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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその34

日替わりランチ1000円

京橋 柿の木
東京都中央区京橋2-5-15 神保ビルB1F 03-3535-5585
ランチ11:30−13:30

 ここのところ中華料理が続いたのと、ご一緒していただく練馬区立美術館学芸員の野地さんから脂っ濃い食べ物は駄 目と念を押されておりましたので・・。
和食かあ和食ねえ。あ!そうだ以前からずっと気になっていたお店はどうかな・・。京橋界隈の画廊のオーナーが美味しいと言っていたのを小耳にはさみ、いつか伺おうと決めていた場所。一見門構えは高そうだけれど、ランチのメニューが表に・・。 品がいい感じ、でも断られるかな・・・と、おそるおそる聞いてみましたらOKでした。ラッキー・・。

どうですか、野地さんお味は、
「家庭的な料理法をしているが、凄く上品ですね。色の取り合わせが綺麗、器もいいね」
ランチは日替わり1000円です。今日は焼き鰈(カレイ)の煮つけ、春雨と鳥の和え物、きゅうりと大根のお新香、卵のすまし汁。おたふく豆も。

野地さんは病気をされてから肉や脂っ濃いものが駄目なんですって・・。

「牛肉食べないですむのはいいんだけどね」

狂牛病、本当に怖いですね。でも、もう何年も食べちゃってるんから今更気をつけても無駄 な・・・。世の中、あっちもこっちも閉塞感ばかりです・・。

野地さんに、美術のこれからの展望は・・、と、聞きましたら、「展望はナシ」。

●学芸員になろうと思った切っ掛けは・・。

 「子供の頃から絵を描くのが好きで。子供の頃は自閉症だったので両親が外に連れ出そうとしてくれたり・・。上手いと誉められると嬉しかったり、又、家に画集が沢山あって見ていると色々調べたくなってきて、歴史に興味が出て。亀井勝一郎さんや和辻哲郎さんの本を読んで法隆寺や薬師寺を回ったりしましたね。
日本の古い歴史から勉強を始めたんです。それから学生時代に美術館で監視のアルバイトやグッズの販売、美術館って面 白いなって思い始めて学芸員になろうと決心。山種美術館に入りました。山種は面 白い人がいましたね。佐々木さん、小池さん、草薙さんとか・・。
僕は最初日本画がどういうものか良く解らなくって・・。漠然と横山大観・速水御舟とかは知っていたんだけれど、戦後の東山魁夷さんとか杉山寧さんの絵を見ると日本画よりもむしろ油絵に近い感じ、何でこれが日本画なんだろうと思いましたね。いい作品を沢山見て眼は肥えました。勉強になったし、それと、日本画のコレクターと付き合わなければいけないので・・・人格を磨かないと付き合ってもらえない?・・、お茶を習ったりね。
作品を借りに行くとお抹茶が出てきて、お手前くらい出来なければ貸してくれないんじゃないかって、10年位 習いました。それが今役にたってます。山種には15年居ました。日本画を考え直すチャンスを与えてくれました」

●今の日本画についてお話を聞かせて下さい・・。

「日本画はある社会状況から生まれてきたもの、ある種のシステム、社会や現代の生活から生まれてきたものは、それまでとはまったく違う。それを日本画と呼ぶ事はない。むしろ現代の美術として自由に、今の時代を生きる感性として描いてもらった方がいいと思う・・。それを日本画と呼ぶかどうかは、本人次第。それを現代美術としてやっている人もいるし、伝統的な日本画として表現している人もいる。様々ですよ」

私、う〜ん。と、言いつつ・・・。焼きカレイの煮つけを。
美味しいですね。若芽が下に引いてあってヘルシーです。

 「本当にこれで1000円なんですか。かれいの焼き加減がいい。骨離れもいいし。食欲をそそる色ですね。お店の作りもいい、いけた花や、京壁も風流。品がいいですよ」 と、野地さん。
「病気をしてから、さっぱりしているものを中心の献立に、食事制限もしていますが、体調はいいです。ここはお薦めのお店です」 と。

画像をクリック

おつゆは、卵とにら、もやしも入り、味は薄め、春雨と鳥の和え物もごまの風味が利いてます。バランスがとれてる。さっぱりしているので胃がもたれなかった。
画商さんが薦めてくれたお店はサスガにうまい。外れたときは怖いけど・・、あったんですよ。名前言えないけど・・。

 デザートに柿が・・。嬉しい、本当に美味しい、食べ終わった器も写 しちゃいました。

こちらは今月の21日で一年目、ずっと以前から在ったような・・。

 「入り口がお高く見えるのか、中に入ると凄くリーズナブルなんですが。以前は銀座で、京橋に移ってからサラり−マンの方が多く常連のお客さんがつきました。毎日日替わりのメニューです。皆さんいらしてくださいね。」とおかみさん。

食べながらの話は忙しい。では、お話再開。

 「日本人には日本人ならではの感性がある訳だし、例えば武満徹の音楽などをみると日本的なものをとことん突き詰めて、それをベースにしながら共通 言語をもって他所の人達に訴えていく力がある。絵画もそれと同じで、日本画・岩絵の具・墨などを通 して今自身の生き方をどれだけ訴えかけていけるかですよ。
いまの日本画は現代美術を意識しすぎる、それは止めたほうがいい。伝統みたいなものと現代のハザマで悩んで苦しんで軋みの中で描く事を覚悟しないと生きていけないのでは・・・。
ニューヨークのテロやアフガンの状況を見ると現代美術っていったいなんだと思ってしまいますよ。なんの癒しにもならない。ああいう迫力のある現実の前では、癒しや勇気を与えてくれるわけではない。もっと美術として訴えかけられる事があるのではないかと思う。古いものでも村上華岳の作品は癒しもあるし、勇気を与えてくれる。そういうものだと思う。
美術をジャンル分けするのは瑣末な事です。自分の生きざまを描くことが重要でしょ。安穏とした中からは何も生まれない。伝統に安住していたのでは駄 目です」

●今の日本画から凄い作家が生まれると思いますか・・・。

 「これからの美術館の活動も重要になってくるのではないでしょうか。
ただ獏然と作家の紹介で終わっているのではなく。もっとアクティヴに若い制作者を刺激していく事が重要だと思う。美術学校だけではなく美術館の使命でもある。今までは美術館が作家と共に一緒に歩いて行くスタンスがないですよね。そういうスタンスは大事だと思います。確かに美術館自体は現存の評価されていない作家の展示をしない事は事実。でも、美術館はこういう行動の作家を応援している。でもいいのでは・・・。道は険しいでしょうが」

●画廊はどうでしょう。

 「この先5年くらいの間に美術館も構造改革が進んでくる。画廊も今までのやり方では駄 目だと思う。経済の打撃とは別の要素で、作家を育てる面や美術館とのタイアップであるとか・・・それを考えても、もっとプレゼンテーションが重要。社会性を持つこと、社会に向かってどれだけ発言するか。ただ経済の合理性だけでは中々難しい」

●今年の夏は美術館も奈良さんや村上さんを随分持ち上げていますが。その点はどうですか?。日本人は、ある作家がいいというと皆その作家を持ち上げる面 はありますよね。

 「よくないですよね。美術館は経営を考える訳で、経営の面 では人集めできる人たちだと思います。唯、それだけを続けていくとアートシーンの底が浅くなる。もっと別 の面を見せるのであればいいけれど・・。後から続く作家もあればっかりでは・・・。
全体的に見て批評や批判がない。批判が無いところには、まったく新しいものは何も生まれない。全て悪い方向に行っているのかな。
美術館に携わっている人間がその事をもっと真剣に考えなくてはいけない時期にきているけれど・・、行政がつぶそうとしているところがある。代替教育を美術館に押しつけようとしている。美術館は社会教育の場ではないと思う。
日本の場合ハイスタンダードがないですよ。スタンダードの美術史を通して見られる美術館がない。日本はそれをがっちりつくる事が先決だと思うんだけど。いい作家を生むのは美術館の常設展、ルノアールは自分の先生はルーブルだと言っていますよ」

●やはり展望はないですか。

 「展望はないですね。あると言う人がいたらその人の話を聞いてみたいです。どう考えてもアートの力よりも壊れたビルの崩壊したした後の姿の方が迫力あるものね。ある意味では危機感をもった時代の方が凄いものは出てくるかな。今の危機感を真摯に受け止められばね。
ちょっと展望もあるかも。でも現状は美術館には宣伝マンがいない。もっと普及に勤めるようなね。政治家の中にも日本の文化をきっちり語れる人がいない。閉塞感を感じます」

21世紀になってから、確かに閉塞感ばかりで展望がない。でもどっかで期待してるんですよね。凄い作家がきっと。と・・・。
何年先になるか、オサルスでとりあげた人が羽撃いたら素敵だな。ワクワクするようなそんな時代になるといいんだけど。

野地さんお体お大事に、お忙しいのにありがとうございました。

練馬区立美術館 http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/

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