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上原三千代展
2003年9月8日(月) - 20日(土)

galleria grafica
東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル
03-5550-1335
11:00-19:00 祭日休
http://www2.big.or.jp/%7Eadel/grafica.html

 私も上原さんと同様に鎌倉時代の肖像彫刻を見るのは凄く好きで、私の彫刻観はあのリアリティーであり、それと現代彫刻を比べてみてしまうのはどうかと思うけれど、実際、無意識にそういう目で作品を見ているのかもしれません。だから現代作家の彫刻はつまらないなんて思うんだろうな。
そんな中で、以前から目がはなせなかったのが上原さんの仕事。さて、今回は?

 今年の二月に上原さんの下仁田のアトリエにおじゃまして (近々アトリエ探訪でご紹介します) 今回個展の制作途中の状態を拝見しましたが、色は絶対白っぽくなるような気がしていたんですが、いい意味でオサルスの予想を裏切ってくれて・・お見事ですね。

・・・作品の色は最初からこの色と決めていたんですか。

「ホンとはね。灰色と青っぽいようなまざったような感じにしようと思ったのですがあわなかったんです。大体どの作品もそうなんですが予定通りにいった作品というのはホンの数点位しかないです。大概予定と違うというか。」

・・・私はこの感じ好きですね。

「おしゃれぽい彩色じゃない感じでいこうかと思ったので・・・目もいつも通り描こうかなと思ったんですが、全部止めて近代彫刻の彩色にわざとしようと思って・・・今回はやれたんです。」

・・・彩色は顔料を使っているんですか。

「八割がた漆に弁柄を混ぜて、茶色のベースを作って、そこに埃をかけてそのあとに朱系統の鎌倉朱や本朱を色々混ぜて、上から色を足しているだけです。」

・・・この空間に二人の木彫はいいですね。凄く空間がきれいに見える。

 「もうこれしか置くつもりはなかったんです。画廊さん泣かせかもしれませんが・・・。」

・・・途中の木彫りの段階も作品に存在感があると思いましたが色を塗ると一段と増しましたね。どうですか完成したご感想は。

「十時間を与えられていたとしたら、八か九はこの二点ですからね。」

・・・空間がピシッとしまった緊張感があっていいですね。

「最近の自分の中にどっかカッコつけた部分がまだまだあったので、それをどうしても捨てたい気持ちがありましたから、これは何があってもやりきろうと。」

・・・でも、全然泥臭くないですね。

「そうですか。もっと泥臭くしたいな・・・。ハハハハ。」

・・・上原さんの言っている泥臭さと私の思っている泥臭さは微妙にずれがあるのかもしれない。

「言葉は難しいですね。」

・・・むしろ完璧に出来ているようなイメージが強い。完璧に出来ていなかったら空間は制御できないのではないかと・・・。

「現代美術館の空間に胸像をもってきた時に、あまりにも浅くなってしまって自分の欠点が暴露してしまったような気がして凄くつらかったんですよ。中途半端だったような気がして今回はきちっと答えをだそうと思ったので。」

・・・あの空間は、どうみても現代美術館の学芸員の選び方が悪いと思うけど。狭すぎましたよね。

 「受けた以上は、私の仕事になりますから。それは背負い込めばいいという感じです。」

・・・重いですか?

「二十キロくらいです。」

・・・アトリエで拝見した時は、お父さんが右でお母さんが左でしたよね。

「最初はそうしようと思ったんですが、意識的に並べすぎてしまって逆に空間を壊しちゃったんですよ。」

・・・逆にあの時のお父さんの感じよりも今の方がいいですね。この位置関係に夫婦の間も感じるし、お父さんの肩の傾き方に人生を感じますね。

「私の中でやりたかったのはこの一体だけですから。」

・・・さっきお客さんが怖いと言ってましたが怖いとは思わないな。

 「半分の人には怖いっていわれますよ。父にこの作品を画廊に展示するといったら怒りましたよ。すごく怒ってました。自分のうちの玄関に置くつもりだったみたいです。」

・・・なんか気持ちは判るな〜。

 ちょうど、個展に大平武男さんという方がおみえになっていて、この方は俊乗堂で重源像を模刻する上原さんの姿を写真に撮られた方です。『あかい奈良』に掲載されたその写真は、若き日の上原さんが一生懸命重源像に挑む姿を写した多分貴重な一枚でしょう。この姿があったから今があるんだろうな・・・・。

ありがとうございました。久しぶりにいい作品を拝見させて頂ました。

上原三千代 関連情報 2000.12 2000.6 作家紹介 http://www.gaden.jp/arts/UEmi.html

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