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上原三千代展 galleria grafica 私も上原さんと同様に鎌倉時代の肖像彫刻を見るのは凄く好きで、私の彫刻観はあのリアリティーであり、それと現代彫刻を比べてみてしまうのはどうかと思うけれど、実際、無意識にそういう目で作品を見ているのかもしれません。だから現代作家の彫刻はつまらないなんて思うんだろうな。
・・・作品の色は最初からこの色と決めていたんですか。 「ホンとはね。灰色と青っぽいようなまざったような感じにしようと思ったのですがあわなかったんです。大体どの作品もそうなんですが予定通りにいった作品というのはホンの数点位しかないです。大概予定と違うというか。」 「おしゃれぽい彩色じゃない感じでいこうかと思ったので・・・目もいつも通り描こうかなと思ったんですが、全部止めて近代彫刻の彩色にわざとしようと思って・・・今回はやれたんです。」 「八割がた漆に弁柄を混ぜて、茶色のベースを作って、そこに埃をかけてそのあとに朱系統の鎌倉朱や本朱を色々混ぜて、上から色を足しているだけです。」
「十時間を与えられていたとしたら、八か九はこの二点ですからね。」 ・・・空間がピシッとしまった緊張感があっていいですね。 「最近の自分の中にどっかカッコつけた部分がまだまだあったので、それをどうしても捨てたい気持ちがありましたから、これは何があってもやりきろうと。」 ・・・でも、全然泥臭くないですね。 「そうですか。もっと泥臭くしたいな・・・。ハハハハ。」 ・・・上原さんの言っている泥臭さと私の思っている泥臭さは微妙にずれがあるのかもしれない。 「言葉は難しいですね。」 ・・・むしろ完璧に出来ているようなイメージが強い。完璧に出来ていなかったら空間は制御できないのではないかと・・・。 「現代美術館の空間に胸像をもってきた時に、あまりにも浅くなってしまって自分の欠点が暴露してしまったような気がして凄くつらかったんですよ。中途半端だったような気がして今回はきちっと答えをだそうと思ったので。」 ・・・あの空間は、どうみても現代美術館の学芸員の選び方が悪いと思うけど。狭すぎましたよね。
・・・重いですか? 「二十キロくらいです。」 ・・・アトリエで拝見した時は、お父さんが右でお母さんが左でしたよね。 「最初はそうしようと思ったんですが、意識的に並べすぎてしまって逆に空間を壊しちゃったんですよ。」 ・・・逆にあの時のお父さんの感じよりも今の方がいいですね。この位置関係に夫婦の間も感じるし、お父さんの肩の傾き方に人生を感じますね。 「私の中でやりたかったのはこの一体だけですから。」 ・・・さっきお客さんが怖いと言ってましたが怖いとは思わないな。
・・・なんか気持ちは判るな〜。 ちょうど、個展に大平武男さんという方がおみえになっていて、この方は俊乗堂で重源像を模刻する上原さんの姿を写真に撮られた方です。『あかい奈良』に掲載されたその写真は、若き日の上原さんが一生懸命重源像に挑む姿を写した多分貴重な一枚でしょう。この姿があったから今があるんだろうな・・・・。 ありがとうございました。久しぶりにいい作品を拝見させて頂ました。 上原三千代 関連情報 2000.12 2000.6 作家紹介 http://www.gaden.jp/arts/UEmi.html
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