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日下芝 KUSAKA REISHI

日下芝 展 2005年9月24日-10月2日
湘南台画廊 神奈川県藤沢市湘南台7-8-1 TEL 0466-45-0301 13:00-19:00 水曜休
http://www.shonandai-g.com/

・・・テーマは 「痕跡」 。以前から黒の矩形は制作されていましたが、最近のシリーズは色と形が少しずつ変わってきたような気もします。

 作品としてもっと定着させたいと思っています。ラインシリーズにしろトレースシリーズにしても、基本的には10年前から変わっていません。グリッドの量が増えたり減ったり、色がついたり微妙なニュアンスがついているだけで、基本的にはそれを定着させて、その様を提示しているだけです。一貫して制作しているつもりです。

・・・日下さんの「痕跡」の原点は何でしょう。

 ダダイズムが最初の切り口だったんです。線のドローイングを何万枚も描くうちに、すれたり擦れたりして、それが徐々に 「シミ」 に変って・・・。シミを追いかけていくうちに、広がりを見せ始め、確定された形への要求が強くなってきたんです。それが矩形という形になった。多分それは必然だったのでしょう。ただ矩形を絵画の中に収めるというのではなくて、三次元の世界を通して二次元の姿を見せる。絵画との接点を探り始めたんです。

・・・ダダイズムというのは 「反藝術を主唱する思想的潮流」 ですよね。影響を受けるにしても、年代的にはかなり違うんじゃないですか。

 その当時は、「反藝術を主唱する思想的潮流」 だったかもしれないけれど、僕にとっては、魅力のあるスタイルとして映ったというか。

・・・日下さんの作品は、ダダというよりも、どちらかといえば装飾的要素を最小限に切り詰めたシンプルなフォルムや、小さな単位の反復を手法とするミニマリズムの要素が強いと思っていました。

 形態的には、ミニマリズム的に見られるのは仕方がないかもしれません。形を厳選していくという意味ではそうなのかもしれませんが、僕の考え方としては、具象物を描いているような感覚なんです。四角い具象物なんです。抽象的な四角ではなく、具体的な四角なんですよ。

・・・具体的な四角ですか。ずっと四角を作り続けているということですね。

 しつこいですかね(笑)。生きていればいろいろな要求があるじゃないですか。その要求に対して折り合いをつけていきたいんです。そうすると描き続けなければいけない。他の形で・・・たとえば素材を変えてみたり、インスタレーションをやったり、立体を作ってみたり、でも基本的にやっていることはみな同じなんです。ですからこのスタイルになってしまう。

・・・折り合いをつける?

 嫌な言い方かもしれませんが、僕の作品は商品なんです。折り合いをつける部分で商品として制作していますから・・・。
ただ売れるものを作るというのではなくて、作品を商品として出すというレベルは考えいます。たとえば作品を買うときに 「3万円だったら買うけれど10万円だったら買わない」 という基準としてのレベルなんです。

・・・基準としてのレベルですか?

 展示を見て頂ければ、タブローと版画で支持体は変えているんですよ。理由は、美術はタブローと版画の値段が違うから(笑)。僕の中では両方とも同じ位置づけなんですが、お金に換算すると、たとえば買う方が3万円しか持っていなければ、僕が納得して制作したその金額に見合うものを提示したい。それでこのような分け方をしています。

・・・交換価値としての商品ということですか。商品という切り口があって、作品が量産されていくということですね。

 ひたすらマシンとなって 「自分は一体なにやっているんだろう」 というときもありますけど、それを通り過ぎた時間の後には 「これでいいんだ」 と、自分なりに納得しているんです。
それにコンセプトを変えなければ、多少表層の部分は変わったとしても根本の部分は変わらない。たとえば色や形が変化するのは、自分の中の要求に沿っていることだから・・・。

・・・商品価値に見合うように改良を重ねているということですね。

 そう改良しています。でも僕はこのスタイルがいいと思っているんですが、これをじれったく思う人がいて 「作家は毎回作品を提示しなくてはいけないから、毎回コンセプトが違うのは当たり前じゃないか」 と、でもそうなってくると売るという問題に対しては、シヴィアにならざるを得ない。私の今いる位置では、毎回作品を売るための行動をとれなくなってしまう。ですから納得がいくまで作品を作り続けていくというスタンスなんです。
日本の現代美術も流通が変わって、商品価値を上げるようなシステムができたとしたら、自分も変わっていくかもしれないけれども、実際のところそういうものはない。自分の作品の商品価値を自分が決めるというよりは、画廊が商品価値を作っていくシステム。制度が変われば考えざるをえないけれども。僕のスタンスは「今いる位置で、今やれることやっていく」ということです。

・・・生きていくのは綺麗事じゃすまされませんものね。痕跡を作っている人だから、その位置に踏みとどまって、ずっとその痕跡を残し続けてもらいたいと思いますね。年間に何回ぐらい展覧会をするんですか。

 少し減って、年に3回位です。グループ展を入れば10回位ですね。年々生活状態がきつくなっているので、生産するとそれだけの出費も出ますし、元が取れなくなると大変なことなんです。そうすると借入したり、色々やりくりしなければいけない。自分なりの財政プランを考えると、年間3回が限界かな。それ以上やるのであれば、もっと大きなプランを打ち出さないとできないんです。

・・・それはすごくわかります。作家もそうだけれども、現代美術に関わった人間は、お金なしでやれと言われたって、それは無理。そう言っている人たちは、生活の糧を外から得られる人達。不思議なことに現行の美術のシステムのなかで糧を得られる人以外は、ボランティアという名前で呼ばれるんです。これでは美術という土俵の上だけで、生きていく人たちは、夢が持てないと思います。
閉塞感を打破する為にもお金の話をした方がいいと思う。

 僕もそう思います。


日下芝 展 2005年9月24日-10月2日 湘南台画廊

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日下芝 KUSAKA REISHI

1968 北海道生まれ
1992 創形美術学校卒業
1999-2000 ホルベイン奨学生

【 個展】
1997
GALLERY-17(東京・芝浦)
1998
小野画廊(東京・銀座)/ギャラリースペース・点(東京・国立)/GALLERY B-ONE(東京・京橋)
1999
KEY gallery(東京・銀座)/GALLERY B−ONE(東京・京橋)/Gallery 工房 親(東京・恵比寿)/GALLERY 舫(東京・銀座)
2000
GALLERY FRESCA(東京・新宿)/NC Art Gallery(東京・京橋)/湘南台画廊(神奈川・藤沢)/KEY gallery(東京・銀座)/ギャラリー4GATS(東京・世田谷)
2001
NC Art Gallery(東京・京橋)/小野画廊(東京・京橋)/ギャラリーp ejjite(山梨)/GALLERY 舫(東京・銀座)/ぎゃらり かのこ(大阪・南波)
2002
NC Art Gallery(東京・京橋)/Gallery惺(東京・吉祥寺)/KEY Gallery(東京・銀座)
2003
楽風(埼玉・浦和)
2004
NC Art Gallery(東京・京橋)/GALLERY 舫(東京・銀座)

【コンクール・グループ展】
1992
立川市民ギャラリー(立川) 国際交流展 ミラノ国立ブレラ美術学校 創形美術学校 (ナポレオンの間.ミラノ、ストライプハウス美術館.六本木)
1993
JAPAN展(大同ギャラリー.札幌)
1994
WIND OPEN展(永谷シティープラザ.吉祥寺)
1995
第24回現代日本美術展(東京都美術館.京都市美術館)/感動創造美術展'95 (新潟市美術館)
1997
感動創造美術展'97(新潟市美術館)
1998
第27回現代日本美術展(東京都美術館.京都市美術館)◎毎日現代美術大賞◎埼玉県立近代美術館賞/第3回昭和シェル石油現代美術賞展(目黒区美術館)/第5回小野画廊'98現代美術小品展(小野画廊.銀座)◎佳作賞/第3回アート公募'99 AES(SOKOギャラリー・新木場/モリスギャラリー.銀座) ◎奨励賞 ◎KEY gallery賞◎GALLERY BEAUX賞/サンタのフリーマーケット(GALLERY FRESCA.新宿)/「KOU」展(GALLERY FRESCA.新宿)
1999
平成10年度第4期常設展(埼玉県立近代美術館)/陽だまりせっしょん '99(みゆき画廊)/第28回現代日本美術展(東京都美術館・京都市美術館) ○招待作家/現代美術小品展 (KEY gallery・銀座)/ '99 CONTEMPORARY ART FESTIVAL(埼玉県立近代美術館)/代官山アートフェアー'99(ヒルサイドフォーラム.渋谷)
2000
JAPAN・KOREA展(新井画廊・銀座)/−月冴える頃−(GALLERY KLAMMER・目黒)/第六回鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞展(鹿沼市民文化センター・鹿沼)/現代美術小品展(KEY gallery・銀座)/「第4回若き画家たちからのメッセージ2000」展(すどう美術館・銀座)/フィリップモリスアートアワード2000最終審査展(恵比寿ガーデンプレイス)/緊急展示25時(GALLERY FRESCA.新宿)/第7回小野画廊'00現代美術小品展(小野画廊.銀座) ◎優秀賞
2001
CONTENPORARY ART -白と黒の世界−(井上画廊・銀座)/2ed Young Painters Exhibition of JAPAN−BANGLADESH・ 風力4 (Galerie VERGER・相模原)/2nd Young Artists Exhibition of JAPAN-BANGLADESH(Zainul Gallery・DHAKA Chuwa Gallery・銀座)/毎日モダンアートオークション2001(ラフォーレミュージアム六本木)/C.A.T(相模大野)/JAPAN・KOREA展(新井画廊・銀座)/代官山アートフェアー'01(ヒルサイドフォーラム.渋谷)/クリスマスアート 展(京橋・羅針盤)
2002
セーラムギャラリーグループ展(ニューヨーク)/第5回高知国際版画トリエンナーレ(高知) ◎佳作賞/第3回東京国際ミニプリントトリエンナーレ ◎美術館賞
2004
「版の記憶/現在/未来」 東京芸術大学 大学美術館 陳列館

【パブリックコレク ョン】
埼玉県立近代美術館/デルメンデ市美術館

関連情報 2002.1 2001.2 2000.7

(c)KUSAKA REISHI

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