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2004上海双年展 2004. 9/29-11/28 (上海 in オサルス 2004. 9/27-30)

 27日成田雨。定刻より50分遅れて飛行機は、上海へ。

 上海空港に降り立った印象は、照明が暗いなぁ。
ずっと鎖国を続けてきたオサルスが何故上海にいるのか? 自分でもびっくり。
実は ZEIT-FOTOオーナー石原さん企画の上海ビエンナーレ+上海画廊見学ツアーに同行させていただいたんですよ。

しかし上海は凄いです。新旧入り乱れたグチャグチャな状態、色々な価値観がいっしょくたに絡まって、全てがカオス。それが活気を生むのか? とてつもないエネルギーを感じました。
黄浦江をはさんで対岸の、浦東新区はビジネス街 (金融、貿易、経済センターなど、龍頭戦略の一環として、90年4月より国家プロジェクトとして開発されている地区。右側の高い塔は、上海のシンボル的存在の東方明珠タワー) 逆に手前の再開発の地域には昭和30年代の日本の下町にタイムスリップしたような既視感をおぼえる。

川俣正さんの作品のような家もあり、photo artist じゃなくても撮影したくなる場所。あばら屋でも生活している人がいるのはアンビリーバボー。これだけ階級差があると治安が悪くなりそうだけれど、オサルスが一人で歩いても襲われないのは、中国人の懐の深さなのか? それともオサルスが貧乏なのを見抜いたのか? 恐るべし上海。

恐るべしといえば、上海の道路事情。ひっきりなしに通る中古車、自転車、オートバイ。その喧噪をぬうように人が信号を無視しながら渡る渡る。もの凄いクラクションの音に、“死ぬきで渡ろう横断歩道” のキャッチコピーを思い出し、ここでは事故は日常茶飯事? やけに車がイライラしているのが目立つ。
町全体が走っているせいか、こちらの気分まで早く々々と煽り立てられそう。

上海は、14、5年くらい前から再開発が始まり、それまでは今の金融センター街は田んぼだったそうです。92年のケ小平の改革・開放の南巡講和から急速に発展したといわれています。でも取り残されてしまう人々もいるんでしょうねぇ。瓦礫の家の暗い部屋でテレビに見入っているお年寄りが印象に残りました。

黄浦江は揚子江の支流で、川上からの土砂を含んでいるので濁った流れですが、支流といっても大きな船が港から遡って来る河なんですよ。汽笛を鳴らしながら舟が往来しているシーンは横浜を思い出します。(横浜は海だけどね)上海の人口は東京よりも多く1700万人以上、上海は昔からの工業都市だから工場倉庫も充実。

こちらの芸術産業園は、その倉庫を使ったアトリエやギャラリーが20数件集まっています。
いま中国は、経済的にも文化が対外的な力を示せるという判断があるからか、一度中国を見限って出国してしまった最高級のアーティストも喜んで迎え入れているし、政府に反抗したアーティストにも自由に行き来が出来るような配慮を示しているそうです。こちらの芸術産業園も有名になってしまったので、再開発から逃れて手厚く保護されているようなのです。
しかし大きなギャラリーですよ〜。


Art Sceane china

カナダ人の方が経営している Art Sceane china は、中国の現代美術の若手の作家が展示してありました。
あまりの広さに日本のギャラリーのため息が聞こえてきそうです。
左側のアーティストはジョアン・ジョアン? やはりカナダの方が選ぶアーティストは欧米人の目線を感じます。

香格納画廊は、天井の高いのがとても魅力。展示されている作品も面白い作品が一杯。やはり最初に中国に進出した画廊はいい作家を集められるんでしょうか。 150号や300号以上の作品も悠々と展示出来ますよ。
直射日光が入っても気にしない性格は大陸のおおらかさ? なのかな。

芸術産業園内でアトリエを借りているアーティストのケ愛國さんです。左の自由の女神像の作品は古い映画からヒントを得て、右のピローのシリーズでは、枕のなかにスフィンクスが描かれています。
昨日森美術館の方がアトリエを訪問されたとお聞きしました。日本で展覧会が実現されるのも時間の問題でしょうね。新作だといって右側のビルから水が降って来ました? これがアートといわれるとちょっとねぇ。

 

外灘地区にある THREE ON THE BUNDではODYSSEY という展覧会を開催中。右側の作品は画面の前に立つとボートピープルに射撃が始まる作品。まるで国際漂流家族を見ているようで、身につまされました。

 東大名路にある aura+zeit-foto。
日本の photo artist の石内都、大井茂義、小野祐次、金村修、進藤万里子、楢橋朝子、屋代敏博、オノデラユキ(敬称略) の作品が見られます。

最近の中国のアート事情は、ギャラリーが同じ作家を紹介している場合が多数みられ、あまり作家を育てようという意識は希薄らしいんです。また、いいギャラリーに作家が流出してしまう傾向が続いているらしく、今の中国で囁かれているのは “芸術家はお金になるからいいね” という言葉。
大卒で一ヶ月の給料が3万円くらいなのに、外国人はドルで買ってくれる。作品が高額で売れてしまうと、作家は売れる作品を制作するようになる。自ずと作品の傾向が変わってくるという事らしんですよね。
これは何処かの国のバブル期にも同じような話があって、今の値段はピーク時の20分の1になった作家もいるわけだから結局、国は違えど、やっている事は同じような気がする。 逆にいえば、中国の作家が、いかに諸外国のディーラーを飽きさせずに制作出来るかが今後の課題じゃないのかな。知恵比べだよね。

・・・ここでZEIT-FOTO SALONの石原さんにひとことインタビュー

・・・上海では、どのような方達が作品を購入されるんですか?

「わからないけど、40歳の新しい企業のお金持ちが買うんだよ」

・・・年齢は40歳と決まっているんですか。

「40歳以上は買わない。35歳ー42歳の、新規の事業で儲けた人達。ステイタスとして絵を買うんだよ」

・・・では画廊は経営的には安定しはじめたという事ですか。

「日本と同じで、そういう画廊は少ないよ」

・・・欧米の画廊は、その目線で中国作家を捉えているような気がするんですが。

「日本も初めはそうだったから、それはしょうがない。どうしても先輩の国の目でものを見るからね。でも今中国は文化的にもの凄く躍進しているからエネルギーに満ちている。
僕は、芸術はパッション、情熱だと思うから、それを今一番感じるのは中国の作家だと思うよ。グローバリゼーションを持ちながら、中国の深いローカリゼーションの両方を兼ね備えている作家も随分出てきているのに感動しているんだよ。信念を持って時代を見つめていけば、いい作品が出来ると思うよ」

・・・確かにそうですね。逆にいえば信念の無い作家は淘汰されるという事でしょうね。

上海ビエンナーレの会場は、上海美術館。上海美術館は租界時代、競馬場のジョッキークラブだった建物を利用した美術館です。
2004上海ビエンナーレのテーマは、“影像生存” (Techniques of the Visible )アートと科学と技術の密接な関係? に焦点を当てているようです。(展示されている作品も写真に映像、タブロー、切り絵にインスタレーションなど様々)

古い建物で現代美術の展覧会というのは凄くいい雰囲気ですよ。この雰囲気で思い出したのは、1987年に上映されたベルナルド・ベルトルッチ監督のラストエンペラー。
ジョン・ローンがピアノをバックに歌うシーンは退廃的なムードが漂って、当時の上海の蠱惑的魅力を醸し出していました。でも、なんて人が多いの〜。 まあ、二年前よりは少ないそうだけれど、じっくり見るのは難しそうです。
今日は、プレスじゃなくても写真撮影の解禁日? らしく、殆どの人がデジカメで撮影し放題。上海ビエンナーレの宣伝になるからいんじゃないのという声も聞かれる始末。いいのかなぁ。

上海版立体きみどりの部屋もあり、一番右下(顔の作品)の作家は、いま中国で一番値段の高い作家だそうです。カタログがあまりに厚く重そうだったので持ち帰る気になれず購入しなかった為、作家の名前は表示出来ません。あしからず。日本人の作家はオノ・ヨーコ さんの名前がありましたが、作品は探せずじまい。

がんばっていたのは鈴木涼子さんです。鈴木さんの展示は、人民公園に設置されたブースの中、制作は蚊との戦いだったとか。
今回の MAMA DOLL のシリーズは、光ファイバーを使って、21組の母子の顔を重ねた虚像を制作されています。日本ではZeit-Foto Salonの個展が11月2日-27日まで開催されますので、詳しい話はその時までお待ち下さい。

今日は中秋の名月、宇宙服を着た方が、遊泳? のパフォーマンス(写真右)を披露していました。中国では9月28日の満月は穀物の豊穣に感謝するお祭りの日なので、皆で月餅を食べるそうです。こちらもひと、ひと、ひとの人だかり。しかし、この人達も業界関係者や学生ばかりで、あまり一般の方は関心がないという事です。

今回の上海ビエンナーレは選考の基準がよくわからないとか、中国が主体でアジアがあまり紹介されていないとか、あまり見所が無かったなど、様々な評価が出て来ているとは思いますが、混沌状態の中国からとてつもないドラゴンが飛び出して来るかもしれない予感は、この町を見る限りありえない事ではないような気がします。だって上海は町が全部コンテンポラリーなんですもの・・・中国はとてつもなく広い国だ。

ふ〜。疲れました。とにかく画廊とビエンナーレ見学のハードスケジュール。上海を3泊4日で廻るので観光までは無理だけど・・・。

ちゃんと上海蟹と飲茶は食べましたよ。オマケに上海雑伎団も堪能しました。
明日からまた日本です。がんばります。といいつつ実は油が合わなくて、オサルス只今虫の息。皆さん、上海料理がとっても美味しいからといって食べ過ぎにはご用心ですぞ! あ〜! お腹が痛い。

Zeit-Foto Salon Official SITE : http://www.zeit-foto.com/
Zeit-Foto Salon EXHIBITION INFORMATION SITE : http://www.gaden.jp/zeit-foto.html
aura gallery : http://www.aura-art.com/

2004上海双年展 http://www.shanghaibiennale.com/

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