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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその62

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キーマカレーのセット 1500円

北鎌倉 GALLERY NEST
神奈川県鎌倉市台1399-1 TEL 0467-47-9540

http://www3.tky.3web.ne.jp/~nest (火・水曜日休館)

 もうすぐ9月だというのに暑いですね。北鎌倉駅の改札も暑いな〜。ここで待ち合わせて向かうは 『北鎌倉 GALLERY NEST』、でもこの日差しの中歩くのはつらい・・・。と、思っていたところにエサシトモコさんが車で迎えに来てくれて。ラッキー! 車に乗り込みホ〜〜! 涼し〜い。鎌倉は殆が山、今日伺うレストランも山の上にあるらしい。地名は台。時刻は朝の9時半。朝なのに暑いよ〜。

 何故ランチなのに朝なのか不思議でしょ。NESTさんから、取材は他のお客さんに迷惑をかけるといけないから時間をずらせてならと・・OKを頂いて。こういうお客さんへの気配りって・・・好きだな。

 鎌倉のイメージは、昔テレビで夏目雅子が結婚のインタビューをして、手を振りながら竹垣の向こうに去っていく・・・。彼女が亡くなってから繰り返し流れていたシーン。小さな小道に迷い込んだら思いがけないミステリアスゾーンなんてね。今回のNESTさんも初めて連れて行ってもらったのでリピートは地図が無ければ無理かも。
小道を幾度か曲がってお洒落なポストが目印です。きっと名のある建築家が建てたのであろう建物の中に入ると巨大な猫が出迎えてくれて・・・。ネットで拝見したよりもこぢんまりとした室内。入って右側がギャラリースペース(9月30日まで平田篤史縄文のくらし展を開催中)。
奥がレストランになっています。見て下さい。窓からの眺め・・・青い空と白い雲、草息れ、久しぶりに 『う〜ン』 と伸びをして・・・ゆったりした時間を過せそうな予感が。

 今日ご一緒して頂いたのは彫刻家のエサシトモコ(http://web.ffn.ne.jp/~esashi/index.html)さん鎌倉在住の作家さんです。このレストランの常連さん。エサシさんがホント常連でよかった。ランチ以外の恩恵にご相伴させて頂いちゃたんですよ。
 食事の前にまずはハーブティーを一口・・・。原料はカモミールをブレンドしたもの、ミントが入ってない優しいタイプ、サッパリしていて気持ちを落ち着かせてくれますね。

●ところでエサシさん。美術家になろうと思った切っ掛けは?

 「小さい時から好きだったんです。私の父親は工芸家なんです。鎌倉彫りのデザインを 生業としているんですよ。子供の頃住んでいたのはとても狭いシンプルな家だったので、公募展に出展するときなんて部屋の中を一杯にして仕事してましたから、夜中にトイレに行くのに道具や木屑が散らばっている所を通らなければいけないんですよ。
父に 『うるさい。とか、早く寝かせろ』 と、よく怒られましたね。小さい頃からそういう環境で育っているので・・・。家の中で道具が散らばっていたり仕事をしたりしている事には違和感が無かったんです。でもそれをやるまでには・・・自分は親の影響でやるとかは若い頃はとても嫌でした。逆らって逆らって・・・でも気がつくと美術家に成るルーツがあったのかも知れません。あまりにも身近にあったので・・。まあ、他になりたいものも無かったし・・・」

●彫刻科を選んだのは?

 「油絵を描いてみたんですが、面白くないんです。油絵の得意な人を見ていると色を選んだり構図を選んだりが凄く好きなんだなって。でも、自分は違うなって・・・。父親がやっている工芸に進もうとは思いませんでした。
唯、父は鎌倉彫りのデザインを生業とはしていましたが、家でやっている仕事は私から見ると木彫だったんです。私は父にはどっかで適(かなわ)ないなと思うんですよね。今でも批判する部分と適わないなと思う部分が両立しています。これは死んでも続いていくのだろうなと思いますね」

●オサルスも彫刻が好きなんです。発想だけに頼るよりも自分の手で作っている作家が好きなんですよ。唯、自己満足で終わってしまうのではなくて、自分が満足できる到達点を何処に置けるかに興味がありますね。

 「満足度ですよね。人から見てパーフェクトかどうか判りませんが、その時点で自分がこれでよし、これでよしという点検作業じゃないけれどそれをしていくのが作家ですよね。唯、自分が満足できないものとか判らないものは一杯ありますけどね」

●自己満足の人もいると思うんですよ。その満足を言葉に置き換えると、あえて“ふへん”という言葉を使うのが一番判りやすいかもしれないんですよね。(会話の中で“ふへん”という言葉を使うと、普遍・不変・不偏とそれぞれ相手の解釈が違ってしまうので、本来はオサルスの嫌いな言葉なんだけど・・・)

「いいものはいいという言葉に置き換えたりとか・・・」

●それは作家の資質の問題もありますか?

「それを言っちゃうと怖くて言えません。ハハハ・・・。才能とか資質とかを自分から口に出すのは怖くて言えないじゃないですか。もしかして自分の全否定になってしまうかもしれない・・・。取材は怖いですね。普段折角言わずにおいている事をつい勢いに任せて言ってしまうのは怖いですよ。逃げられんぞの世界ですね。ハハハ・・・」

●作家とはなんだろうと思うんですよね。自己満足から突出した部分がないと見る側は作家としては認めませんよね。

 「そこで私は作家だろうか・・それを言ったとたんに突きつけられちゃうじゃないですか。そうするとちょっと怪しいなと思ったり、いやいやそんな事はないと思ったり、人間は社会的な動物だから、いわゆる社会的な認知度が高ければ私のような気の迷いが無くなるのかな〜と。成った事がないので判りませんが・・・。ああ! こんな事は言いたくなかったんですけど・・・。ハハハ・・・」

●今まで誰かに聞いてみたかったんですが、答えは出ないですね。生きてる事に答えはない。見つける為に生きてるんですものね。カッコつけた言い方になっちゃったな・・・。

「そうかもしれない。作品を出すたんびにその事を言いたいんです。例えばスポーツはシンプルで結果が出やすいじゃないですか。作品も色々な観点があるけれど有名になるとか売れるとか評判がいいとか・・・」

●有名だとか売れるとか・・・社会的に認知された人が作家だとは思いません。モノを作る人は自然じゃないとつまらないと思うんです。でも、自然という言葉は語弊があって気味の悪いのは嫌ですけど・・・。

 「ナチュラリストみたいなね。私はナチュラリストなんじゃないかと誤解されます。まあ! いいんだけど・・・。自分が自然体なだけなんですけどね」

『もうお料理だしてかまいませんか?』

- - - お願いします。

 今日のランチはキーマカレーのセット(サラダ・デザート付き1500円)。
  人参のサラダは色がとっても綺麗で、ドレッシングがもっと酸っぱめに作ってあるのかと思いましたが、気持ちよく裏切られてレーズンの甘さと人参の甘さがマッチしてgood.

  朝からカレーはちょっとつらいかなと思っていましたが、さっぱりして美味しい。

『すり鉢でするので、繊維などが残っているかもしれませんが、大丈夫ですか。』
と、ご主人。いや〜。そんな事無いです。
  キーマカレーはひき肉のカレー、唐辛子が三本ものっていて辛そうだけど、その辛さが夏に合いますね。朝ごはん食べてこなかったのでこのボリュームも嬉しい。カレーの上のグリンピースの色も綺麗。

「私は結構料理が好きなんです。凄く好きかもしれない。プロにはなれないけど」

●え! そうなんですか。しかし、このカレーかなり辛いですね。

 「今日はサービスがいいんじゃないですか。ここは凄くこだわりがあって家庭料理に近いのがいいでしょ! ちゃんと人に出せる気配りがあって・・・。私は自分の作ったご飯が凄く好きなんです。
何でかっていうと、料理が上手なのではなくてその日に食べたいものが食べれるでしょ。味もその日の気分で変えられるし、家庭料理の良さはそういう処で『まずいね。』という日があってもいいんです。食べ物やさんに行っていやなのはいつも同じ味だから、それは大事な事で、作家というものをとっても、いつも同じこの人だという部分を変えちゃいけないのがある一つのステータス。特に日本の作家はそうなんだと思っています。私はそれが嫌いなんです」

●料理も作品も同じで凄いなと思うものを味わいたいと思いますね。

「あまりまずいものも食べたくないし、つまらないものもみたくないですよね。まあ! 人によって美味しいまずいや、好き嫌いもありますけどね」

 『茗荷食べますか』

- - - えっ! いいんですか。頂きます。味噌をつけて食べると美味し〜〜い!!

 

採りたての茗荷なんですね。エサシさんが常連でよかった。このあと続々と豆乳やブドウまで役得、役得。こちらは全部自家製なんですよ。
ホントに美味しかった。

ご馳走様でした。

●では、最後にエサシさんのモットーは?

 「そういうの好きじゃないんだよね」

- - - - 判るな〜。オサルスも好きじゃないから・・・。

 エサシさんと過ぎ行く夏空を眺めながら汗をかきかきカレーを食べて、青空の向こうに、ふっと遥かなる光明が見えたような見えないような・・・。そんな時間が過せた鎌倉の朝でした。

どうもありがとうございました。

 あ! そうだ。最後にデザートを、竹の葉模様の抹茶のゼリーに小豆がふわりと・・・カレーの辛さと和風の甘さ - - - -ん〜〜〜。最高!。お薦めです。

エサシトモコ http://web.ffn.ne.jp/~esashi/index.html

関連情報 2002.6 2002.6b

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