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The Cake is in Flames Pipilotti Rist
2002年10月1日(火) - 11月10日(日)
SHISEIDOGALLERY 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階 TEL 03-3572-3901
http://www.shiseido.co.jp/gallery/html/

 映像のインスタレーションでも飽きのこない作品もあるんですね。テーブルの椅子に座ってずっと見ていたい気分です。
テーマは『誕生』。書き下ろしのバースデーソングを聞きながらドラマチックな展覧を味わうにはお薦め。3時と5時にはケーキも出るらしい?

Pipilotti さんのお部屋におじゃました気分で・・・今日は資生堂のキュレーターの朝川さんにお話をお聞きしました。

●4箇所に映像がながれていますね。

「左が 『マザー&チャイルド』、次が『ブラッド』、右が『フライングチャイルド』です。」

●世界の人口の半分は女性。フェミニズムではなく女性にしか産めない生命体『誕生』をテーマにしているんですね。

「そうです。フェミニズムで作っている訳ではなく、過去の女性たちが戦って得てきたものの上に、今私たちは成り立っている事を忘れてはいけない。という事を言っています。
今回は階段を下りた床の上に4つ目の映像があるんですが、それはパブリックなイメージなんです。皆日光浴をしていて、その上に血のイメージが重なっているんです。それは皮膚の色も髪の色も考える事も全部違う人間が、ああいう同じ所にいて唯一共通するのは・・・例えば“太陽って暖かくていいな”とか“気持ちいいな”とそういう感情は共有できるものですよね、その上に血のイメージが重なって、誰にでも共通に流れている血があのフロア−で展開されています。
こちらの部屋はPipilotti のお部屋という事で、外の世界からもう一寸狭いファミリーとか家のスペースが入ってきます。この壁にPipilotti のメッセージが貼ってあるんです。

『ここはあなたのお部屋です。これはあなたのテーブルです。どうぞ座ってあなたの誕生日を思い返して下さい。』

と書いてあります。誕生日は万人に共通して必ず毎年やってくるものです。確かに一つ歳をとる事は嬉しい事だけれど、それは死に一歩近づく事ですよね。生まれてすぐ死に近づいていっているんです。
凝縮された一日に、今までの自分の誕生日、これからの誕生日を想像して欲しい。それを女性の可能性とか人間の可能性を考える切っ掛けにして欲しい。あの血のイメージは健康な女性ならば必ず生理があってそこから子供が生まれて成長していく・・・それを象徴的に表現しています。
  彼女の作品は色々な意味が凄く二律背反的に重なっていて・・・例えばテーブルの上はウェスタンスタイルでありながら、とってのないカップはイースタンスタイルであるとか・・・色々なものが共有して交ざったりとか・・・彼女に言わせると『ポエム』なんです。
色々な意味が何度も重なって・・・ペットボトルにしても使い捨ててではなくリサイクルですよね。私達自身も大きな宇宙の中では土に還ってリサイクルの一つであるとか・・・意味が凄く幾重にも重なった作品なんです。
今回は彼女はシンプルになんの言葉も出てこないけれども、見る人が感じとって・・・それぞれが切り開いていく。女性の可能性を広げるとか、考える事の見る視点を変えるとか、そういう切っ掛けを与えてくれているんだと思います。」

●ケーキが出るって本当ですか?

「あのテーブルで毎日3時と5時にロールのケーキを食べるイヴェントはありますよ。それは一つのものを分け合ってその時間を共有して、あそこに座った人は、

『今日はあなたの誕生日だと思ってここで感じて見て下さい。』

というメッセージが入っているんです。」

お出かけの時間が迫る中、お急ぎの所バーッと話して下さってありがとうございました。

 誕生日はこの頃本当にいやなんですよ。誕生日は冥土への一里塚、目出度くもあり目出度くもなし。歳をとって来ると段々ゴールに近づいてくるのが判るというか・・・。でも本当に終わってみないことには判らないですよね。判らないからがんばるしかしょうがないって事なんでしょう。あ〜あ! 先は長いのか短いのか? いつまで続くぬかるみぞ・・・。

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