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ホンとに本と。 三沢厚彦 MISAWA Atsuhiko

昨年の暮れに三沢厚彦さんのドローイング「動物たち」展(11月25日ー12月13日 APS・西村画廊)を拝見して、西村画廊のスタッフの方からこの絵本をを紹介して頂きました。

 絵本「動物たち」三沢厚彦 発行 理論社 価格 :本体1,300円+税

 最初のページには、マンドリルの絵と 『こんにちわ』 の一言。
その絵を見ながら、つい、こちらも 『あ! どうもこんにちわ』 と挨拶したくなってしまって・・・。

オサルスは子供の頃、母が忙しかったせいか絵本を読んでもらった思い出が・・・無い?

母に云わせれば、そんな事は無いそうで 『孝女白菊という講談社の絵本? を全巻暗記していたよ。当時はこの子は天才だと思っていたのに、いつからオサルになったのかしら』 と、そこらへんはどうも不明という事です。

まあ、それはともかく絵本は子供から大人まで楽しめるあたたかい本というのが定番。三沢さんの絵本も勿論楽しめる事は確かだけれど、実はオサルスはこの本を読んで三沢厚彦さんという彫刻家の空間を捉える意識や観察眼に感服致しました。自分でいうのも何だけど天然ボケのオサルスには新しい発見が随所にあり三沢さんにご本を見ながら解説して頂いて凄くラッキー。

おまけに場所は茅ヶ崎のAfternoon Tea。お茶においしいケーキに絵本。今年はいい年になりそうです。

・・・絵本のイメージは最初から動物ですか?

 「 そうですね。動物に最初から決めていました。まず絵を見てもらいたいと思いましたから、文章は絵を生かす方法で上手く共存していくような形を考えました。絵本の世界では括りがあるみたいですが、そういうのは一切抜きにして表紙から中を開いた時のリズムを大事にしています。キャプションというか文章はノイズのようなものじゃないですか、絵を見ながら、リズムが聞こえてくるようにしたかったんです。はじめは文章が無い絵本も面白いかなと思ったんですけど、やはり文章と絵の両方がないとね」

・・・絵の具は何を使っているのですか?

「グアッシュとアクリルです。一緒に使う人はあまりいないみたいですが、僕は使います」

・・・凄く簡潔に出来ている絵本ですね。よく本の後ろにあとがきがありますが無いのがいいですね。

「絵本にあとがきは無いですよ」

・・・あ!そうでしたっけ。 帯の所の中川さんのコピーも面白い。

「帯を取ると、ほら感じが違うんですよ」

・・・あ!! ホント!! 猫や豚が隠れてる。

「遊んでるんです(笑)」

・・・マンドリル『こんにちわ』がいいですね。ホントにこんにちわって挨拶したくなりますよね。

「マンドリルは知っている人は知っていますが、知らない人は知らないじゃないですか、だから 『こんにちわ』 にしたんです」

・・・なるほど。動物の順番は?

「順番はこれがベストです。めくって見た感じがいいでしょ。キリンが横になっているのも縦にして見ればいいし、手を使いながら見て欲しいんです」

・・・絵本を見ながら体を動かす。リズムですね。
あれ? ねこはいろいろなもよう。で、犬はおおきさがちがう。云われてみればそうですけれど気がつきませんでした。この カモノハシは卵から生まれてミルクで育つんですか?

「カモノハシは卵を産むんですが哺乳類なんです。変な動物ですよね。ほら卵が描いてあるでしょ」

・・・あ! ホントだ。今迄全然しらなかった。

「勉強になるでしょ。卵の地の色がねずみ色で白い点々があるんですよ」

・・・卵から生まれてお母さんがどれか判るのかなぁ? まあ、こちらが心配する事ではないですね。こういう本を読むと自分の無知さ加減や観察力の無さを暴露するみたいでいやだけど、動物の絵本を見るのは楽しいですね。子供達と ワイワイいいながらおしゃべりするのもいい。
『ブタ いっぱいなんびきいるの』 と1・・2・・3・・・。

「ほらここにもいるでしょ。9匹。ここまで数えられるとOKなんです(笑)」

・・・色々な発見がありますね。絵本を見ながらこういう話が出来るのは始めての経験なので楽しいです。

「自分でいうのも何ですが、構図にしても字の入れ方にしても、かなり緻密には出来ていると思うんです。まあ、結果的に段々やっていくと欲が出てきますから。全体を通して小気味よく、各々のページを見ると緻密に作ってあると思うんです」

・・・いや〜。よく出来てますね。自分の観察力の無さを改めて思い知らされましたが楽しかったです。絵本の難しさは大人が作るからなのか教訓めいてしまう。それがウっとか思ってしまっていやなんです。

「そうですね。 結局僕が楽しければいいと思って作ったんです。子供の気持ちで考えるとそこでエゴが発生してしまってへんになるような気がするんです」

・・・変な質問ですが、何故三沢さんは動物の彫刻を作られるんですか。

 「形のアプローチが凄く多彩じゃやないですか。動物と一言で云っても犬とか猫とかキリンとか色々種類がいますよね。例えば空間に対して見上げるような展示にしたいなと思えばキリンがいるし、量というかマッスルを感じさせるものが欲しいなと思えばゾウがいるなとか、長いものが欲しいなと思ったらヘビがいる。作品をイメージした時にどういう形が欲しいか考えちゃうんですよ。その時に当てはまるモチーフがあったりするのです。僕の作品は勿論単体でも成立していると思うんですけど、設置した時の相乗効果で空間が上手く動かせないかといつも考えるんです」

・・・作品が展示された空間がピーンとした緊張感に包まれるのを見たい気持ちはいつもあります。子供の頃から彫刻が好きだったんですか。

「ええ、よく何で彫刻なのと聞かれますが、小学校の卒業文集に彫刻家になりたいって書いてますから・・・作るのが好きなんでしょうね」

・・・素材のなかでも木を選んだ理由はなんでしょう。

「木が好きなんだと思いますね。大学の頃、他の素材を色々試してから木を選んだのではなくて、始めから木だったんです。」

・・・動物を実際に見て描かれるんですよね?

「図鑑は見ますが、実物は殆どみません。やはりデッサンですね・・・」

・・・ものを見ないでデッサンを?。

「描けるんですよ。頭があって胴体があって足がある。関節の数も手なんかだと人間と同じだし、偶々人のように指が無かたり、顔が人間みたいな顔をしていないだけで、チーターなんかは虎とにているんだけれど頭が小さいとかね」

・・・ほぅ。やはり木を見るだけで動物の形が掘り出せるんですか。

「僕はね、どちらかというとやりながら木を足したり取ったりします。一回で上手くいく事は殆ど無いんです。胴が短かったり、首が長かったりしてね。やりながら、あ、駄目だなって・・・無駄な事ばかりしていますよ。上手くいく人が羨ましいです」

・・・じゃあ、彫刻を作るのも絵を描くのと同じという事ですか。

 「絵作りと同じだと思います。始めにいいラインが出ても、手を加えていって鈍くなってきたなと思ったら元に戻したり、結局そういう作業です」

・・・ひぇ〜、たいへんそう。だから、この絵本も何枚か紙を足して描いてある痕跡があるんですね。

どうもありがとうございました。

如何でしたか? 読んで見たくなったでしょ。

私が三沢さんのご本で一番気に入ったのはウサギの絵。『なにか 聞こえるよ』と、耳をピンとたてて辺りを伺う姿がいいな〜。携帯オサルスも今年は耳をピンとたててアンテナを張りましょう。唯な〜オサルスの情報だけでは頼りないので、どうぞ皆様、耳寄りな情報お待ちしてま〜す。

遅ればせながら今年も宜しく!!


三沢厚彦さんのドローイング「動物たち」展 (11月25日ー12月13日 APS・西村画廊)

三沢厚彦 関連情報 2000.9

西村画廊 NISHIMURA GALLERY 〒104-0061 東京都中央区銀座4-3-13 
4-3-13 Ginza Chuo-ku Tokyo 104-0061Japan
TEL 3567-3906/FAX 3567-3907
http://www.nishimura-gallery.com/

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