NEW YORK report from RICA BANDO - - - - - Tue, 4 Jun
2002
日差しは暑いけれど風が肌寒く感じるニューヨーク。
いつもなら本格的な夏を楽しんでいる頃なんですけれどね。
その原因らしい悪天候女の友人を連れて、前回予告した展覧会へ行ってきました。
Mr. Yoshiaki Kaihatsu
” Spirit of Tea ”
キュ−レイター/ Ms Midori Yamamura
Ise Cultural Foundation Gallery
555 Broadway, NYC 10012
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Ms Midori Yamamura |
5月24日と6月1日に行われたワークショップ、” The Tea Ceremony ”
参加者は、1時に会場に集合、わざわざセントラルパークまで季節の花を取りに行き、
(この行為は、本当は違法なのですが。。。セントラルパークで食べられる植物を探す会が、違法行為と話題になった事があります。)
地下鉄内で今日のテーマをそれぞれ決めて会場へ帰って来て、掛け軸を制作、発泡スチロールで出来た茶室、HappoenでMr. Kaihatsuのたてた抹茶をいただくという趣向です。
発泡スチロールは、日本では業者に電話1本かければ持って来てくれたそうですが、ここではそういう訳にいかず、手で拾い集めたそうです。
Ise Cultural Foundation Gallery は創立1983年。
卵の会社がスポンサー、現代美術中心の非営利ギャラリーです。日本名は、イセ文化基金。
連絡先は、東京都港区六本木5ー15ー21ー401 03-3560-1271
常時、キューレイターからの企画を募集しています。
イセファームズ卵は、ニューヨークの日本人の間では有名です。
卵に含まれていた有毒菌が原因で死亡者が出て、生卵を使ったシーザーズサラダをレストランで出す事が禁止されたときも、この会社の卵だけは安全と生卵納豆を食べていました。
初めの頃は、日本在住作家の展覧会が殆どだったそうですが、今は、キューレイターが企画した展覧会を選ぶという姿勢になった為、外国人作家の展覧会が半数を占めるようになったとの事です。
私たちは、ACE
Gallery ”A Decade of the Space Program ” を見てきたので良いとこ取りの掛け軸制作から参加。
発泡スチロールで出来た茶室にグランドゼロから集めてきた塵で仮庭、そして日本の穏やかな雲の写真の仮空。
雑誌から作ったらしい千羽鶴も展示、アメリカ向けを意識しているのか、なんとも出来過ぎのような展示に少々違和感。
茶室に入ったとたんに、今日の僕のテーマは「ま」です。と言われても、死の塵の池が借景のゴミで出来た茶室で心穏やかではない私には、「そうですか。」と答えるしかなくコミニュケーションは断絶。
しかたなく、抹茶をいただきながらインタビューすることにして、
人々とコミニュケーションすることに感心がある、とのことですが?
作品を作る事の楽しさもあるけれど、ある企画で人とコミニュケーションする事の楽しさを知って、製作する事と同じくらいの比重で楽しい、とのこと。
悪天候女は、茶室に入る事を拒否。
後日その理由を尋ねたら、中学の宗教の授業で無理矢理、コンフェッション(カソリックの告白)をさせられた事を思い出したから、それにアーティストが罠をはって自分を取り込もうとしているような空気を感じたから。
ウーン、鋭い、と感心。もともと茶会と言うのはそれが基本としてある、主催者の世界を無防備になって楽しむ会。
アーティスト自身が楽しもうと思ってしている事に乗っていけない人もきっと半数以上はいるでしょう、それは仕方ないと思います。
現代美術の範疇が広がって行く今の世の中で何をしても良いということになりつつあるけれど、それでもリアリティーのある事を真面目に考えていかないと決して人に受け入れられないと思います。
特にリアリティーの凝縮された街であるニューヨークでは。
姑に鍛えられた嫁の入れるお茶の美味しさは、人生のリアリティー。
その嫁の入れたお茶を褒める客の言葉に微笑む姑の笑顔、それは至福のリアリティー。
義理で亡き義父にお線香をあげに来た客が美味しいお茶で思いがけず会話がはずむ、これがコミニュケーションのリアリティー。
プラスチックのスープ皿で飲む抹茶は、香りも味もなく薄っぺら。
抹茶さえ美味しかったら、もっとましな事も書けたかもしれない。。。。
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