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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその52

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五目そば 780円

中華そばおはる

 今回のランチの住所は秘密! すみません。ここのお店は取材はNO! 某所としておきます。
今日ご一緒していただいたのは先日村上隆さんのゲイサイで、突然 「お薦めランチ」 の御願いをして快く(?)承諾してくださったSHUGOARTSの佐谷周吾さんです。お店は大きな川添いにある見てのとおりのこのロケーション。映画のセットでもなかなかこうはいかない。常連さんでないとはいれない雰囲気。
でもご主人はやさしそうな気さくな感じ。今まで57回もお店を紹介している中 で、家族だけで切り盛りしているお店は取材拒否が多いんです。逆ユニクロスタイル っていうのか、画廊とも共通点が多いけれど、自分の商売を大事にしているスタンス はとても気持ちがいいかな。

 ただオサルスの場合は、ランチのコーナーを直接ビジネスにしようと動いている訳ではないのでそのあたりは理解して欲しいのだけれど・・・。こだわりのある人生・・・。いい なあ〜この言葉! 段々歳をとってきたせいか? こだわりがなくなったら人生終わりだと思えるように・・。

さて今日はどんなお話が聞けるのでしょうか。
あっ、その前に・・。佐谷さんお薦めの五目そば(780円)

いいでしょこれ! 五目以上あるでしょ。(佐谷さん)

1・2・3・・数えてみてもしょうがないか。ホントに五目以上ありますね。

前にご主人が言ってましたけど、ここの五目そばがあえて塩味なのは醤油味に比べてごまかしがきかないからだと。(佐谷さん)

 塩味でサッパリしている中にコクがある。具もそれぞれ大きくて見た目も綺麗、どうですか美味しそうでしょ。オサルスの下手な文章よりもこの一枚の写真の方が説得力がありそう。
さやえんどうのグリーン・卵の黄身の鮮やかさ、野菜はざっくりと切ってあるけれどシャキットした歯ごたえが麺とスープとマッチして中々どうして絶品です。川風に吹かれながらアツアツの五目そばを。
屋台のようなお店ならではの味わい・・ついつい食べるのに夢中になってしまいました。

●佐賀町にはもうどの位いらっしゃるんですか。

 「まだ1年半くらいです。厳密にはビルの2階にある今の小山登美夫ギャラリーが始まる前に4年位あの場所を使っていました。当時佐賀町エキジビット・スペースを主宰していた小池さんが使ってらした場所なんです。元々は佐賀町ビスというスペースで、それを小池さんのご好意で90年代の前半頃・・92年から4年間「佐谷周吾美術室」として使わせてもらっていました。あまり活発には出来ませんでしたが6本位展覧会をやりましたね」

●美術に関わる切っ掛けは・・? お父様が画廊のお仕事をされていた事も影響がありますか。

「それはそうですね。でもこの仕事を自分もやるものだとは思ってなかったんです。
音楽が好きだったので家で好きな音楽を聞いていると、そこにジャスパージョーンズの版画やクリストやウォーホールの作品とかが飾ってあって環境は美術に親しむ環境でした。唯、美術というものは何をもってよしとして何をもってそうでないのかポイントがよく解らなかったんです。ですから大学を出たとき、音楽に関わる仕事につくことが出来ず、かといってギャラリーの仕事に携わる気分にはなれなくて、差し当たりサラリーマンになったんです」

●でも、手がけるようになられたのは・・・。

「それは佐谷画廊で展覧会をしていたアーティストやオープニングに来るアーティスト、ギャラリー関係の方達との語らいがあって面白さが解ってきたからです」

●ライスギャラリーはギャラリー小柳さんとご一緒に交互に企画をされているギャラリーですよね。その経緯を教えて頂けますか。

 「佐賀町エキジビット・スペースの小池さんがあのスペースをクローズする事を決意されて「出来れば知っている方にあとに入って欲しい」ということで僕と小柳さんにお話がありました。小柳さんはエキジビットの創設メンバーでこの場所はかつて彼女が見つけたそうなんです。ですからあの空間がいい形で使われないのは忍びないと・・・。最初はスペースを分割しようと思いましたが構造的に無理なので・・・。
ギャラリー同士のコラボレーションは容易ではないと色々な方が心配してくれましたが、アーティスト達が意欲的なコラボレーションをする時代ですから我々も挑戦してみようと」

●この場所が年内一杯で取り壊しになると聞きました。いい場所だっただけにとても残念です。お使いになっていて思い出というのもなんですが・・・。

「この建物は味のある場所、作家も刺激を受けていた部分はありますね」

●ところで日本の方だけでなく海外の作家を紹介するメリットはなんでしょうか 。

 「メリットと言われても答えようがないです。自分の中の意味合いとしては国内国外という分け方に囚われたくないし、、、 メリット・デメリットというのはビジネスになるのかならないかという事ですか」

●今の日本ではまだ外国の作家(誰でも知っている有名な作家は別にして)を受け入れづらいのではないんですか。

「それは勘違いではないですか」

- - - - すみません。

 「自分の考え方では芸術は国境を越えると思っています。国内国外という分け方は確かに成立しますが、それをことさら考えたくないという気はします。確かに国外作家のほうがコストがかかります。そういう意味では楽ではない。自分としてはこの地球という惑星上の何処かで仕事をしているアーティストであれば等しくアーティストだと思いたいですね。その中で自分が興味のあるアーティストを紹介したいと思っています。
僕はその地域その地域で仕事をしている人は土地とか歴史とか、アーティスト自身の生き方がバックグラウンドになっていることによるリアリティーがあると思うん です。
例えば一緒に仕事をしているアーティストのヤン・ファーブルはアントワープに根ざしてローカリティーを持ちつつ世界各地で仕事をしているわけです。そういう事は日本のアーチストにも言えるわけですよね。それは何処に住んでいても同じだと思います」

●そういうアーチストとの出会いの切っ掛けは・・。

「多分に直感的なものです。直感といっても行き当たりばったりではなく、自分の中にこれまで集積されているものが瞬間的にポンと出るものだから・・。それはひと言では言いづらいし・・・」

●話が変わりますが、大阪のアートフェアーはいかがでしたか。

「楽しかったですね。ギャラリーが集まればそれだけ一度に見に来る方も多いですし、そういう機会に知り合う事も出来る。来られた方の熱を感じる事が出来ました。参加してよかったです

●フェアーと話がずれますし、私見ですがスパイラルのG9の頃と今のFAVORITE! の様子を外側から眺めると少し以前とは感じが違ってきているように思うのですが・・。

「具体的にはどういうことですか?」

- - - - これは完全に私見ですが、若い画廊の方達に対する期待感があったんです。でも少し動きが鎮静化してきたような気がするのですが・・。

「その辺は意識していませんでした。そういう見られ方もあるんですね」

●海外のフェアーでは活躍されておられると思いますが、そこから活気は生まれているのか・・。以前小山さんが日本に現代美術のマーケットを作りたいと言ってらしたのを思い出して実際日本に今それがあるのかどうなのか解らないのです。日本国内だけを見て話をするのは恐縮ですが・・。

 「基本的には皆忙しくバタバタとやっていてあまりそういう風に考える余裕がないかもしれません。それぞれの画廊でバリバリやっていることなのでどう答えたらいいのかな。マーケットを作って行こうという小山さんの意見に自分も同じですが。
去年より今年はボルテージが落ちていると思われるかもしれないけれど3年5年10年のスパンで見るべきものだと思います。マーケットは一朝一夕には出来ないし、東京にマーケットが出来るかという意味では、今微妙な所にある訳です。
今はアジアのマーケットとして東京が相対的に大きいかもしれませんが、ソウルもあるし香港も上海もある。3年5年10年後にどうなっていくか考えてみるべき時 です。そういった時にギャラリーベースで今足りないものは何か。我々は東京にギャラリーをもっている以上そこで吸引力のあるマーケットを作っていく努力が必要だと思いますよ。既存の先輩達がやってきた事はそれとして多分我々には違うアプローチがあるだろうと思います。
コンテンポラリーに限らず全体としてみた時に、停滞というよりはむしろある種空洞化しているような気がするのでその点での危機感はありますが、それを現代美術だけ見てどうかという質問は的外れだと思います」

●こちらが言った事が的外れと言う事ですか(的を外すのは得意なので・・)。

「というのは業界全般を見ても元気なギャラリーもあればそうじゃない所もある。来年になってみれば元気になるギャラリーも出てくるでしょう。今は力を蓄える時 と思って地力をつけるために一旦引っ込んでいるだけかもしれない」

- - - - そうかも知れません。ただ、gaden.comはリアルタイムという言葉が頭にあるので今の時点の意見なんです。勿論長いスパンは解ります。こちらも変わっていくでしょうし、でもマーケットは何時になったら出来るのかこの停滞を吹き飛ばすような力を私自身早く見たい気があるのかも知れません。

 「今現代美術に関してアジアで一番大きいマーケットは依然東京でしょうか。少なくとも色々展覧会を見れるアジアで一番の都市は東京じゃないかと思います。でも東京でアートフェアーをやっても海外から参加したいと思われない状況が続いている 。
海外へのフェア参加はやはりお金がかかる。我々が欧米に行くのと同じかそれ以上に費用がかかるわけですから、そういう東京の物価の高さを考えながらやり方を模索していかなくては。マーケットはギャラリーだけの力ではどうにもならないものだから・・・」

●それは・・・。

「買う側もマーケットの重要な構成要素だということもあります。作品を自分でお金を払って身近においておきたいという気持ちを自然に持てるような環境を色んな形でもっと実現できると良いんですが」

●その辺で大阪のフェアーは若い人が見に来てくれた。それが次に繋がっていけばいいと思いますが。これから先のフェアーは今の日本の経済状態では悲観的な方向に進みそうな気がしてならないのですけれど・・。

 「マーケットの延長で話をしますとアートフェアとはつまるところギャラリーのショーです。主役はアーティスト以前にギャラリーでしょう。元々アートフェアーは美術を商っている業者が一つの所に集まって、見る人も一遍に見れるし、欲しいものがあれば買える。比較もできるし情報交換も出来るつまり市場(いちば)なんですよ。ギャラリーによる市場(いちば)です。
美術を扱うのであればそこには本来古美術も日本画も洋画もコンテンポラリーもあっていい。でも日本には色んなジャンルの入っているアートフェアーは十全とした形では成立していないんです。現実にコンテンポラリーだけでは外国からのギャラリーを呼ぶ事も国内だけでクオリティーを保って見せる事も今は厳しい状況です。
ですからアートのマーケット全体について考える枠組みがもう一方であってもいいと思うんです。一回シャッフルする。もう一度質の問題に立ち返ろうという発想です。
私は「現代美術だから良い」という風には必ずしも考えていません。僕自身は古美術でも日本画でも好きなものは好きだし・・。自分の仕事は現代美術をしていますがだからといって他を排除するつもりはありません」

- - - - それを聞いてほっとすると共にとてもよく解ります。

「その部分をずっと棚上げにしてきたので益々日本の美術業界がやせ細る一方です。危機を感じるとしたらその部分に感じます。ですから従来の枠にこだわらない人たちで新たにネットワークを作っていくことが大事だと考えています。
それはギャラリーだけでなくアーチストを含めて美術に関わっている人たち全てが考えなければ・・。でもそういう事を意見交換できる開かれた場がないんですよ。どうやってそういう場を作るのか。そのためのアートフェアであって欲しいと思います」

●でも、フェアで質を保てるのでしょうか・・。

 「質を厳密に問題にすることはここ数年の様子を見ても掛け声倒れに終わってしまい有効ではないのではないかと思います。アートフェアが市場(いちば)として機能するには、まず出展画廊の量でしょう」

●量ですか?

「一度垣根を取り払って、アートフェアをやる時は市場(いちば)という原点に立ち返る事。そこにビジネスチャンスがあると考えて参加したいというギャラリーが増えることによって、ジャンルやターゲットに対応した区分を検討する段階がいずれ訪れて欲しいと思います。それは買う側の反応次第だと思います。これからのフェアは国単位ではなく都市単位で考えるべきだと思いますが、それも都市生活者こそ芸術を必要として生き物だからだと信じるからです」

●唯、ここでどうしても疑問に思うのは既存のフェアーに魅力が持てるのかという事なんです。

「まあ今の状態が誰もいいと思っている訳ではないので、変わる勇気と努力と工夫を互いに持ち寄ることがますます必要となってくるでしょう」

●最後に将来どういう画廊を目指されますか。

 「自分の役割は何かと。何らかの役に立っていない限り我々ギャラリーの存在意義は無い訳です。自分がいてもいなくてもアーティストもコレクターも美術館も存在し続けるわけですから。自分が関わる事によって、例えばアーティストの制作、行動に何かより選択肢が増えるとかより意味合いが濃い作品になるとかそういった事の役には立っていたいと思います。
あるいは買う側のお客さんの立場から見ればお客さんに対してより良いコレクションが出来るように責任をもって薦める。それも目先だけではなく長いスパンで薦めていく事は大事な仕事だと思います。理想ですが」

ありがとうございました。

オサルスはどうも目先の事ばかりで大局が見れない。ん〜。
6月はバーゼルにドクメンタ・・海外のフェアーが目白押しです。行ってみたいのは山々なれど、どこかに気前のいいスポンサーが・・・、現われるわけ無いか。

SHUGOARTS http://www.shugoarts.com/

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