gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network

RICA BANDOのニューヨークレポート (Vol.20)
バックナンバー Vol.19 Vol.18 Vol.17 Vol.16 Vol.15 Vol.14 Vol.13 Vol.12 Vol.11
Vol.10 Vol.9 Vol.8 Vol.7  Nol.6 Vol.5 Vol.4 Vol.3 Vol.2 Vol.1

NEW YORK report from RICA BANDO - - - - - Fri, 10 May 2002

ウェッブオーナーからの転送で来たオープンスタジオの案内、行ってきました。
OPEN STUDIO EXHIBITION
ISCP / International studio & curatorial program
323 West 39th street 6, 7 and 8th Floor NYC 10018


 18か国から集まった25人のアーティストと1人のキューレターのオープンスタジオです。
このプログラムは、外国のいわゆる中堅作家に仕事場と住む所を提供(?)して製作してもらい、2週間に1度キューレター、批評家や画商を招き、作家たちにアメリカでの活動の機会を作るというプログラム、非営利団体であるThe Elizabeth Foundationのプログラムという事になっています。

 最初に案内を送ってくれたYoshiaki Kaihatsu氏、(スポンサーは日本、コンテンポラリー・アート・ファクトリー)
彼のショウがSOHOにて近々あるとの事でそちらを取材する事にして今回は画像のみ。
日本から持ってきたというSPの制服、アメリカのガードマンの制服とは懸け離れているので、ビジターに理解されずに困ったそうです。
これもカルチャーショック?
このプログラムでの反応は? の質問には期待したほどではなかったな、との事。それはどういう意味で? もっと展覧会の誘いとか、ギャラリーとのコネクションが出来るかなと期待していたけれど、日本に帰るという事が前提であるとそれで終わってしまう感じ。
それでは日本での展覧会の反応は違ったの? 日本ではまじめにやっていれば、展覧会自体が静かに終わっても、次々と誘いもあるし展開もある。
SOHOでのショウもISE Cultual Foundationと繋がりがあったから実現したんだ。

 ノルウェイ出身の作家。Thomas Pihl氏。(スポンサーは、ノルウェイ、Royal Ministry of Foreign Affairs. そしてニューヨークのNorway & American - Scandinavian Foundation)
画像ではよく判らないとは思いますが、アクリルの作品です。容器一杯に作ったアクリルペイントを床に置いたキャンバスに10回くらい重ねてかけて製作するとの事。
透明感の美しい作品ですが、端ギリギリの所に美しい筋目。これは如何に? の質問に、車のドアと車体の分かれ目のようなもの。インダストリアルデザインの美しさを表現したいのだとの事。
自国とこのニューヨークでの反応の違いはある? の質問には、うーん。と考えて、自分の表現するものは世界共通で皆理解できるようだよ。反応はそれほど変らないと思うとの事。
他の作家とのインタビューで期待外れだった、という感想を聞いたけれど如何かでした? うん。そうだね。
と静かに穏やかに話す、Thomas氏でした。

Yasuko Iba氏(スポンサーは日本、文化庁芸術家在外研修員)
ニューヨークでの生活はいかがですか? このスタジオで製作しているだけで殆どどこにも行かないので判りません。こちらの人の反応は? 
皆、good! 等と褒めてくれるのだけれど、それが本当なのかどうか今、疑いはじめたところです。それはグリーティング、挨拶ということ? 
そういうことかもしれませんね。それでは、何が一番の評価になると思いますか、やっぱり作品を買ってくれるという事かしら? どうなのかしら、日本ではコンセプトがハッキリとしていないと評価されないですよね。それと明るい作品とか、画廊の意志もあるし。個展の作品を準備するだけに追われてしまって、少し休むつもりでニューヨークに来ました。 
それでは日本に帰ってからの個展の予定は無し? 帰ってから1年後に予定が入っています。
帰ってからの1年で準備するつもりで、ここでは好きなもの描こうというつもりでした。
それと、もっと期待していたんですけれど、こちらでの展覧会とか、そうでもなかったですね。
私好みの光の作家、気に入った小品は残念ながら売約済みでした。

 Christine Streuli氏(スポンサーは、スイス、Yvonne Lang-Chardnnenens Foundation)
壁面に大胆にペイント、ここを出るときはこの作品群はどうするの? 削って落とすのよ。作品を壊してしまうの? いいのよ、インスタレーションだもの。
写真撮っても良い? 今なら良いわよ。だけど作品は撮らないでね。作品の写真撮られるの嫌いなの。と取りつく島のない若いお嬢さんでした。

ビデオ作家等もいましたが、ビデオやスライド画像などを見るのが苦手、じっと立って見るほどの我慢と時間がないので省略させていただきました。

さて、このプログラム、料金を取るんです。1年未満で$14,500から$17,000。
非営利団体が主催しているプログラムとしては破格の値段です。普通、スタジオプログラムというのは、無償、あるいは光熱費程度でアーティストに一定期間提供するというのが一般的です。

レジデンシィと一般にいわれているのは、スタジオ、住居、食事、そのうえStipendという生活費まで出してくれる所もあります。もちろん条件は様々、作品を1点寄付する、地元の人々にレクチャーするなど。
レジデンシィに行くと生活費が助かるからと毎年何処かに2ー3か月行くというニューヨーク在住の友人もいます。レジデンシィは、賞を貰うのと同じなので胸をはって行きます。そういう事が常識と思っている身としては信じられないお値段です。

このプログラムに興味があってディレクターに会って内容を聞いた友人は、この料金を払ってくれるスポンサーをアーティスト自身が捜してこなくてはいけない、と言われたそうです。この国で1年近くスタジオを持って製作したいと思う外国のアーティストの1番の問題点は滞在ビザです。滞在ビザを貰うにはこの国での受入先を探さなくてはならない訳ですが、大学で学生ビザを貰うのに学費が平均で1年$16,000、闇でアーティストビザを買う値段が1年で$20,000と言う噂も聞きます。
その意味でこの値段は妥当なのでしょうか? 以前、取り上げた間島秀徳氏は文化庁芸術家在外研修員としてペンシルバニア州立大学に客員として籍を置いたのでスライドレクチャーをする以外は大学内のスタジオも無償、自由に製作できたそうです。
何にしろ、アーティストにスポンサーを捜してこいと言うのは、非営利団体がアーティストに言う言葉ではないと思う。非営利団体がスポンサーを募ってアーティストに無償で提供すると言うのが筋ではないかと思う。このニューヨークで生活、制作して、ニューヨークのギャラリーで個展をしたいというアーティストの永遠のドリームそしてイルージョン。そこにつけこんで生計を立てている人がいても全くおかしくないニューヨーク。

 アーティストを助けているんだと力説するディレクターのDennis Elliott氏、どうぞ彼の顔をとくと御覧下さい。

バックナンバー Vol.19 Vol.18 Vol.17 Vol.16 Vol.15 Vol.14 Vol.13 Vol.12 Vol.11
Vol.10 Vol.9 Vol.8 Vol.7  Nol.6 Vol.5 Vol.4 Vol.3 Vol.2 Vol.1

(c) Photo - Report. RICA BANDO , gaden

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
RICA BANDO
1984年よりニューヨーク在住。その間、ニューヨークでのグループ展など多岐に渡る活躍。
作品はハンタードン美術館をはじめ多数コレクションされている。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network