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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその57

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ミルフィイユ 1400円

Quil fait bon
東京都中央区銀座2-4-5 TEL 03-5159-0605

http://www.quil-fait-bon.com

 銀座二丁目の凄く洒落たこのお店、初めはレストラン?かな・・・って! でも何であんなに並んで待っているのか解らずじまい。(ケーキを買うと、その場で切ってくれるので時間が掛かるかららしい。)

先日、某広告代理店のKさんから、ここのミルフィイユ(1400円)はランチ代わりに食べても大丈夫だよ。凄く大きいから・・と薦められて見に行ったらホントに凄い。じゃあ、展評の松浦さんとここでランチをしよう・・・。何の脈絡もなく決定。でも、松浦さん甘いものは平気なのでしょうか。

「ここのお菓子は美味しいんですよ。ケーキもね。前に青山のお店に行った事があるから知ってるんだ。
わりと僕はこういったお店でお茶するの好きだから・・・」

- - - それはよかった。

「ケーキはミルフィイユ。飲み物はお茶がいいよね。有機栽培系があるから・・・」

- - - よく解らないのでお任せします。(ん〜。 ・・・。手馴れている。)

今回のお話は展評(美術評論雑誌)の編集者の松浦良介さんです。
展評が7月15日発売なのでそれに合わせて前宣伝。gadenを見ている人が展評を買うかどうかは解りませんので責任は負いませんが・・・。今日はゴチになりますゼ・・・。

突然ですが松浦さん、なんで雑誌の編集者になったの?

 「なんつったらいいのかな、学生時代にミニコミをかじった事があって楽しい仕事だなと思って・・。学生時代はもの凄い劣等性で就職が選べる状態じゃなかったから・・。初めは月刊美術に入社、9年間いました。楽しかったですよ」

じゃあ、何故やめたんですか?

「まあ、もうちょっと幅広い業界にいってみたいなと・・浮ついた心で・・。そのあと1年半位、展評に入るまで何十社と廻りました。かなり転職がキツイ時期で、コンピューターがいじれなかったから大分はじかれましたね。今は即戦力でデザインも扱えないと駄目みたい」


失礼します。
お待たせしました。
ミルフィイユでございます。
「 うわ! えらいこっちゃ!」

これどうやって食べるんでしょう。

 「ミルフィイユって倒して食べるんじゃないの・・。これじゃ倒れないよね。一応切ってしまおう。えらい事になってしもた・・・。凄いねこれ!」

どうですか?

「ん! サッパリしてますね。苺も美味い。パイがベタベタしてなくってサクサクした軽い感じだし、これを4時間以内に食べなきゃいけない理由がわかりますね。時間がたつとクリームがガンガン染み込んじゃって食べづらくなるからね」

ランチ代わりになりますか?

 「!!」

処で、本を読むのは好きですか?

 「立教大学の文学部だったから好きですね。でも、日本文学からフランス文学までなめまわしたという事はないです。好きな小説家は大江健三郎とか高橋源一郎、筒井康隆、この三人はかなり読み込みました」

本を読むのが好きだから評論や長い文章読むの平気なんですね。美術の評論は、難しくて解りづらくないですか?。

「柄谷行人だってなんだって読んだら難しいですよ。評論はアカデミズムの中で育つものじゃないですか。インテリ階級の中で・・、ヨーロッパのほうはアカデミズムもしっかりしているし、大学や学会とか教育機構の元でしっかり成立しているものです。インテリ階級をちゃんと作り上げている。その中で評論が流通していけばいい。
日本の場合はそれがないから、いきなりそういったアカデミズムの枠を飛び越えて流通しちゃうから難しいですよ。インテリ階級の間でグルグル廻って翻訳されて他の枠に出ていけばいいんでしょうが、いきなりは難しいです。それは評論のせいではなくて環境の問題でしょう」

環境ねえ。環境はそのまま変わらないのでは・・。

 「 唯、美術は教育と深く結びついて、その関係を今後どうするかによっては変わってくるんじゃないですか。より教育と強固に結びついていけば、よりアカデミズム化されるし、逆に教育から離れれば大量消費のサブカルチャーの方に突入するだろうし、それが今後どうなるかでしょう」

- - - それはそうかも・・。

「作家は展覧会の前宣伝の情報やインタビューとか、出口が昔に比べて多いんですよ。ファッション紙やテレビ、一般誌も取り上げるし。だけど美術に対するきちんと何かしら考えた言葉は出口がないんです。出口の無い言葉は可愛そうじゃないですか。
結局 飲み屋での美術界の裏話程度に陥ってしまう。そればかりではないけれど・・美術にとってはよくないと思うんです。何かしらの出口がないと・・展覧会でも作品集でも単に消費される対象になるじゃないですか。良かったね。悪かったね。だけではどうにもならないですね」

- - - すいません。オサルスはそれしか書けないので・・・。

では評論家は育ってきているんですか。

 「歳とった人でも 若い人でも何かしら美術に携わっていると、それなりに言葉はもつと思うのです。例えばある一作家についてとか、ピカソやゴッホなどを地道に研究しているとか・・。そういうものは今はお金を掛けた自費出版しか出口がない。展評がそう言う意味で、何処まで出口になれるかなっていうのは面白い試みだと思っています。
・・・うちはメジャーな人には頼んでないし、頼めるほど原稿料も払えないし、どちらかと言えばライターや地方の学芸員の方達、色々な方に書いてもらっています。兎に角、美術に関する色んな言葉をバーって外に出してしまいたいと・・。展覧会は消費されてないということですかね。
きちんと誰かの記憶とかなにかに残って、一つの表現が記録されていくのでなければ作家は特にやってられないでしょう。画廊もある種やってられないと思います。結局売れた売れないだけで生きてくしかない訳で・・・」

出口になるという考え方は素晴らしいけれど、展評は売れますか。

「意外と読み込む人は多いですが・・。全然売れてないですよ」

じゃあ、食べるためには何の仕事をしてるの。

「アート・ヴィレッジはデザインの会社。他にDDPの仕事をしてます。社長が受注でチラシや本の制作をがんばってます」

美術はマイナーだもんね。でも展評ももっと見る人に興味をもたせるような紙面作りは考えてないんですか。

 「例えば美術雑誌を読む人は、コレクターやファン・・・かなり深く美術に関わっている人が多いんです。書店でも普通の雑誌のコーナーではなく、美術書のコーナーだし・・。ファッション紙や週間誌の置いてある所に置くように本屋さんの体質が変わってくれば・・不特定多数の人が見に来たら、展評に限らずどの雑誌もそれにあわせて紙面は考えるのでしょうけど・・。
美術コーナーにしか本屋が置かないという時点で、そこら辺の努力はファッション紙などに比べ、しなくてもいいと思います。美術雑誌や美術書をどう言う風に扱うかは書店の問題ですよ。作る側は常に大なり小なり努力はしている訳だから。あとは出口の問題・・やっぱり誰もいかない隅に置いてあれば、それはしかたがないですよ。だけどブルータスなどが現代美術の特集を年に1回すればかなり売れるわけだからね・・・」

美術雑誌が取り上げている世界は、自分がいつも見ている美術の世界と比べ何であんなに違うのかな。

 「そりゃオサルスが無名の人ばかりを廻っているせいですよ。雑誌に載せるのはどっかで取捨選択しているし・・話題性に絞っていけば無名な人は出てこない。
展評の場合は余りしないけど・・筆者に限りがあるから取りこぼす場合もありますね。まあ投稿を含めて毎回20〜30人50本位載せてます。やはり沢山載せたいけどね、全部は無理でしょう。展評は話題性などは関係ないし、有名な作家だからカラーページ多く割いておこうなんて事はしないし・・・」

今話題に上っている作家っていますか。

「今海外ではドクメンタが開かれているから注目される作家がいると思うし、日本でも又大きな展覧会があれば違うんじゃないですか。横トリの塩田さんなんかインパクトがあったしね。でもああいうのは見本市ですから真剣に作品を鑑賞するよりも、ああ! こういうのが選ばれたんだな。と見たほうが・・、これが現代美術の縮図だとかも必要ないし、この審査委員達はこういうのが目にとまったんだ。という見方でいいんじゃないですか」

- - - 今度は展評で美術の見方をだしたら?・・。

「美術の見方は月並みな言葉ですけど、その人が勝手に好きなように・・・」

- - - -好きなように見るのは、結構つらいですよ。

 「そうなんですよね。美術の鑑賞は面白いもんで、自分に跳ね返ってきてしまうというか、映画でも音楽でもそうですが、のめり込んで、
『何でこれが好きになったんだろう』
と思うと・・、 自分の記憶の中に1回立ち返るので・・、それが煩わしい人であれば絵も見なければ音楽も聞かないし、映画も見ない。そういった人が実際多いのは確かですよね。ただ、音楽は常に流して置けるので、そんなに真剣に向き合わなくてもいい表現でもあるから、大量消費が可能でしょ。それは偶々音楽が持っている性質だと思わないと・・。
そこら辺を美術に置き換えて考えて、不特定多数に繋がっていきたいとか、バーンと売れたいだとか・・・可笑しな考え方になってしまう。だいたい大量複製してもしょうがないし、 例えば村上春樹の『ノルウェーの森』を見ても400万部売れても、読んだ人は4万人いないのじゃないか。と言われているでしょ。
本の場合、置くだけでいい性質があるんです。開かなくていいという・・。唯、美術だけは何かしらこっちが常に反応しなければいけないんですよ。非常に時間の掛かる事なのでマイナーにならざるをえない」

- - - 白髪が増えますね。

「白髪も増えるし、髪も抜けます。美術はもの凄く難しいものなんだと誰も何で言わないんだって・・。僕は難しいと思う。他人の、それも一度も会った事もないし、話した事もない人の頭の中なんてワカリッコないですよ。でも偶に何か一点が通じる時がある訳じゃないですか。だから感動するんですよ。ありえない事が起きるから・・・」

- - - ホントにそうですね。

最後に松浦さんのモットーは?

「え! モットーなんて今まで聞いてなかったじゃないですか」

- - - この間から皆さんに聞いてますよ。もっとモットーなんちゃって・・・。

 「ん〜。犬も歩けば棒に当たる。そんな感じですかね」

ありがとうございました。

展評が売れる事を祈っています。 展評は季刊だから年に4回発行。北海道から沖縄まで160本位の展覧会評が集まるんですって、
「凄いですよ。」と、松浦さん・・・。
文学部出身で本を読むのが凄く好きな人はいいけれど、美大出のオサルスが読むのは容易なこっちゃないんですよ。これじゃ「オサルスのお薦め」にはならないね。御免ね!。

展評(てんぴょう) http://plaza27.mbn.or.jp/~artv_tenpyo/tenpyo.html

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