gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network
携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその64

バックナンバー(お店リスト)はこちら

ランチコース(キノコのテリーヌ・鴨のロースト・デザート・珈琲)2500円

 

パリの朝市
東京都中央区銀座4丁目10-2
伊勢太ビル2F・地下一階
TEL 03-3543-9436
ランチタイム11:30-14:00 年中無休

 このあいだ『63回もランチをやっていてネタ切れにならないの?』 と言われて・・・。なぜか! ならないんだよね〜。ふふふ・・・こちらには強い助っ人がいるからさ。今日の助っ人は、銀座でもう20年以上画廊を経営しているH画廊のHさん。
『写真が嫌いだから一緒にランチは無理だけど、美味しい所はまかせて』
の頼もしいお言葉。
『夜はとても高いレストランばかりだけど、ランチだったらサービスで値段も安いから・・・二、三千円でいいんでしょ』
うっ! 二、三千円ですかあ! オサルスには・・・ちっと高い。
ん〜。教えてもらっても紹介できないかも。値段がな〜。そうだ! これはという作家の方とランチのストックにしとこ〜っと・・・・貯めておいたのもつかのま。
出会いは突然。NADiFF(http://www.nadiff.com)での『ニュー・シベリア・カフェ』の展覧会

 どうです。包み込むようなこの暗さ。いいでしょう。秘密のカフェをつくった作家は何処が似合うか? これはもう直感でHさんお薦めの 『パリの朝市』 っきゃない。秘密が似合いそうな洒落たフランス料理のお店です。
但しランチのコースは2500円から5000円まで、かなりゴージャスな『ランチdeチュ』今日はアーチストの三田村光土里さんとご一緒に。

●まずは恒例お約束、美術を志した切っ掛けをば・・・。

 「話すと長いような短いような小さい時は絵が得意で近所の天才お絵描き少女と呼ばれて・・・漠然と美大に行こうかと思っていたんですが・・・その後『人間関係学』という心理学を専攻して」

お待たせいたしました。

「あ! 美味しそう」

●どうですか。

「美味しいですね」

- - - - ん〜。本当に高級感がありますね。流石グルメのHさん、いいもん食べてるなあ。あ! ごめんなさい。お話の続きを・・・。

 「それで美大には行かなかったんですが、ものを作るのが好きだったので洋服のデザインの学校に進んだんです。でも高校の頃から今の現代美術でなされているようなインスタレーションみたいな事を自分の部屋でやっていました。それを美術だと知らずにやっていたんです。
いわゆる型にハマッタ美術しか存在としてはあまりよく知らなかったんですね。唯、生活は学校をでてから洋服のデザイナーになって結婚してバツイチに・・・。ちょうどその頃友達が画廊に勤め出して、そこでアーチスト達と知り合い初めて現代美術に触れたんです。
漠然とは知っていましたが、誰でも出来るようなものだと思っていませんでしたし、まさか自分がやっていいとは思わなかったんです。その頃体調をくずしたりプライベートの事で落ち込む事がありまして、友達に薦められて作品を作り初めて・・・パルコのアーバンアートに入選してそれから作家活動を続けていこうと」

●当時は写真を撮っていたんですか。

「そうですね。でもまだ人に発表できる感じではなくて。元々オブジェを作ったりとか行為する事が好きだったので、ここだったらやりたかった事を全部やっていい場所だと思って・・・。そんな感じですね。アートを始めたのは30才からです」

●今までビューイングルーム・ヨツヤや資生堂の展覧会を拝見して、何故か近づきがたいイメージがオサルスの中にはあったんですが・・・。

「ナーバスで内にこもったセンチメンタルなロマンチストみたいな?」

●いや・・・。でも、『ニュー・シベリア・カフェ』のあの部屋のあの暗さは凄く身近に感じられました・・・。あの暗さはオサルスの心の中に持っている暗さと共鳴したように思います。

 「あの暗さはとても重要な部分です」

●あの暗さは魅力的ですね。

「あの暗さにしたのは単純な理由で、部屋の蛍光灯を消すとナツメ球だけの暗さが残るじゃないですか。あの暗さが凄く自分にあっているなと思って。あれをもう少し明るくするとしらけちゃうんです。
私の中では光の光量が重要で一寸した光の明るいか暗いかで日常が非日常になったりとか。あの暗さを普通にしてしまうと唯の喫茶店やバーになってしまう。あの暗さになると現実感が少し違ってくるから、何処か北の果ての方の寂れたカフェのイメージはあの暗さかな・・・と」

●あの暗さは子供の時に体験していませんか。

「しましたね。実際はあんなに暗くなかったかもしれませんが昔はうちも裸電球でしたし、電球の横についていたちっちゃな球の暗さじゃないですか。小さい時に寝ながら天井を見ていて色々な幻想を思い浮かべて、あの暗さの中でイメージを繰り広げていたのではないでしょうか」

●子供の時はどんな感じでした?

 「シュールなものへの憧れが子供の頃からあって、キリコやエッシャーやダリを見た時に不思議な世界だけれどリアリティーがある、その気持ち悪さが小学校の時は好きでした。 『世界の七不思議』 の本も読んでましたね。
幼稚園の時に自閉気味でしゃべらない子供だったんです。集団生活が駄目で人をシャットアウトしてました。自我が強かったんでしょうね。今でも何処かで引いて見てしまう所はありますね。まだその延長です」

●判るな・・・。あの暗さが判る人は想像力が豊かな人ではないかと、自分でいうのもなんですが・・・。処で何故シベリアが出てくるんですか。

「元々 『ニュー・シベリア・カフェ』 はインターネット上にある恋人同士の二人だけの掲示板。それを作品にしようとは最初全然考えてなくてサイトの為に考えたものなんです。シベリアというのは『きた』という洒落です」

●小説がかけそうですね。

 「どうでしょうか。文章は好きなんですけど作品と文章は分けていて、作品については多くを語りたくないんです。挿絵のようにヒントだけ見る人に預けておいて、自分達でストーリーを作ってもらう方が好きなので・・・ストーリーだけバーと語ってしまったら作品を作らなくてもよくなってしまう。一寸した写真と文章という形では、やってみたいと思っていますけど」

●オサルスの言った小説というのはストーリーというよりは行間が出せる作品だと思ったからです。


「NADiFFのディレクターにも言われましたが、 『これは何も展示らしい展示はないけどオーラを見せるわけだよねと』 『まさにそうです』 と、言いました」

●作品はパッと閃くものですか。

 「半年から2年位暖めておいて形になった時に出すんです。漠然と色々なものが頭の中にあって・・・一気に作る事はないです。大々的に大きなメッセージを見せる作家は一杯いますが、私は今のところ自然に自分の責任の持てる範囲の事がやりたいんです。
自分が経験して言える些細な事でも、皆日常は些細な事の積み重ねで生きているじゃないですか、その上に大きな歴史みたいなものがのってくるんだけれど、自分の範囲の中で小さな事でも何らかのエールを送れるような形でやれたらいいなと思います」

●ちょっと話を変えますが、写真は誰でも撮れますが、でもいい写真は誰にでも撮れるものではないですね。

「写真家とカメラマンの違いじゃないですか。カメラマンはテクニックは凄いけれど写真家はテクニックはいらないですよ」

●写真の勉強はどのように?

「プリントがやりたかったので写真学校に1年通いました。でも撮りたいものは決まってましたので先生の言う事は関係ないんです。写真はカメラが好きな人と 写真が好きな人と手段として写真を使っているだけの人と、私は手段として写真を使っている感じで・・・写真そのものの存在は好きです」

●写真はいいんだけど・・・写真が上手く撮れないと料理が美味しく見えないから写真は怖いんですよ〜。感性の問題だとしてもどうやったら開けるんだと思うんですよね。

 「どうですかね。ハハハ・・・。資生堂の展覧会もそうでしたが、写真はロケハンして三回位同じシチュエーションで決めて撮ります。このごろはカメラをもって歩いていると何処でも撮れてしまうので脅迫観念で旅にしか持ち歩かない事にしています。唯、写真は一瞬を閉じ込めるもの人の人生の手段にあっているんじゃないですか」

「野菜のセンスがいいですね。フランス料理はビジュアルとか様式みたいなものが大事なんでしょうね」

●フランスといえば外国生活は如何ですか。

「住んだ事はないんです。展覧会は招聘されて何度かしましたけど。今までドイツ・オランダ・オーストリア・スウェーデン・イギリスでやりました」

●ヨーロッパはお好きですか。

 「私はナショナリストなので・・・。展覧会の環境としてはやり易いですが、住んで作る執着は今の所もってなくて自分の中では日常が大事なので 自分にとってリアリティーのある場所に居ないと作る意味が無くなっちゃうので、一寸滞在する分にはいいかなと思いますが、日本人なのでやはり日本にいたいなあ〜と・・・」

●では、最後にモットーをお聞かせ下さい。

「モットーは 『決め付けない事』 ですかね」

どうもありがとうございました。
最後のお楽しみデザートです。このケーキの中からお好きなものを三種類、無花果のシロップづけが不思議な味で美味でした。
おなか一杯、美味しかった〜。
 日常の積み重ねが生きるという事なんですよね。
生きるなんていうと何か重い感じでいやだけど・・・。それと波乱万丈よりも穏やかな人生の方がいいな。でも残念な事に願おうが願うまいが誰にとっても人生は波乱万丈! あ〜あ! 決め付けるつもりはないけれど、生きる事は大変です。
 そう言えば三田村さんとお話していて思い出した事がひとつ。オサルスも幼稚園時代、自閉症ぎみで、何本もの傘で家のようなものを作ってその中にじっと座って閉じこもっていたんですよ。それってインスタレーションと言えなくはないですよね。そこから美術家に成る人もいれば、オサルスなんて言われて、あっちへ、こっちへとコマネズミ人生。何時からこ〜なってしまったんだろう。不思議だ。
三田村光土里 関連情報 2002.9 2002.7

バックナンバー(お店リスト)はこちら オサルスインタビューの一覧はこちら

おすすめトップ RETURN
gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network