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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその89

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苺のミルフィーユ 580円

HENRI CHARPENTIER 
アンリ・シャルパンティエ 銀座本店
東京都中央区銀座2-8-20 TEL03-3562-2721

http://www.henri-charpentier.com

銀座二丁目にある東京都の歴史的建造物って知ってますか?
1930年に建てられたヨネイビルディングがそうなんです。中世ロマネスク風意匠のアンティークな雰囲気のビルですよ。


 どうして建物の話なのかって、実はオサルスがこのビルの前を通りかかった時に声を掛けられて、
『まだオープンしたばかりですが、宣ければケーキは如何でしょうか』
え! ここケーキ屋さんになったんですか?
『どうぞ』
の言葉につられて中に入ると・・・ケーキ屋さんというよりも宝石商という感じ。ケーキがキラキラ光ってる〜。オサルスが入るのは場違なんじゃないかな〜。スーツか何か着て来ないと邪険にされそう・・・でもお店の方たちが凄く親切なんでびっくり。普通は客を選ぶよね。

そこでフロア−リーダーの片桐さんにお話をお聞きしました。

 「4月10日にオープンしました。営業時間は一階のテイクアウトが10:00-18:00、地下のサロン・ドテが11:00-21:00です。こちらはフランスのジャン・フィリップ・ニュエルさんがデザインをされています」

さすがフランスのインテリアデザイナー、造りが洒落てる。壁に埋め込まれた本棚を横目で見ながら螺旋階段を降りると地階がサロン・ドテ。ここはトイレが洒落てると聞いたけど? あの〜トイレは? 『この本棚の中なんです』 オット! 隠し部屋になっている。忍者屋敷みたい。

さあ、ここまでの文章の流れ、どうですか? ちょっとモタモタしてる? ん〜。上達する方法ってあるのかな? 今日はライターをなさっている白坂ゆりさんにお話をお聞きしました。白坂さんはとてもお忙しい方でやっと会えたって感じかな、ライターは大変だ。

・・・ライター歴は何年ですか?

 「五年以上です。ライターになりたいというよりも物書きになりたかったんです。学校卒業してから三年間OLをしていました。
でもその生活に疑問を感じて止めてバイトで“ぴあ”の編集にはいりました。実は音楽か映画がやりたかったんですが、担当の方と話をした時に私が美術館によくいくという話をしたので、じゃ、美術で大丈夫だろうと・・・美術の編集をする事に」

・・・子供の頃から書くのが好きだったんですか?

 「10歳の時に小説家になりたいって文集に書いています」

・・・やはり作文は凄く上手い人だったんでしょ。

「自分でお話を作るのが好きでした。でも途中コズルクなってどうやって書いたら誉められるかというのを一時期覚えてしまった時があってそれはよくなかったですね」

・・・文章を上手く書ける人をみると尊敬しちゃいます。オサルスは高校二年の時へミングウェーの『老人と海』の感想文が書けなくて国語の成績が散々でした。

「そうですか。でも私は体育が苦手でした」

・・・ほう。同じです。少し話を戻しますが、何故“ぴあ”を止められたんでしょう。

「情報がとても多いので選択しなければならなかったからです。ネームバリュー度は無くても掲載したい展覧会とか、地方のいいもので掲載したいものがあっても優先順位からこぼれてしまう。若手で伸びてきた人を紹介したくても難しい。
やはり雑誌の売れ方との兼ね合いがあるので読者ニーズに合わないと言われて衝突してしまいました。そこでぶつかっていって悔しい思いをするのならばフリーになろうと。自活するために、最初は、街ネタやお店の紹介の仕事もしてました」

お待たせしました。
苺のミルフィーユ(580円)と苺のショートケーキ(550円)にブレンドコーヒー(700円)でございます。

・・・今、苺が旬ですね。しかしお皿の形が不思議。凝ってるんだけどスイマセン写真が撮りづらい。ケーキとソースの色合いはGOODだけどね。

何故ミルフィーユにしたかというと以前の Quil fait bon (銀座) と比べてみたかったから。オサルスも意地が悪い。
ん〜。お味はどうかと言えば比べられないな〜。
Quil fait bon はパイがサクサクしているけど HENRI CHARPENTIER はしっとりずっしりという感じ・・・。美味しいんだけどちらにしても値段が高い。
今一般の女性がお茶に使う一人当たり客単価は、約1200円。いつも180円のお茶しかしないオサルスは問題外の外でした。ランチよりお茶代の方が高いんだものね〜。unbelievable.

・・・食べ物の取材をやってらしたのならご指導して頂くと嬉しいんですが・・・。

 「食事は難しいですね。限られた時間内においしそうに撮らないと・・・」

・・・ホントに難しいですね。失敗すると撮り直しがきかないので。

 「食、空間、人など、カメラマンにとっても修行になる。食専門になる人もいます」

・・・プロは違いますね。でも食べ物の紹介記事は山ほどありますよね。

 「結局、数をやらないとページも埋まらないし、収入にならないので」

・・・まあ、そうでしょうね。では、このケーキを評価すると?

「専門ではないので・・・そう突っ込まれても・・・でも六軒やれば六軒とも書き方を変えますね」

・・・展覧会の場合はどうですか。美術の場合ある種の口調があるような気がするんですが。

「やはりそのジャンルの書き方みたいなものは何となくあると思うんですが、私の場合は読者層で変えてます。『BT』 を読む人と 『town・art・gallery (http://www.hi-ho.ne.jp/gallery) 』 を読む人と 『流行通信』 を読む人とか皆それぞれ違うのでそこは変わりますね。読者に対してどう語りかけるかという所で変わってきます」

・・・雑誌を見てこういう読者がいるだろうという推測で書くという事ですか?

「原稿を頼んだ編集の人に聞いておくとか・・・本の特色があるから、本の全体を把握して自分はどういう風に書いたらいいかを自分の役割や立つ位置をかなり意識して考えて書きますね」

・・・BTの場合はどうですか?

「『BT』は専門的な事を知っている方が読むだろうという前提があるんですけど、それでいて広い読者にも読んでもらいたい願望も編集部にはありますね。ですから評論家の先生が書かれるようなきちっとしたものよりも、柔らかみがあるものとか読み物として何か引っ掛かりが何処かに出来るものを心掛けています」

・・・展覧会の数はかなりご覧になりますか。

「前より見れなくなってますね」

・・・記事は見ないで書くんですか?

「いえいえ。記事には告知型のものと開催中と後記事とありますが、現代美術に限りますが新作のものはリリースを元にしたり作家や画廊に問い合わせます。開催中の記事の場合は自分で見にいきます」

・・・展覧会を取り上げる場合は何がベースに。

 「目的がそれぞれ違います。『town・art・gallery』の場合は開催中に足を運んでもらいたいものを。今はやってないのですが、『BT』の展評の場合は、後々作家のステップになるような場を作るとか、作品を題材にして作家の言葉も下敷きにしながら自分が見た事と考えとを全部一回料理して出すようにしています。
展評は、作品がものを語っているから見た責任で書くというやり方も確かにあると思いますが、私の場合は、たとえば食糧ビルの佐賀町エキジビットスペースのクローズ展と「エモーショナル・サイト」展の仕事など、展覧会づくりに参加して、内側からレポートするとか、作家の制作現場から立ち会うとか、作品だけではなくて、街の歴史、展覧会の背景から読み物を組み立てるなど、その都度方法を考えて実験的な冒険が出来るものを選ぶようにしています」

・・・ネットの原稿料は安いと聞きましたが?

「美術界全体の方が安いですね」

・・・現代美術の世界は本当に安いですね。画廊によってはボランティアスタッフ募集なんてあったりして・・・。

「私も、非営利な性格の仕事はボランティアでしますが。通常は原稿料があるので・・・」

・・・でも、もっとお金になる所に行かれる方も多いのではないかと思いますが、では、美術に留まる理由はなんでしょう。

「美術だけではないんです。映画とか音楽は書きたいものは色々あるんですが、書く事に対して美術が一番面白いんです。美術は本来は目的が無くて、例えば作品そのものが、これは何だろうというものですよね。
今までの価値観を超えたり転換するものだったり、まず最初に思考停止になって言葉が出て来ないとか・・・だからそこを何とかして言葉にしたいなと、まだそんな力はないんですけど、言えないものを言葉にしたいと、美術はその部分が大きいように思います。
又、自分にはオリジナリティーがないし小説を書くほどの力もないので何かを借りて言葉を出すしか出来ないんです。そうすると美術だったり映画だったり・・・」

・・・特に現代美術は言葉にしないと判らない部分がありますよね。私は本人に聞く方が手っ取り早いのでこんな事をやっているんです。

「作家の言葉を聞くのは自分の勉強になりますし、最近年の上の世代の作家にお話を聞く事が多いんですが、やはり長く作られている方は話が面白いんです。凄く魅力があるんですよね。でも、結局は自分の成長剤というか成長になるものを求めているんでしょうね。そこがないと続かないですよね」

・・・そうかもしれませんね。

 「もう一つは、最近の戦争の事を考えるんですけれど・・・芸術に何ができるかと考えれば、そもそも芸術は抑圧を受けつつ解放するという事で自由を表現するものとして生まれてくるものですよね。
抑圧と解放のせめぎ合いを考えれば、そうして出来上がったものを見て考える事がとても有効な事だと思うんです。ですからそれに携わった仕事ですから一生懸命がんばろうと」

・・・やはり社会との関係を考えられますか。

 「ありますね。それに美術界の中には広報専門の仕事があまり無いんですよ。オルタナティブな活動ではキュレーターや作家が自分で広報をしなくちゃいけないんです。ですからそういう人を必要としている場合はお手伝いをしています。
また、現代美術は人に伝わっていかなきゃいけないものなのにすぐ忘れられてしまう。だから書かないと・・それに最近本に書いても美大生とか読まないんです。あまり展覧会も見ないし、何故、これから自分がしようと思っている場所のものを、昔を振り返って見るとか今起きている事を自分の目で見に行こうとしないんでしょうか。勿論がんばっている学生もいるとは思いますが。
ですからまず書く事そして展覧会を事前に知らせる広報に力を入れてやろうと。それとの追っかけっこですよね。あとAMPというNPOにも関わっています」

・・・日本に批評は成り立つと思いますか?

「言いたい事が言えるジャンルのはずなのに変に自主規制してしまう空気はありますね。もっと上の世代に聞くと、お互い判りあって議論する場が、お酒の席でも本の中にもあったみたいですが。でも、打たれ弱い人だと、ちょっとした事で傷つけてしまいかねなかったり。
だから言った方が悪者になってしまったりする事が発生してしまうと・・・結局言葉は書いても言っても自分に向かってくるから、発した事は自分に返ってくるので・・・」

・・・『一言』言うとバッシングされたみたいに思う人がいるのは困りますよね。

「変な感じはしますね。作家だけじゃなくて皆、メディアに書かれるとなるとオフレコが多いし・・・。業界が狭いので。もう少し開放的な所で何か出来ないかな〜と。そういう仕事を始めようと思っています」

・・・もう既存のものに留まっている場合ではないし、ライターも表現者ですもんね。

 「何か既存でない価値観で方法を編み出して、もっと創造的なフィールドになったらいいなって思います」

どうもありがとうございました。

美術の世界に限らないだろうけれど・・・オフレコの部分が多いというのは判りますね。
オサルスは所詮一匹おサルだからね。群れるのは協調性がないから性に合わないし、結局周りに相手にされていないから本音を言ったり書いたり・・・と。

以前作家のYさんにインタビューをした時に、
何故あなたはこんな事をしているのか? と聞かれた事があって・・・。
『実は判らないんです。唯、一つだけ言える事は、自分が判らない事を聞いて確かめたいだけなんです』
と、答えた覚えがあります。
その時Yさんは愚かな奴という顔をされながら、「結局、表現なんでしょ。」といわれたのが印象に残っているんです。

ん〜。そう表現か。でも、違うんだな〜これが!
何故かって言えば、オサルスには白坂さんが言っているような「何かを借りて言葉を出す・・・。」という事はしないからかな〜。
作家の作品を借りて自身を語るの嫌いだし・・・表現するのは最も苦手な分野だもの。ホントに文章を書ける人は尊敬しちゃう。

だからこれからも、そのまんま、聞いたまんま、載せます。唯、話した言葉は一度オサルスの脳を通過するので斬り口はどうしてもオサルス流。そのあたりはご勘弁を!!

白坂さんの執筆参加したご本を紹介します。本好きに捧げるコーヒーと古本のある暮らし、東京読書生活のすすめです。

 「東京古本とコーヒー巡り」 交通新聞社 1429円+税

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