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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその68

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豚肉香料辛し炒め 1200円
(蛋花上湯・白飯・搾菜付き)

麻腐豆腐 1200円
(蛋花上湯・白飯・搾菜付き)
 

 


桃花源
東京都中央区銀座8-6-15 三井アーバンホテル銀座内
TEL 03-3569-2471 11:30-14:00

 こちらのランチのネーミングは『ビジネスランチ』。6つのコース(1200円より)の中から選べます。ビジネスランチというのはやはり忙しい方々が利用されるからでしょう。

 画廊界で忙しい方と言えば東京画廊の山本さん。ちょうど東京画廊は三井アーバンホテルの隣。山本さんも殆ど毎日のように? ここ桃花源でランチを食べているとお聞きしました。
折しも10月半ばには東京画廊は中国に画廊を出店。最近中国と言えば電化製品や車は皆持っていて当たり前? 右肩上がりの経済成長となれば、今度はやはり絵を買おうと思うのかな? オサルスに経済は判らないけれど・・・。
まあ! 兎に角お聞きしましょう。但し質問はオサルス流! ピントハズレは勘弁して下さいね!。

●今かなり美術の業界は低迷していますが問題点をあげるとすれば・・・。

 「20世紀の美術の最大の特徴は何か? 売り買いなんです。20世紀までは美術品は特定された誰かが持ていたけれど、こんなに誰でも買えなかった。我々の美術は、売り買いされる前提の基に成立している事を考えなければいけないという事です。
売り買いを前提としたマーケットを構成している要因は何か、というと4つ要因があるんです。まず1番目はギャラリー、2番目はギャラリーが沢山集まって出来るアートフェアー、そして3番目は売り買いされた作品が何処に引き取って貰えれるかのセカンダリーマーケットのオークション、4番目に美術の機構全体を保証している評価としての美術館。
この4つが独立していながら、それぞれの役割を果たしていない所にマーケットは育たないんです。ところが日本の場合はアートフェアーもオークションも画商が関わっているそれでは駄目なんですよ。
アートフェアーはイベンターが事業としてやらなければ駄目!。美術館も常設展でコレクションされた作品がその国の画廊で扱っているようでなければ駄目だし、要するにこの4つがお互いの領域を侵さないで独立して成立しているのがベストなんです。今、アジアで成立している国は一つもないんですよ」

●そうですか。唐突ですが。こちらのお店はよく来られるんですか?

 「昨日も来たよ。ここは天井が高いし雰囲気がいい。そう言えば昨日のお客さんは食べ物にうるさい人でね。『ここは料理が美味しいけれど、ライスが良くないって・・・。ご飯をもうちょっと美味しい米に変えた方がいいと』 言ってたんだよね」

お待たせしました。

え! 素早い! 流石ビジネスランチお待たせしません。

麻腐豆腐(蛋花上湯・白飯・搾菜付き 1200円) 
豚肉香料辛し炒め(蛋花上湯・白飯・搾菜付き 1200円)

「美味いでしょ。ここ」

「きゅうりが入ってるんですね。麻腐豆腐はピリット辛くて美味しいし蛋花上湯(卵のスープ)も美味しいです。でもご飯がちょっと固いかな・・・。」(ホンとはカメラ片手にインタビュー、味がイマイチ判らない。)

●料理は奥が深いから美術との関わりが出てきますよね。

「僕達の場合はお客さんを不味い所に連れて行ったらそれで商売成り立ちません。だって“その程度のセンスで美術やってるのか”となるでしょ。美術はモノをただ売るのでは無いんです。美術に関わる人たちの世界観みたいなものを共有してもらう為に美術品があるんです。所謂(いわゆる)歯ブラシを売るのではないから」

●では、いま現代美術は売れますか。

 「かなり苦労していますね。日本の経済が成長する時はそれなりに売れました。経済が成長するという事は、今の中国のように基本的に生産業の設備投資が広がって商品を作ろうという意志がある。そういう時は美術も伸びるんです。
ところがある程度製造業の限界、消費が限界になると需要が固定される。供給が大きくなるとお金が設備投資から資産性のものに移り変わる訳です。それが不動産とか証券にいってバブルを迎える。
そうなると美術は日本の場合は駄目なんです。日本人は美術を投資として考えてないから・・・。日本の場合は趣味でしょ。
ところがヨーロッパやアメリカの場合は、投資の対象として考えています。投資の対象は成長です。成長したものを買うんです。日本人は成長しきったものを買うから、ここでは現代美術は駄目ですよ」

●でも、これからも日本は変わらないでしょうね。

「日本人はそれで遅れをとっているんです。日本人の場合は人が成長する事を見極めて、適切な投資をして成長した時に回収する事が出来ないんです。皆がやった後の事にお金を出すから」

●今、ここまで株が下がっている。状況としては最悪ですよね。

 「では、何故株から離れていると思う?。簡単に言えば株を買わないからでしょ。では何買ってるんでしょう。今一番画商を含めて失敗している点は日本ブランドが落ちているという事ですよ。日本人は日本人のブランドを作るのに失敗したんです。
まあ家電においては1960年代から日本の品質は世界的に認められた訳です。でもその後、日本ブランドの家電メーカーや製造業は中国に行ってしまった。中国はもう追いついて来ましたよね。
では我々は次のブランドをどう作るかという事、今は何もないでしょ。マイナスを処理するだけで・・・次の時代に打つ手がない」

●では、山本さんの次の手は?

「日本のブランドを作る事です。画商も真剣にマーケットを考えないといけない」

●マーケットについてはよく判りませんが、皆さんマーケットがないと言いますが、日本画商や洋画商、現代美術の場合でも需要と供給はあるわけだからマーケットはあるんじゃないのでしょうか。

「マーケットが在る無いではなくて作るものです。20世紀に人々はアフリカの奥地まで行ってマーケットを作りました。アフリカ人に電球がいるかいらないか判らないでしょ。
でも電球を売り込みに行ったという事は積極的にマーケットを作ったという事です。僕達もマーケットがあるとかないとかではなくて作る以外にないんです」

●でも既存のマーケットでも作品は流通してるじゃないですか。

「それは小さいマーケットでしょ。マーケットをどう広げるかですよ」

●グローバルな意味のマーケットですね。

 「日本人は自分で作ったマーケットがないじゃないですか。ヨーロッパもアメリカもありますし、二億五千万から三億のマーケットに拡大しつつある。でも日本ではアジア圏にそういうものを作る意志がないでしょ。
僕達は少なくても韓国、日本、台湾などいくつかの国を集めてアジアのマーケットを作っていかないと・・・。大きな意味で言えば中国は十三億のマーケット、インドが十億近いマーケットでしょ。アラブも何億かのね。今、マーケットを作る時代じゃないかと僕は思いますね。
マーケットとは何かと言えばお客様でしょ。もしお客様の立場に立って、ある日突然絵が欲しいと思ったら何処へ行けばいいか。それは二つあるんですよ。ひとつはデパートに行く、もうひとつは情報を得る。
でも情報誌をみても画廊が羅列してはいるが、展覧会はあっても絵は売ってないでしょう。そんなにクローズしていてマーケットは広がりますか? 例えばある日、ヨーロッパの人が家を作った、そこに絵を掛けたいなと思った時に、行く所は2つですよ 。一つはオークション、サザビーズやクリスティーズで安いものから売っているから。もう一つはアートフェアー、ヨーロッパは何処かの都市で、毎月アートフェアーをしています。
画廊が百以上集まっているから比較も出来るし値段も書いてある。その後で画廊に行っても怖くないんですよ。でもウチの画廊に入ったら怖いでしょう」

●怖くはないけど確かに作品を売りものだとは思わないですね。今まで画廊は展覧会はする所だけれど作品を売るという事がオザナリになってきた。昔から日本の画廊界には表の顔と裏の顔があると思うんです。
表で現代美術の展覧会を開いていて、裏で売り易い判り易いものを売ってきた。二重構造になっているから・・・でも何故そこをオープンにしなかったんですか?

「それは日本人は財産を内側に隠す癖があるから、財産に関する感性が違う。
アメリカのキリスト教文化の人達は財産を残そうとする意識が意外と弱い。自分の子供に財産を渡さないでコレクションしたものを近隣の大学に寄贈するんです。子供も財産あてにしてないから・・・。
ヨーロッパは逆に国境が侵略されたりしたりして、変わるから不動産は持たない。彼らには動産に問題がある。だからなるべく絵画や宝石に変える。持って逃げられるものじゃないとね。だから美術に対しては資産の一部を形成する大事な要素になっているんです」

●話題を少し変えますが、アートフェアーと言えば日本では二カフですよね。でも状況はどうなるか判りませんが厳しいのではないですか。

 「二カフをずっとやりながら僕が皆に言っている事は、
『現実を変えるのは僕達でしか無い訳だから、二カフをやろうよ』
という事です。
だからやる為に何が必要かと言えば、自分の気持ちを外れてマーケットに向いてもらいたい。お客様がどうしたら買い易くなるかを皆で考えないと、自分の事を考えて“自分はいい作品売っているんだから売れるだろう”じゃ駄目だと思うんだよ。それよりもお客さんが見に来て面白いなと思うかでしょ。それを画商さん達が色々考えてどう努力するかでしょう。お客さんのニーズに合わせたものをどう提供できるかですよ」

●二カフは初め、現代美術として立ち上げたものですよね。でも今は現代美術だけというよりもそれが段々と変わってきた。但しオサルスは現代美術擁護派ではないので、ジャンルに拘(こだわる)必要があるのかと思うんです。

「それは一緒です。ジャンルの時代じゃないです。以前は経済力があったし、ある程度力のある上の世代の画廊が引っ張ってきた。でも時代の必然で変わってきたんです。
最初にやった事と今では違うから、その時代にあったフェアーをやるしかないでしょう」

●名前(フェアーの)を変えるのは無理なんですか。

「そういう案は出ましたけど、海外にその呼称が知れ渡っているから名前を変えるのは難しいですね」

●危機感を感じるとしたらどういう部分ですか。

 「バラバラだという事です。時代を皆で乗り越えるために、もっと積極的な発言をした方がいいと思う。例えばブース料が高ければ国際フォーラムでやる必要がないとか、そういう事をもっとどんどん議論した方がいい。でもそれすらしないんだよ」

●ここで最大の疑問はジャンルの問題ですよね。さっきも言いましたが画廊は現代美術の展覧会をしていても売れないから、商売として物故作家や人気作家を売っている所は沢山ありますよね。
商売なんだからいいじゃないですか。何故画廊は表と裏の顔をもっているのを隠さなければいけないんですか。それが理由のような気がして・・・もっとオープンにしていればジャンルの問題は解消するように思うのですが。

「それはその通りだよ」

え! そう言われると・・・。

「僕は正直に言えば何でも入った方がいいと思うから。来年のフェアーは少しそうなると思うよ」

●あと宣伝の問題はどうですか?

「アメリカは制作費よりも宣伝費をかけるし、宣伝を大切に思っている。日本人は、これは僕達も反省しなければいけないが“いいものを作っていればなんとかなる”という発想なんだよね。でもいいものってなんだろうと。凄く主観性が高いというかもう一度客観的に自分の状況をみないと。自分の事を客観的に見る事がお客様の事を考えるという事なんだろうな」

●ん〜。なるほどね。では最後に中国ではどういう展開を?

 「人の集まる所に画廊を開こうという事です。画廊はここにいてがんばるというよりも、元々アートが世界を流動したからある意味でグローバルなものが出来た訳でしょ、我々も箱を動かしても構わないのじゃないかという事です。
東京画廊は今まで中国や韓国の美術を紹介して日本で売ってきた訳ですが、それを世界に売るという事になれば、必ずしも東京に画廊を構える必要はないだろうと。中国の作家を日本で売るのは難しいんです。
中国人の感覚は韓国の作家の感覚より日本人には受け入れがたい所があるから・・・強いからね。欧米と同じように強い作品を作るから。欧米のものは強くても元々ブランド力があるから売れるけど、中国は現代美術にブランド力がないでしょ。これからだから。日本で中国の作品を売るのは難しいと思うし、それだったら北京に画廊を作って世界に売ろうと」

●でも、全然違う場所での展開は大変ですね。

「相手が日本人だからといって必ずしも言葉が通じ、センスが会うわけじゃないでしょ。僕はインターネット社会の面白さでこれからはセンスの合う人同士は国境が無い時代になると思う。このあいだ面白い事を考えついたんだけど、日本の文化を守るのは日本人でなくてもいいんですよ。
日本が好きな外国人でもいい。ルイビトンが好きな人はフランスに行けばいい。ルイビトンの好きな日本人と、民家の好きなスイス人がいたとしたらどっちと付き合うか、僕はスイス人と話すね。ルイビトンの好きな奴と話してもどうしようもがないもの。何の接点もないし。これからはそうなるよ」

●確かにそうかもしれない。 ではこれで最後です。モットーはなんですか。

 「やはり人に対する興味だろうな。僕は全ての価値は人に還元するし、人から生まれるものだから、人を排除して価値は無いと思うから。沢山の人に会って、
『この人こんな事考えているのかとか俺はそんな事考えてなかったなとか』
人と会うのがモットーです」

ビジネスとなると言い辛い事もあるとは思いますが、どうもありがとうございました。

いや〜。どうしたのか緊張しました。ズケズケと質問をしてしまったような気がしますが、怒らないで話してくださってよかった。ホッ!。

ん〜。これからも景気はよくなる事は期待できそうもないので・・・何処かに船出は必要かもね。
 でも先日ウォーキングビザをとって働きに来ているオーストラリア人と話したのですが、“アメリカやヨーロッパやカナダで働くよりも日本の方がpretty goodだよ”って言っていたけど。その辺はよく判らないな・・・。なんせオサルスは一生鎖国状態だと思うから、uuu - - - - - “黒船来航”お待ち申し上げまするう〜〜〜。

東京画廊 http://www.tokyo-gallery.com/

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