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日下芝 KUSAKA REISHI
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日下芝 展 2005年9月24日-10月2日 ・・・テーマは 「痕跡」 。以前から黒の矩形は制作されていましたが、最近のシリーズは色と形が少しずつ変わってきたような気もします。
作品としてもっと定着させたいと思っています。ラインシリーズにしろトレースシリーズにしても、基本的には10年前から変わっていません。グリッドの量が増えたり減ったり、色がついたり微妙なニュアンスがついているだけで、基本的にはそれを定着させて、その様を提示しているだけです。一貫して制作しているつもりです。 ・・・日下さんの「痕跡」の原点は何でしょう。 ダダイズムが最初の切り口だったんです。線のドローイングを何万枚も描くうちに、すれたり擦れたりして、それが徐々に 「シミ」 に変って・・・。シミを追いかけていくうちに、広がりを見せ始め、確定された形への要求が強くなってきたんです。それが矩形という形になった。多分それは必然だったのでしょう。ただ矩形を絵画の中に収めるというのではなくて、三次元の世界を通して二次元の姿を見せる。絵画との接点を探り始めたんです。 ・・・ダダイズムというのは 「反藝術を主唱する思想的潮流」 ですよね。影響を受けるにしても、年代的にはかなり違うんじゃないですか。 その当時は、「反藝術を主唱する思想的潮流」 だったかもしれないけれど、僕にとっては、魅力のあるスタイルとして映ったというか。 ・・・日下さんの作品は、ダダというよりも、どちらかといえば装飾的要素を最小限に切り詰めたシンプルなフォルムや、小さな単位の反復を手法とするミニマリズムの要素が強いと思っていました。
形態的には、ミニマリズム的に見られるのは仕方がないかもしれません。形を厳選していくという意味ではそうなのかもしれませんが、僕の考え方としては、具象物を描いているような感覚なんです。四角い具象物なんです。抽象的な四角ではなく、具体的な四角なんですよ。 ・・・具体的な四角ですか。ずっと四角を作り続けているということですね。 しつこいですかね(笑)。生きていればいろいろな要求があるじゃないですか。その要求に対して折り合いをつけていきたいんです。そうすると描き続けなければいけない。他の形で・・・たとえば素材を変えてみたり、インスタレーションをやったり、立体を作ってみたり、でも基本的にやっていることはみな同じなんです。ですからこのスタイルになってしまう。 ・・・折り合いをつける? 嫌な言い方かもしれませんが、僕の作品は商品なんです。折り合いをつける部分で商品として制作していますから・・・。 ・・・基準としてのレベルですか? 展示を見て頂ければ、タブローと版画で支持体は変えているんですよ。理由は、美術はタブローと版画の値段が違うから(笑)。僕の中では両方とも同じ位置づけなんですが、お金に換算すると、たとえば買う方が3万円しか持っていなければ、僕が納得して制作したその金額に見合うものを提示したい。それでこのような分け方をしています。 ・・・交換価値としての商品ということですか。商品という切り口があって、作品が量産されていくということですね。 ひたすらマシンとなって 「自分は一体なにやっているんだろう」
というときもありますけど、それを通り過ぎた時間の後には 「これでいいんだ」 と、自分なりに納得しているんです。 ・・・商品価値に見合うように改良を重ねているということですね。
そう改良しています。でも僕はこのスタイルがいいと思っているんですが、これをじれったく思う人がいて
「作家は毎回作品を提示しなくてはいけないから、毎回コンセプトが違うのは当たり前じゃないか」 と、でもそうなってくると売るという問題に対しては、シヴィアにならざるを得ない。私の今いる位置では、毎回作品を売るための行動をとれなくなってしまう。ですから納得がいくまで作品を作り続けていくというスタンスなんです。 ・・・生きていくのは綺麗事じゃすまされませんものね。痕跡を作っている人だから、その位置に踏みとどまって、ずっとその痕跡を残し続けてもらいたいと思いますね。年間に何回ぐらい展覧会をするんですか。 少し減って、年に3回位です。グループ展を入れば10回位ですね。年々生活状態がきつくなっているので、生産するとそれだけの出費も出ますし、元が取れなくなると大変なことなんです。そうすると借入したり、色々やりくりしなければいけない。自分なりの財政プランを考えると、年間3回が限界かな。それ以上やるのであれば、もっと大きなプランを打ち出さないとできないんです。 ・・・それはすごくわかります。作家もそうだけれども、現代美術に関わった人間は、お金なしでやれと言われたって、それは無理。そう言っている人たちは、生活の糧を外から得られる人達。不思議なことに現行の美術のシステムのなかで糧を得られる人以外は、ボランティアという名前で呼ばれるんです。これでは美術という土俵の上だけで、生きていく人たちは、夢が持てないと思います。 僕もそう思います。 ---------------------------------------------------- 日下芝 KUSAKA REISHI 1968 北海道生まれ 【 個展】 【コンクール・グループ展】 【パブリックコレク ョン】 (c)KUSAKA REISHI |
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