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フランシス真悟 SHINGO FRANCIS
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・・・青い色にこだわる理由は何ですか? 「この青のブルー・サイレンスというシリーズを始めた時に、自分の失ったものや人の歴史とか過去とか記憶とかに対して興味があって、青というのはアルケミカル・・・」 ・・・アルケミカル? 「メタフィジックスってわかりますか? アルケミカルにメタフィジックスにディーコントラクト・・・。やはり辞書を持ってくればよかったです。彼の日本語は流暢でよくわかるんだけれど、日本語に対応しない英語もあるんですよね。こちらの勉強不足を笑わば笑え、だってこれがオサルス流。意味は自分で調べてねm(_
_)m。
確かにアトリエもミニマルですね。実は今日はフランシスさんのアトリエにおじゃましているんです。一切余分なものがなくてSimple is best。ハートの切り抜きが可愛いです。 ・・・作品を拝見していて、静けさというよりも、もやもやしている感じを受けました。 「イメージはミニマルだけれど、自分が描きたいのは深みがある絵なんです。もし何か失ったものがあればその中に入れていきたいし、自分の記憶を創造するのに何かの空間が必要であれば、この絵を見てそれを思い出したりして欲しい、ひとつの空間スペースとしてファンクションしてもらいたい、動いてもらいたいんです。」 ・・・作品と鑑賞者の間に何かが生まれる。作品はコミュニケーションツールとして起動するという事ですね。先ほど自分の失ったものや人の歴史とか過去とか記憶とか話されていましたが、それらを塗り込めているという事ですか。 「この人生を生きてきた中で、人によって違うだろうけれど、生きる事で必ず失うものがある。例えば引っ越した時に、友達や住んでいた家や家族との別れ・・・自分からしょうがなく失っていったものもあると思う。 ・・・瞑想する感じですね。 「瞑想とは?」 ・・・目を閉じて深く静かに思いをめぐらす事です。 「そうですね。ピカソと比べるつもりはないですが、“青の時代”は失われたものの意味があったと聞いています。イブ・クラインも青を使った。彼が使った理由はわからないんだけれど、メタフィジックスな理由があったみたいです。だから自分にとっても人にとってもユニバーサルな意味があるんじゃないかと。 ・・・青は遠ざかる色。引いていく色だからね。ところで何故アーティストになろうと思われたのですか。
・・・今、アーティストとしてお父様(サム・フランシス氏)とお母様(出光真子氏)をご覧になると如何ですか。 「父と母はたいへんな事をしてきた人達だと思います。僕は20代の後半までは色々やる事があって、廻りを気にしないでバンバンやっていましたから、だからそんなに考えた事がなかったんです。でも社会に通用する人として、世の中に動かされないで、お金の事とか有名になる事とか、廻りにどう思われているとか、今風に合わせようとするとかそういう事をしないで、誠実に自分の作りたい作品を作っていく姿や作り続けていく姿が凄いなって思いました。尊敬するのが大切だと思っています。 ・・・最近思うんですが、認められるという事は、やり続ける事によって、どこの時点かわからないけれど、何処かで作品と時代がマッチングするんじゃないかと思うんですよ。合わないと死んでからになるかもしれませんが(笑)。 「わからないのが不安になって止めてしまう人もいるだろうし、人それぞれでしょうね」 ・・・今まで個展はアメリカとスイスでされていますが、二つの国の反応は如何だったんですか。 「例えばアメリカの場合は、10年前でまだ若かったから、展覧会に来てくれた人が、惹かれた作品がバラバラだったのでよくわからなかったんです。アメリカ人は、ある一点が好きになると凄く好きになって、欲しい人は凄く欲しがるんです。でも他の作品は見向きもしない。
・・・日本では初個展になりますが、反応が楽しみですね。 「青い絵の存在で空間は静かになると思いますから、まじめなでクールなイメージになるんじゃないかと思いますね」 ・・・こちらにドローイングが置いてありますが、ドローイングは、タブローにつながっていくのでしょうか。 「今のところは別々なんです。タブローはタブローとしてひとつの作品として描いていて、これを紙で描くつもりはないんです。僕は油絵から始めたので油絵でやり続けるつもりです。紙は青のシリーズとは離れた、新しいコンセプトやアイデアを作り上げています。それに単純に青い絵ばかり描いていると心が重くなってくるんですよ。 ・・・タブローは計算して重ねて描くという計算の仕方とは? 「青い絵の具をどの程度混ぜるかです。濃い青と明るい青とかメディウムの量とか色々試行錯誤しながら、例えばコバルトブルー何パーセント、セルリアンブルー何パーセントとか、描く前からどの位濃くするか決めておいて、それに沿って塗るんです。だから忘れないようにノートにきちっと書いて計算しています」 ・・・100人いたら100通りの色の感じ方があるから、微妙な色のニュアンスを感じてもらうのは難しいですね。仕上がりが思い通りにならない場合もあるんでしょうね。 「凄く細かい部分に気をつけて、ゴチャゴチャにならないようにしなければいけないし、深みはあると思うんですが、画面が光りすぎてしまう場合もあります」 ・・・光すぎると物質観が出てしまって中に入っていかれないですね。う〜ん。凄く微妙ですね。これは不思議。微妙な部分の計算がないと中に入れないんだ。中に入れる空間観が出来るから広がりをもって見れるんですね。だから質感が感じられるんだ。
どうもありがとうございました。個展楽しみにしています。 禅には、不立文字というのがあって、経典や教理によらず、以心伝心 [いしんでんしん] で悟りを伝えていくそうなんです。それは禅は働きであって、言葉で説明すると概念的になる恐れがあるかららしい。 フランシス真悟 blog http://blog.livedoor.jp/s_francis/ hino gallery http://hinogallery.com/ |
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