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RICA BANDOのニューヨークレポート (Vol.11)
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NEW YORK report from RICA BANDO - - - - - Wednesday, Sep 5, 2001

ニューヨークは、レイバーデイも過ぎて、さあ、仕事や学校が始まるぞ! という気分の時期です。 空気も冷たくなってきて秋の気配。

 まだ真夏という時期にMOMA分館、P.S.1へ行ってきました。[www.ps1.org]
夏の間、前庭を水辺のリゾートにしてしまった美術館。
週末にはコンサートあり、ダンスパフォーマンスと盛りだくさん。
ロングアイランド・シティ、交通の便は良いけれどシティからは離れた場所、人を呼ぶにはこれくらいのことをしなくてはいけないのかしら?と勘繰ってしまいます。
夏の週末、特別に暑い夏だったニューヨークで何処へ行こうかと悩む人々には最適な場所となっていました。

白のアラブの衣装のようなユニフォームを身につけているのがスタッフ達で、お祭り気分を盛り上げていました。
ビーチチェアー、ハンモック周辺は冷たい霧が張り巡らされ、何十台もの扇風機が人工の風をつくって快適。 コンサートコーナーは砂を敷き詰め、ビーチ気分。
プールは子供達に占有されていました。用意の良い親は水着持参。水着のない子もパンツ一枚で水に飛び込んでいました。

お目当ての展覧会は、Buzz Club : News From Jpan。

キューレーターは東京芸大の先端芸術表現科教授 小幡和枝氏とフィルム作家/評論家のDavid d' Heilly氏。
(先端芸術表現科は、1999年4月に出来たそうで、美術、芸術というジャンルを超えた表現という行為を学ぶ学科ということです。詳しくは、[ www.ima.fa.geidai.ac.jp] 現在3年生まで、合計90人の生徒が在籍しているとのことです。私も、もう少し時間が自由になったらこういうところで学び直したいと思います。中高年にも、もっと簡単に入学出来るようになることを期待します。)

さて本題、長さ20メーターを超す、六角形の筒が積み上げられた蜂の巣に日本のメディアカルチャーを造り出している若い作家達の作品が詰まっています。
アニメーション、携帯電話アート、ファッション、ビデオ、ライトインスタレーション、パフォーマンス(音声)”何でもあり”でした。

6週間のバケーションで日本から帰ってきたばかりの私には、”日本そのもの”という印象で新鮮でした。 日本人のビジターも多くて日本語が飛び交っていましたが、英語表示のないものもあって外国の人々に理解できるのかなと疑問に思いましたので、外国人の友人を連れて行って感想を聞きましたが、”子供っぽいよね。”の一言でした。
しかし、子供にも大人にも楽しめる展覧会、タイトル通りの”現在の日本”を感じることが出来る展覧会だと思いました。

この展覧会でショックを受けたのは、Smelly氏、”The man The Legand ”と鳥肌実氏の作品。

 Smelly人形が持っているプラカード、”君はくさいよ”そう言われたら日本人の若い人々は立ち直れない台詞だと思います。 二度目に観に行ったときには座りが悪いからと取り外されていましたが、”老人だからって席はゆずれない”恐ろしい台詞です。
日本の電車で高年齢者に気持ち良く席を譲る人々を見た安心感と、シルバーシートで眠る人々は精神障害者なのだろうと見て見ぬ 振りをしてきた私自身が浮き彫りになりました。

 鳥肌実氏(本名の様です。)パフォーマーということですが、日本政府は彼の右翼的演説とやっぱり同じ意見なのではと、小泉首相の靖国参拝と重ね合せて考えて鳥肌がたちました。韓国で日本に対するプロテストの為に自身の小指を切り落とした若者達が憐れになりました。
小学生の作文形式の語りも、殺人を犯す少年の気持ちを代弁しているようで、胸が悪くなりました。
二人とも、表現方法は違うけれど時代の空気を吸取る感覚、ダイレクトに表現できる感覚が並外れていると思いました。
Smelly氏、本名を公表しない、というところがくせものですが。。。。

 Sosei Kazuki氏の”Chup! Shibuya 109 ”
Barbie人形のファッション・ショウと携帯電話が付いたブース。幼い少女がお母さんの”行くわよ”の言葉を無視して夢中になって遊んでいました。


渋谷109は、日本で少女売春のメッカというテレビレポートをみてきた私には何とも割り切れない気分の展示と光景。
親は無視されるんだろうなー。やっぱり。。。

 こちらは、iModeに夢中になっているお兄さん3人。
”新聞でiModeの事は読んだけれど、使い方がわからないなー。”と内の一人。
すしあざらし、AKIRA等、人気のアニメキャラクターや、プレイステーションなども出品されていました。

”Zero Gravity Sports:無動 スポーツの為の反練習”
怪我をしたときに責任を問いません、という書類にサインをしてから参加できる展示。
なかなかゴールには入りません。難しかった。


高橋裕行氏 芸大助手、この展覧会のマネージャーで色々質問に答えてくれました。

さて、気分を変えてKim Sooja氏のビデオ作品。”Needle Woman ”今年のベニスビエンナーレ出品作家、韓国出身。1998年よりニューヨーク在住。

東京、上海、デリー、ニューヨーク、メキシコ・シティー、ラゴス(ナイジェリア)、ロンドン、カイロの8都市で針のように微動だにしない本人が街路に立ち、後ろ姿を見せながら、ビデオで延々時間を追うという作品。大展示室で8本同時に音声なしで放映。
街を行く人々が流れていくのを眺めていると、各々の国の文化か驚くほど透けて見えます。

カイロは、作家にも印象深かったらしく物乞いの姿や、横に寝た姿のビデオも小さなモニターで公開していました。
やたらに集まってくる、触れるほど接近してくる男達、男男男ばかり。女は街にいない社会。見ているとあきれるというか腹がたってきます。
カイロに行ったことのある友人が、女は家で家事をしていて、マーケット等行動範囲がしぼられている。男性は、生まれたときから女性の髪を見たことのない人々だからと説明してくれました。
それにしても。。。子供っぽい文化の国でも日本に生まれてよかったとつくずく思いました。

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(c) Photo - Report. RICA BANDO , gaden

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RICA BANDO
1984年よりニューヨーク在住。その間、ニューヨークでのグループ展など多岐に渡る活躍。
作品はハンタードン美術館をはじめ多数コレクションされている。
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