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ホンとに本と。 小林健二 KENJI KOBAYASHI

 オサルスにはちょっとしたコンプレックスがあるんです。
え! ちょっとなの?。と、言いたいだろうけど突っ込みはナシ。それは子供の頃に子供の心を持っていなかったから・・・。だって眼をキラキラ輝かせながら『これが私の宝ものだよ。』と、言った思い出は皆無だもの。
子供の持つ好奇心や、夢や遊び心を持たない子供。何に対しても無感動だったような・・・回りをいつもビクビクしながら呆然と眺めてる子供だったからねえ。
 でも大人になっても子供の頃の宝物をそっと大事に心に秘めている方はいるんですよね。
そう、最近歳をとるにしたがって、そんな人達を横目で見ながらその純粋さに憧憬を描いている。生来ひねくれた性格だから素直には言わないけれどね。


ここに一冊の本があります。『PROXIMA』。
不思議な題名。ん〜。mysterious universeと言えばいいのかな・・・何か心の中の宇宙的なもの。もっと判りやすく言えば宝ものみたいなイメージがある。以前展覧会を拝見した時から、この方(作家)はきっとそんな宝物を大事にもっている人なのではないかなと思っておりました。
今日は作家の小林健二さんにお話をお聞きしました。

●この『PROXIMA』は、不思議な題名の本ですが、『PROXIMA』 とは何でしょうか?

「PROXIMA とは星の名前です。PROXIM とはラテン語で一番近いという意味なんです。この場合の星は惑星ではなくて恒星を言っています。地球から見た太陽のような意味の星で、地球に一番近い恒星はケンタウルス座のα星です。
正確に言えば専門的になりますがα星の伴星です。その星は三十連星になっている非常に珍しい星なんです。αの中にもαとβとγとあるんです。その三つの星が一緒になっているというか、その星々の間でさえ0.1光年位離れていますので相当離れてるんです。
ここから月までの光の速度は約37万キロだから1.2秒位、太陽までが8分、ここから太陽の百倍位離れている訳だから・・・その星がこのテーマの主人公なんです。
 判り難いのは『見えない婚礼』の部分だと思います。この本の中に書いてあるんですが、お互い肉体を持っていたり、男だったり女だったり、あるいは物質だったり、他の動物だったりするんです。 唯そんな風に具体的には書いていませんけれど、見た瞬間に一目ぼれというか・・・一瞬にして通じ合えるものがあったりする時には『見えない婚礼』 が行なわれているという事です」

・・・・婚礼という言葉はイマジネーションを掻き立てる言葉ですね。

「婚礼という言葉は儀礼的な言葉ですよね。だから結婚という言葉は色々な意味を含んでいます。例えば男性と女性が実際に結ばれる事もあれば婚姻するというか法律的なバックアップとか、婚礼とは儀礼的な言葉だから、本来僕みたいな人間にすればもっとも遠い所にある言葉・・・」

・・・・え! 結婚はされてるんですよね?

 「・・・ええ、してます。でも婚礼は結婚とは違います。婚礼はある種儀式的な要素だから 『見えない婚礼』は心の中で同時に感じるようなもの・・・。何ていうのか・・・。
この本の中には色々なメタファーが含まれています。ちょっと読み上げますが≪これらはかつて君が立っていた場所からすると、すでに過ぎて行った出来事としてとらえられている。それらは
『見えない学会;INVISIBLE COLLEGE』 を作った高い知性の領域から
『植物の婚礼への序説;PRELIMINARIES TO NUPTIALS OF PLANTS』
の時代よりすでに始まり・・・≫(PROXIMAから抜粋)と書いてありますよね」

・・・難しい〜。

「これが INVISIBLEとNUPTIALSは本当に地球の歴史に実在していて 『見えない婚礼』 はこの二つの出来事に関わってくるんです。
話せば長くなるので是非本を読んで下さい。 INVISIBLEとは最初あまり公にしたくなかったから付けた言葉らしいです・・・ INVISIBLEMANは日本語にすると透明人間の事ですから。
僕はINVISIBLEという言葉が好きです。あまり表に出ない所でヒソヒソしているのがね・・・」

・・・そうですか。

「これはメタファーというか。まだ前段階でこの時点から又制作が始まっています。
それは『HIDDEN PLACE』それは 『ある場所です。』。
結局それを表すためにこの時からのメタファーも又あるんです。常に三年位づつ先の事を考えて形にして見えるようなものにしている積りです」

●『PROXIMA』は今年 (2002年) 出版さてるんですね。

 「2000年の三菱地所アルティアムで行なわれた展覧会のスタッフが編集しています」

●この本の中に小林さんのガレージを改造した書庫の写真が載っていますが、こんなに本を読まれたんですか。凄いですね。

「本は日本では小説とかから入っていくので、全部一ページ目から読むイメージがあるけれど、百科事典は必要な個所だけ読むでしょ。僕にとってはこれはエンサイアクロペティアだから」

●子供の頃から本を読むのが好きだったんですか。

「子供の頃はあまり読みませんでしたね・・・。今読んでいる本は明治時代のスピリチユアイズムに関する本でルビがふってあるんですよ。
前書なんだけれどをちょっと読みましょうか。
「シンメイヲマネキムカエ、 シュリョウヲヨビオコシテ、マノアタリ二コレトカコヲダンジ、ミライヲハカルニコウシンジュツノトクショクニシテタノガクジュツヲヨブベカラザルトコロデアル・・・」

・・・書き取れないですよ〜。難しい。

「スピリチユアイズム、『コウシンジュツ』とはある手段を用いて死人のユウコン又はユウトウナル即ち人間、人類以上なる生物『ビーイング』との交通する事をいう」

・・・ほう・・・。

「この本は偶々もっていただけです」

●図書館で借りるんですか。

 「借りません。国会図書館に行ってもないでしょうね。 神保町には子供の頃から行っているので僕のアトリエから行ける所で200軒位あるから、各本屋が一万冊持っているとすると二百万冊以上の蔵書がある訳です。家にも二万冊以上の蔵書がありますけどね。あ! 話が脱線してますよ」

・・・済みません。

「 元に戻すと『HIDDEN PLACE』とは、蛮勇の頃から・・・嘗てこの地球が出来た時から秘密の場所があった。人間が出てくる以前よりも前に隠された場所、隠された部分があって、今人間がこうやって生きている訳ですが嘗ては天然の闇であり恐怖があった。
今は段々と減少され詳らかにされてきて・・・人間にとっては価値無いものにされてきたように見えるけれど、それは違う。その隠された『HIDDEN PLACE』は今でもあるんですよと。これ以上はまだ言えませんね。次回の展覧会を見てください」

・・・それは楽しみ・・・ですね。 では、本の魅力とは・・・。

 「本に拘っている訳ではないので、よく本を沢山読むんですねといわれますが、読む読まないでは無くて、僕は標本や鉱物も集めています。・・・同じなんです。僕にとってはどれもこの世を知るための手段です。この世との接点ですから。物欲がある訳ではないです」

・・・ふう・・・そうですか。

●もう本は何冊位出してらっしゃるんですか。

「この位ですかね。展覧会のテーマごとにも出してるし・・・AIONは10年分位の作品集。これは高校生の時の作品だし・・・この水色のは著者として出してるし、後は写真だけ撮った本もあるし。色々ですね」

どうもありがとうございました。

とても博識の方です。
『PROXIMA』の中にはこれまで小林さんが色々な雑誌や本に書かれた文章の抜粋や詩、作品写真など盛り沢山。その中に三菱地所アルティアムのスタッフ五人が小林さんにインタビューをしている個所があります 。

いや〜。中々的を得ている。素都がない。やはりオサルスとは違うなあ〜。なぜか二年前から本を読むのを止めたオサルスにはとても太刀打ちできません。
もう一度勉強し直してからお話を・・・とも。いちおう本を眺めるのは好きなんだけどね。
会話の中でふと「実篤」や「会田みつお」に通ずる“におい”を感じたのですが・・・。

小林健二さんの作品及び本のお問い合わせは・・・
ギャラリー椿まで www.gallery-tsubaki.jp/
 小林健二展 2003年 11/10(月)〜29(土)
〒104-0031 東京都中央区京橋 3-2-11 第百生命ビルB1F
TEL 03-3281-7808 FAX 03-3281-7848

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