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携帯オサルスのおすすめランチ ランチdeチュその100

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豆腐バーグおろし煮(コーヒー付き) 900円

木花咲耶姫
東京都中央区銀座7-2-20 山城ビルB1
TEL03-5568-0504

先日ギャラリー舫の平野さんからメールで銀座のおばんざいのお店。木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を紹介して頂きました。こういうメールは大歓迎。場所は数寄屋橋通りとコリドー街の間、ちょっと判り難いけどこぢんまりした暖かい感じのお店です。

『画廊を閉めてから、一人でちょっと飲んで食事をするにはいいのでよく行きますよ。野菜中心でヘルシーだし、女性一人でも安心。値段もリーズナブルよ。』  と、平野さん。


おばんざいは、京都では常の日に家で食べるおかずのこと。季節によって旬の食材を使うのがミソとか。毎日食べるランチは塩分やカロリーやその他諸々を考えても飽きのこない食材を使って欲しいもの。いつも思うのだけれど、外で食べる料理は普通のものってないんだよね。
何で家で食べるようなものを置いてないのか不思議。特別なものはたまに食べるから美味しいので毎日では飽きちゃうのにね。まあ、そんな贅沢な事はいってられないオサルスだけど・・・さ。
今日は写真家の山本糾さんとご一緒の『ランチdeチュ』、山本さんの作品はヒノギャラリーで拝見していたのにお会いした事はnothing。作品からのイメージは気難しそうな感じだけど、すっごく優しそうな気さくな雰囲気の方でびっくり。

・・・ ところでカメラの使い方教えて頂けますか。実は撮るのがすっご〜く下手なんです。光がよめないんですよ。

「デジカメは使った事がないから判らないな〜。フラッシュを使わない方がいいんじゃないかな。眼鏡掛けてるから眼鏡のフレームが光るよ。外光の入るところは外光だけで撮った方がいいよ。シャッタースピードは何分のいくつ?」

・・・F2.2です。

「開放だね」

・・・ 写真は何年ぐらい撮られてるのですか?


「写真30年ぐらい、そこまでにはならないかなあ〜」

・・・確か、武蔵美のデザイン科ですよね。最初から写真を撮ろうと思われてたのですか。

「それはないです。デザイナーになろうという強い欲求があったわけではないですからね。何をやったらいいのか自分でもよく分からないので、まあ、とりあえず、行ってみようと・・・デザイン科に僕が入ったのは70年、丁度デザインブームだったから」

・・・学園紛争では、なかったんですか。

「学園紛争が終わった直後、しらけてました。70年頃は万博があって、日本のデザインは盛り上がっていましたよ。デザイナーが、和田誠とか横尾忠則とか。大御所で亡くなってしまったけれど田中一光さんとか、日本のデザインが1番いい時代だったと思いますけど。まあ、そんな感じですか・・・」

・・・じゃあ、デザインの勉強をされていたのですね。

「授業を受けていても僕にはむいていないと、こんな事はやってられないと・・・一応カリキュラムはこなしていましたし、課題も出してはいました・・・でも何となく卒業したんです」

・・・82年くらいから個展をされてますよね。それは写真の?

「写真の個展です。写真を始めたのは学校を出てから大分経ってからです。大学の頃はデザイナーになるつもりがなくて、3年生の頃に写真とか映像のカリキュラムがあってそれをとって、それからですね。映像をやりたいなってと思ったのは・・・」

・・・今は写真を撮る人は多いですが一昔前は普通の画廊では写真を殆ど展示してませんでしたよね。

「三十年前だからね。僕はギャラリーでしたよ。フォトサロンでやった事はないです」

お待たせしました。 豆腐バーグおろし煮(コーヒー付きで900円)です。

・・・豆腐バーグ?

『 豆腐とひき肉とお野菜がチョコチョコと葱とかも入って男性にはヘルシーすぎるかもしれませんが。 付き合わせに、大根とセロリとにんじんのキンピラ、ナスとピーマンのごま味噌あえとお味噌汁です』

・・・本当に野菜が沢山食べれますね。如何ですか?

「美味しいですね。カロリーコントロールしているので・・・最近体が重いんですよ」

・・・me too.です。

こちらは まだ、今年の三月に開店したばかり、バランスのとれた食材は野菜不足解消にもなるし健康の為にはGOOD、穴場ですよ。

・・・カメラの勉強はかなりされたのですか?

「大学を出てからカメラのアシスタントをしてました。卒業はしたのだけれど就職する気がなくてプラプラしていたら、田名網敬一さんているじゃないですか。あの人を紹介されて丁度田名網さんは映画を作っていたのでスタッフを募集していたんです。それが終わってから写真家の人のアシスタントを始めたんです。最初は写真の事はなにも知らなかったから大変でしたよ」

・・・私は今でも大変で・・・いつまで経っても上手く撮れないんですよ。人を撮る時にフラッシュで顔が光ってしまったりして・・・特に女性は綺麗にとれないので、あ〜あと思うんですよね。

「そう。女性を綺麗に撮るのは難しい。綺麗に撮って当たり前だし、変だったら自分じゃ無いと云われますからね(笑)」

・・・ハハハ。まあ、 カメラは誰でも撮れるといったら撮れますよねぇ。でもカメラを使って自分の思いを表現するのは難しい。絵筆でも同じだろうけれど・・・。ところで山本さんの作品の題名は何々の水というのが多いですね。

「水に拘っているわけではなくて、写真に拘っているんです。何故水を撮り始めたかというと、水は光に対して敏感に反応するから、光を捉える為の素材としてね。それで撮り始めたんです」

・・・ほぅ。光ですか。でも水は動きがあるし光も反射するし素材としては凄く複雑、だからという訳ではないのかもしれないけれど、山本さんの画面から受ける印象は対象を厳しく見つめていて隙が無い。凄い重さを感じます。
言葉がいいかどうか判らないけれど50年代60年代の写真家は写真とはこういうものだという気持ちで撮っていたし、対象を見ている眼も判る部分がある。でも、今、写真は視点が多様化しすぎて逆に何を見ればいいのか迷うようになったというか・・・。

「僕の作品に関してはかなりの程度まで完成された絵が、撮る前に決まっているから、それに近づけてアプローチしていく事が一番大事な事なんです。その為にはどういう光の条件のもとで、どういうシャッタースピードでどういう時間に撮ったらいいのかという事を考えて、ん。そういう風なやり方なので、例えば町のなかである決定的な瞬間とかある瞬間に反応してという事ではないので・・・」

・・・でも光を取り込んで水を写すという事は時間を撮るようなイメージが浮かんできます。例えば人間も地球も宇宙も時間の流れのなかで生きている。それは瞬間であったり永遠であったり、その膨大な流れをカメラに捉えるという事なんでしょうか。根底にあるのは死生観なのかな・・・。

「僕は模型を作りたいんですよね。ある種宇宙の模型というか世界の模型というか・・・そういうものが作りたいとずっと思っていました。タイトルの GARDEN は庭という事。例えば日本の枯山水の庭とかありますよね。あれもある種宇宙の模型じゃないですか。岩を撮り始めたのも竜安寺とか石庭をイメージしたものです」

・・・なるほど。2003年5月の展覧会のタイトルは−JARDIN−何故フランス語に? 又、ネットにロラン・バルトの言葉を引用しているのは何故ですか。「この都市(東京)には中心がある、でもその中心は空虚である」(『表徴の帝国』ちくま学芸文庫, 1996年)

「海と岩のシリーズでGARDENを使ったので、GARDENのバリエーションという事でフランス語にしました。ロラン・バルトは関係ないです。まあ、ギャラリーに紹介したのは僕ですけど・・・僕の指示ではないんですよ。撮っている時はあの言葉が頭の隅にありましたし、あの言葉を知ってしまったら言葉を消すのは無理ですから」

・・・撮ってらっしゃったのが皇居なんで、中心というものとして考えると凄く判りやすいと思ったのですが。

「日本の構造を的確に言い表してますね。でも皇居を撮りましたと云っているわけでは無いし、云いたくも無いし・・・」

・・・情報として頭のなかに入ってしまうと、今度はそういう意味でしか見れなくなるんです。

「何も知らないで見るのと、皇居だと思って見るのとは違うからね」

・・・カラーで撮られない理由はなんですか?

「かなり抽象的なものを求めているのだと思います。モノクロは現実感が無くなって抽象的になるでしょ」

・・・云っている事がハッキリするのはモノクロですよね。カラーだと拡散してしまうから・・・云いたい事が一つなのはモノクロかなって思います。今、どんなカメラを使っているんですか。


「8x10といってフィルムが週刊誌くらいある大きさのディアドロフというアメリカの木製の暗箱を使っています」

・・・それだけ大きいと現像は?

「自分で出来るのは全紙くらいまででそれ以上はラボに出してます。10年くらい前に滝の作品を発表しているのですが、その時は8x10で二枚上下に撮って一枚一枚プリントして印画紙を張り合わせているのです。今はコンピューターで合成して一枚の印画紙に焼き付ける事が出来るから、それが出来るようになったので来年発表しようと思ってます」

・・・以前滝の写真を拝見しましたが、二枚合わせてあるのは紙の都合なんですか。

「そうです。8x10を二枚合わせてプリントするのは、そういう引伸ばし機が無いので出来なかったのです」

・・・私は何か意図があるのかと思ってました。

「そうじゃないですよ。でも昔の作品を再生させるつもりなんです」

・・・8x10、6x7、4x5、カメラも色々種類があるからよく判りません。

「女の人は判らないでしょ。道具は男のものですよ。女性は何もなくても肉体表現が出来るから・・・」

・・・え! そういう肉体を持ちたかったです。

「男はどうしても表現するのに道具が必要ですよ」

・・・ん〜。話を少し変えますが、美術作家の作品を随分撮られていますね。

「僕の仕事は美術の写真を撮って食ってますから」

・・・ご自分の写真は生活の糧には・・・。

「全く売れないですからね。あんなでかいものは売れないでしょ」

・・・そうですか。では最後にもし今の仕事についてなければ何をされていたと思いますか。

 「映画を作りたかったのと映画のカメラマンに憧れていましたね。大学の時の先生が映画監督の浦山桐郎さんだったので、卒業する時に頼み込んで誰か紹介してもらって弟子入りしようかと思ってました。でも映画のカメラマンになったらもっと食えなかっただろうな〜」

どうもありがとうございました。

「ところで撮った写真は見れるの?、見せてよッ!」 

え〜? 見るんですか?。 「勿論」

綺麗に撮れてるといいんだけど・・・。

「何か見たく無くなってきた」  「うわッ、見たくないな〜。 これダメ、酷い。 これ消して」

何枚か使いますけど全部は使いませんよ。

「駄目だ!。 アホみたいな写真ばっかりだ」

すみません。

「ダメだ!。 あなた下手くそだな〜」

すみません。でもそこまで下手だと言われたのは初めてです。

「いいじゃないですか。僕はカメラマンなんだから」

そりゃそうだ。

山本糾 関連情報 2002.7

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