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RICA BANDOのニューヨークレポート (Vol.16)
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NEW YORK report from RICA BANDO - - - - - Sat, 19 Jan 2002

You protect me, and I have no fears. Brutal people may attack and try to kill me, but they will stumble.
Fierce enemies may attack, but they will fall.
Armies may surround me, but I won't be afraid; war may break out but I will trust you. Psalm 27


新しい年の初めから、初端、英文で申し訳ないけれど、この文章が展覧会の案内状に印刷されていなっかたら、Dianne Smith, Unbroken展には行かなかったでしょう。
聖書からの文章ですが、無知な私は作家の文章かと思い,Youと言うのは誰か?
神ともとれるし、ブッシュ大統領ともとれる。本人に聞いてみなくては、と出掛けた訳です。

UFA Gallery, 526 west 26th Street Suite317
期間は、1月9日から2月2日まで。
チェルシー画廊街の真中、大きな雑居ビルの中にあります。


画廊オーナーのLowrence Finney氏と同時展示、Eniguma Rising展のアーティスト、Tori Richardson氏。

 Dianne Smith氏
展覧会は1年前から決まっていて準備をしてきたそうですが、9月11日の事件から今までの準備を全て捨てて、それ以降の作品だけで展覧会をする事にしたそうです。
殆どのアメリカ人が恐ろしいテロリスト事件という独立した惨事と受けとめているけれど、幼い頃、外国人としてアメリカ政府が援助するマルキスト政府のグァテマラで暮らした時期があり、その経験から9月11日の事件を顧みると、延々と続いてきたアメリカ政府との因果 関係、そして歴史をひも解けばひも解くほど出てくる惨事、戦争、人種問題。
そこに焦点を当てたいと考えたそうです。
この展覧会で人間の性を弾刻するというのではなく、人間の性を考え、生きてく事の方向を見い出す機会になればと、" Unbroken "とはそういう意味を込めて付けたタイトルだそうです。


この聖書の言葉を信じている?の質問には、”信じている、私は宗教的な人だから”との事。
この作品群を描いていて、やりきれない気持ちを救う事が出来たかしら?
”出来たと思うわ。何もしないでいるよりずっと良かったとおもう。けれど,友人達や親族といろいろな議論をしながら描いていったの。それが結果 になっていると思う。”

私事ですが、9月11日午前、死の灰と煙りの降り注ぐ中、タオルで鼻と口を覆いながら娘を学校に迎えに行った経験、アパートメントの屋上に出て見たツインタワー跡から透明な青い空に上がる煙りの風景。
2週間後、ブッシュ大統領の軍隊を送る、というステイトメントを聞いて動揺して起こした小さな交通 事故。 心に突き刺さって消えない傷跡。
その心から見る展覧会は、1枚1枚の絵が深く沈澱した答えの出せない,やりきれない想いに触れて悲しいほど美しい。
街中に溢れる見慣れたアメリカ国旗の色の " thedayafter "。その色も切なくなるほど透明で美しいと感じました。

事件直後、これからこの事件を題材にしたアート作品が巷に溢れるだろうと思い、そういう作品は見たくないと思っていましたけれど、記憶と言葉をアーティストの持ち味で絡めとっていて体験を共有している私の心に確実に届きました。
この展覧会を実現できた彼女は充実感からか、爽やかな印象。
それとも神を信じているからか?
憶いを絵画としてとどめる事が出来たからでしょうか?

 しかし、メッセージとして絵画は成り立つのだろうか?
世界中の人が時差なく観たという惨事だけれど、説明なくこれらの絵画を見たときに、そのメッセージは伝わるのだろうか?
そう考えながら階段を歩いて下り、夜の始まりのチェルシーの街路に出て目に飛び込んできたのが、このメッセージを装った広告でした。
ここに答えがあるよと言われているようで、笑いが込上げてきました。

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(c) Photo - Report. RICA BANDO , gaden

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RICA BANDO
1984年よりニューヨーク在住。その間、ニューヨークでのグループ展など多岐に渡る活躍。
作品はハンタードン美術館をはじめ多数コレクションされている。
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