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焼きおにぎりセット 670円

八重洲地下街、東京おべんと倶楽部 『おゑど大黒』

 今日は少し遠出をするので駅弁を探しに東京駅へ。駅の売店、八重洲地下街、大丸の地下・・・色々歩いて駅弁探し・・・でもこれだという決め手がイマイチ。今日は府中市美術館で公開制作をしている津田亜紀子さんに何か美味しいお弁当を届けようと思っていたのに、津田さんは長崎県生まれだから長崎の駅弁があるといいんだけど・・・UUU・・・困ったなあ〜。
やはり長崎の駅弁は長崎に行かなければ買えないや。それにしても今の駅弁は凄い、値段が高いものは2200円ですよ。駅弁とは思えないよね。と、ブツブツ言いつつどうしても気に入ったものがないので、以前ネットで紹介されていたお握り屋さんを思い出し、八重洲地下街の東京おべんと倶楽部の『おゑど大黒』へ。
焼きおむすび弁当が竹の皮の箱に三つ・・・。ん、これなら津田さん気に入ってくれるかも。では、府中へ出発。でも何で府中美術館は駅からこんなに遠いの・・・・・。

●遠いですね。歩くのは平気なんだけれど初めての場所は余計遠く感じました。ここまで見に来てくれるんですか?

「周辺の方が多いですね」

・・・そうですか。今日は抜き打ちで来てしまって済みません。公開制作の臨場感を出せればいいと思いましたので・・・。最初からここで作られたんですか?

「芯棒とかは自分のアトリエで作って粘土の状態でこちらに運んで制作しています」

・・・芯棒とは背骨のようなものでしょうか?

 「そうですね。粘土が落ちないように塑像板に鉄で固定をして垂木で骨組みを作って粘土に石膏を被せて・・・穴を開けておいて粘土を掻きだして、その穴から内側に石膏を被せて上の石膏を壊すと粘土と同じ形が石膏で出来るんです。
私の場合はカタドリを繰り返して作品になるので・・・カタドリがテーマと繋がっているんです。唯ご覧になる方達はそのまんま作品が出来ると思われる方もいらっしゃるので、今回は公開制作ですからまずはカタドリの工程を見てもらうのも面白いのではと・・・」

・・・説明を聞くだけだと難しいですが、現物を見ると判りやすいですね。だから公開制作なんだ。当たり前か・・・。今回の制作についての説明で『表面に関心がある制作意識と深く結びついている。』という文章が気になったのですが、何故表面に関心があるんですか?

「表面はそのものを決定しますよね。内側は見えないし判らないっていうか・・・私の作品はすべて空洞なんですけれども・・・そういう所を決定ずける・・・向こうとこちらを分ける境に興味があるんです。
私が人体を作るようになった時に最初に興味をもったのは人や私を取り巻く空気・・・外のものと自分の内側の境にある皮膚ではなくて境界面というか分けるものというか・・・それは金属的な密封された面ではなくて何処か流動的なものを感じていましてそれを平たくいうと表面になるんです。それを表現できればと思っています」

・・・なるほど。あ! どうぞ召し上がって下さい。ここのおにぎりは評判のおにぎりなんですよ。

「実はさっきお昼を食べちゃったんです」

え! 済みません。抜き打ちだったからですね。ではオサルスが一口。この焼きおにぎりセット(670円)は焼きおにぎりが三個(味噌味、ピリから醤油、かつお味)どれも味がよくしみて美味しい。
竹串に刺さった蒟蒻、卵焼き、鳥のから揚げ・・・味は本格派なのでお弁当などと侮れないですよ。パッケージも竹の皮の箱で拘りを感じます。・・・これはかなりお薦めです。

●学生時代はどんなものを制作されてたんですか?
 「一二年生の頃は課題で人体を作っていました。私の身近な彫刻科の方達は人体制作に抵抗があるみたいで抽象彫刻の方向にいく人もいたんですが、私は人体を作るのが楽しくて・・・でも三年生になって段々このまま楽しいばかりでいいのかと疑問を感じて人体から少し離れて粘土の感触を取り入れた作品を作ってみたり、土を積み上げて焼いたりしてみたんですが、何か自分に嘘をついているような・・・自分にないものを無理やり作っているような気がして。
4年生になって自分が何をやりたいかというよりも自分が表現出来るものを探し始めたんです。模索しながら空間の中にいる自分をとらえた時に自分の内側と自分では無い外側を作りたいと・・・それで表面がでてきたんです。最初は内側が空洞の作品を作りたかったというか・・・その切っ掛けになったのが大学院の時の樹脂と布を使った作品です」

・・・以前 アートイング東京1999:21x21 Index展 でKEYギャラリーで作品を拝見した事があるんですが、あの時の服は日本の四季が綺麗にでていましたね。

「あの時は布ではなくて和紙なんです。模様にずっと興味があって制作して来ましたが、この時は日本の景色を模様にしたというか・・・日本の人達が繰り返し描かいているもみじとか鶴とかという景色を取り入れたいなと思って」

・・・でも、よく使われるゴブラン織りと和紙とはイメージがかけ離れているように思うのですが?

「全く一緒ではないんですが、繰り返し使われているデザインとして使っています。唯千代紙のように繰り返された景色模様はある種独特のイメージがあるのかもしれません」

・・・そういえば繰り返される模様への興味というか花の連続模様の布をかなり使われていますね。

「以前から花に興味があって・・・生花ではなくて・・・繰り返されるようなもの・・・四季によって繰り返される花の循環のイメージが布に記号化された花のパターンに重複して、生花ではない『花』のイメージの象徴として興味があったんです。唯、最初中々花柄の布が使えなくて、言葉としてタイトルに花の文字がつくようになりました」

・・・この作品ファイルを拝見していて2001年になると作品が大分変わってきていますね。

 「KEYギャラリーの展覧会で色々な方と話をしまして、勿論素材的なものが大きいと思うのですが、作品から受けるイメージとして儚い、崩れ落ちそう、薄い、弱々しいという部分が強調されてしまって、話がかなり飛びますが、学生の頃ドローイングで羊歯の葉をコピーしてそれを何回か繰り返していくとある時只の一筆書きのようなマークになるんですよ。
それが凄く面白いと思って・・・私の作品もそこに共通していて繰り返す事でドンドン生々しいものが消えていって・・・最後に繰り返しをえる事で強いものに変わっていくというか・・・。線としては弱々しいんですが葉っぱのマークのようにもっと強いものになるというのが私の作品のイメージとしてあって・・・それで薄くとか中身を空洞にしている部分もあるんです。
でも弱々しくしたい訳ではなくて『それでもある強さみたいなもの』を表現したいんです。儚さを表現したい訳ではないんですよ。結局『彫刻は空間的なもので表現できているんだ。』という事が意外と見る側に伝わっていないというのが正直な感想で・・まあ、冷静にみてもそうかもしれないと思って、それでプランを練って、一年後に実際に人体からジカドリした作品を作りました。
ジカドリした型に黄色い石膏を流し込んで薄い一膜を作ってそれを白い石膏でバックアップして割り出して黄色い人体に・・・それを切ってバラバラにしてジカドリの部分を残しつつ人体を再構成したら人体として面白いものができるかなと・・・もっと強いものを作ろうと思っていたのですが・・・この時は上手くいかなかったんです」

・・・それがベイスギャラリーのブルーの人体に繋がっていくんですね。

「そうですね ドンドン色々な方向でやってみようと思っているんです」

・・・でも、あの青い人体は今ままでの流れとの繋がりが判らなかったんです・・イブ・クライン・ブルーばかり見えてしまって・・・。

「 ブルーは止めとけばよかったですね(笑)。出来てからシマッタと思いました。色は現実にあるような微妙な色相ではなくて黄色、赤、青、緑・・・『色』を使いたかったんです。現実とは違うもう一つの現実というか・・・。でも表現という事では全て共通していると思っています」

・・・そうですか。では最後に何故作品を作るんですか。

 「今日は突然なので考えてないんですが、私にできる事は限られているのであんまり沢山ないように思います。でも彫刻が面白くて・・・ある時扉が開くみたいに全然違う世界をパッと見る事があったりとかして、その面白さが止まらなくなってきているのが現在です。
それが又開かなくなった時にどういう風に私がとらえるかは判らないですけれど・・・例えば、ある人が四角い紙にあるマトに弓を射る。三次元で暮らしている人は紙に弓が一本刺さったと理解する。でも二次元の世界の認識しかもたない人がいたとしたら、その現象を突然自分たちの世界に巨大な大きな●が現れたという風にとらえる。
見方じゃないですが世界の捉え方が違うと同じ現象でも違う風に捉える事が出来る。それは彫刻でも言えることで、決して世界は違わないのにチョットした扉が開く瞬間が来る。そのドアは一つではないんですが突然開くんです。
何故作るのかと言われれば・・・社会に対してこれこれこういうメッセージをおくるというよりも、今生きる私にとって彫刻は唯一ではないけれど限られた出来る事であってそれが楽しいから続けているんだと思っているからです」

どうもありがとうございました。

でも公開制作を見るのは楽しいですね。
左の石膏の作品から右の樹脂の作品を見ると津田さんの言っている『ドアが開く瞬間』を実際体験する事が出来たように思います。
不思議な作品ですね。人物の表面がレースや布で出来ていて且つ中が空洞である事でミステリアスというか宇宙を内包しているような存在に変貌するというか・・・何と言えばいいんでしょう。評論家じゃないから上手くいえないけれど・・・。

「近いはずなのに奇妙な感じがするというか。まるっきりの違和感とか襲ってくるような強さではなくて、自分の中の空間にある異物のようなものを感じてくれれば・・・」

そうですね。左の作品を見て話をするなら技法上の芯がどうのこうのという部分が気になりますが、右はそれを取っ払って見る事が出来ますよね。

「張りぼてのねぶた祭りというか(笑)」

・・・え! それはないですよ。でもやはり美術は実際見なければ判らないのは確かですね。

・・・所でこの部屋のシンナーの匂いは凄いですね。酔いませんか?

 「それはないですけれど・・・最近 記憶力が無くなってきていて(笑)きっとポリ(ポリエステル)のせいだって言われてるんですよ。でも只年をとっただけだったりして・・・」

それはオサルスですよ。最近更年期に突入して髪が抜けて・・・これは天命で出家しろという事でしょうか。まだ悟りの境地には至っていないし、現世に未練があるんだけれど・・・。でもwebマスターをタマちゃん、タマちゃんとからかっている内に自分がタマちゃんになるとは思いませんでした。どんどんオヤジ化していく自分が怖い〜。

府中市美術館公開制作15
津田 亜紀子 繰り返される模様
2003年 2/1-3/30 10:00-17:00 入場無料 月曜休館 http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/

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