰かに与えたり、流れの連鎖というか、その見る時々でどっち側にもなりうるなって・・・入れて欲しい時もあると思うんですよ。人それぞれ、その時の状況で変わるというか」

・・・そうね。私は今入れて欲しいな(笑)。

「 音が出てきたのは、演奏できるとかいうのではなくて、原理は栓と同じで与えた時に音がでて耳でも確認できるようにしたかったからです」

・・・普通作品は手で触れてはいけませんと云われるけれど、こういう作品は愛でるという意味合いで触れてみたくなるんですよね。

「ブロンズは味が出る素材なので、触ったり持ったりしても段々いい色になってくるので、触って楽しめるものでいいと思うんです。それが素材の好きな要素でもあります。時間を置いたら今の状態よりもよくなるんじゃないかという勝手な期待感というか・・・時間が経てば汚くなっていくものもあると思いますが時間が経てば味の出てくるものは好きですね」

・・・では、これからの夢を一言でお願いします。

 「夢ですか。大きな事いいたいけれど、目標はやり続ける事です」

ありがとうございました。第二のヘンリー・ムーアを目指してがんばって下さい。

最近本屋さんで村上龍の 『13歳のハローワーク』 という本を見かけました。
キャッチコピーは 『これからの時代、大好きなことを職業として考えてみませんか? 』
大好きな事が職業になった人が、日本の人口の中でどのくらいのパーセントを占めるのか判らないけれど、皆、生活の為に我慢して仕事をしている人も多いとは思う。
猪熊さんへの最後の質問は、

・・・今の仕事をどう思いますか?

「自分を昇華できるというか・・・満足しているという思いはまだないんですが、 逆に他にやりたい事はないんです。それをやっても詰まらないだろうなって思うんです。今は生活は楽じゃないけど・・・やりがいがありますね」

それが好きな道ということなんでしょうね〜。


諸熊仁志展 「Life Ring 2004」 2004. 1/8 - 17
galleria grafica bis 東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル http://gallery.to/grafica

諸熊仁志 関連情報 2002.5

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