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オサルスのおすすめランチ ランチdeチュ 番外編

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アピア特製アジアンそばスタ 700円
(※ 番外編につき、ランチではありません)

渋谷アピア
東京都渋谷区桜丘町3-15 TEL03-3464-9590
http://homepage1.nifty.com/apia/

 ある作家から 「絵を見ると疲れませんか」 と聞かれて、その時はそうでもないと答えたんだけれど、実際3ヶ月くらいぶっ続けで見ていると、いい加減疲れてくるかな。先日もある画商さんが 「毎日絵を見ていると疲れるから休みの日は海にでも行って、ぼんやりしたくなるんだよ」 といっていたけど。その気持ちわかるな〜。そういえば最近空を見ていない。こういう時は気持ちが煮詰まっている証拠、お茶でも飲みながらゆっくりした時間を過ごすのがいいかも。

 今日は、そんな時間を過ごしに大宮まで足を伸ばしました。
展覧会の題名は楽人展(ギャラリーEL.POETA さいたま市大宮区高鼻町2-285-8 TEL048-644-9877)小野塚香(おのづか きょう)さんの個展です。
 小野塚さんとの出会いは7年前の芸大の卒業制作、木で彫られた巨大なレリーフ状(?)の作品がとても印象的的でした。でもそれっきり、なぜ彼女の名前を覚えていたかというと以前小野塚カホリさんの漫画が好きで読んでいたから、小野塚カホリさんは、切ないラブストリーを描いている漫画家さん。 『僕は天使ぢゃないよ』 この題名いいでしょ。でも『天使ぢゃないよ』 には天使は出てこない。あたりまえか。

 でも小野塚香さんは、実は天使が平気で描けちゃう人なんですよ。それもこてこての。
今日は、作家の小野塚香さんにお話を聞きしました。お薦めは、ライブハウス、ちなみに、ライブハウスにランチはないのでそこんとこ番外編ということでヨロシク。

しかし、ギャラリーEL.POETA (画廊喫茶)は遠いな〜、氷川神社の裏の大宮公園の事務所の前。ん〜。場所がよく解らないけど大宮公園は埼玉屈指の桜の名所とか。でも今日は生憎の雨。桜も寒そうです。まあ、とりあえずブレンドをいただきましょう。

・・・鳥帽子という作品はシリーズものなんですか。これは女性?

 「随分前から油絵でも版画でも制作しているんです。天使には性別がないじゃないですか。それに自分のなかに登場する人物たちは性別が、かなり曖昧な感じなんです。
もともと私の作品は私の頭のなかで動き回っている人達をイメージしているから。鳥帽子はそれぞれが皆、自分にあった鳥が頭に・・・鳥が乗っているのか頭が鳥になってしまったのか定かではないんですよ。今回は全部白い鳥ですが、いつか色々な色の鳥を何百体も作ってみたいんです」

 ・・・小野塚さんの作品には、何か解らないけれど音色を感じる。美術は、見ようとしないと見えてこないところがある。音楽は、何もしないでも聞こえてくるもの。
でも目は音に憧れ、耳は視覚に憧れる部分があるように・・・小野塚さんの作品は、音への憧れを目で見せる。そういう作品のような感じがするんです。

「音は意識してます。光を見ている時に陰を見なくちゃいけないみたいな、両極の部分で美術と音楽は同じラインにのっているんです。作品に視覚的なものを考えれば考えるほど、音がついてまわります」

・・・しいていえばオルゴールの音色が、この作品に似合いますね 。木を使うのは何故?。

「単純に木しか浮かばなくて、使ってみたら凄く暖かいし奥が深くってやめられなくなってしまって、絵を描いている時は頭ばかり使ってて体からでる汗がなかったんですよ。運動不足じゃないけれど、汗をかきたいなと、鑿とのこぎりを持って木を彫り始めたのが切っ掛けです。
私は新陳代謝が悪いから、汗をかいたときの頭だけを使っているんじゃない気持ちよさ、それが面白くなって。でも、立体は難しい。彫刻の勉強をしていないので・・・」

・・・逆に勉強していない面白さもあるんじゃないですか。このくらいの大きさは見やすいですね。

「そう自由といえば自由ですね。でも勉強していないから木を組み合わせて作る事ができないんですよ。むくの木の固まりがあってこそ出来上がったもの達だから、でも大きさ的には気持ちよく作業が出来る感じです。知識があったらもっと大きい作品を作っているかもしれません」

・・・最近、戦闘的な作品ばかりみているせいか疲れちゃって、たまにはほっとしたいかなと。昔、伝運慶の犬を雑誌で見たことがあるんだけれど、いいなって思う。挑戦をするんだという意識もいいんだけど、淡々と出来上がるものの味もあると思うんですよ。

 「昔、大学の先生におまえは500年前に生まれたら結構有名になっていたかもなって、嬉しいやら悲しいやら・・・でも自分勝手にやっているのがここちいいのでしょうがないですね。
新しく作りはじめても、何か懐かしさを覚えるんです。どんどん突き進んでいく美術の流れとは別に、超後ろ向きで、立ち止まって振り返っているようで乗りきれて無いと思うけど・・・」

 ・・・たまには立ち止まって空を見上げるのもいいじゃないですか。小野塚さんの作品には羽がついているのが多いですよね。今時、正面きって羽をつける人はいないなって・・・。

 「(笑)だから500年前だっていわれるんです。もう自信を持って羽をつけたり角をはやしたりしますからね(笑)。それしかないんです。今は戦争とかあって嫌な時代じゃないですか、ですから皆さんの奥底に眠っているちょっとした夢みたいなものを出しちゃおうかなって・・・羽を全面に出しちゃうと、やっちゃったなと自分で作っていて思うんですけどね。
大学の時から、友達はしっかり考えた作品を作るんですよ。自分はこてこてのものを作るから、先生に何をいわれるかとドキドキでしたが、先生は、私の作品を見るとグッとつまってしまって、『楽しければいいんだよと』 慰められました」

・・・何故、美術をやろうと。

「これだと思っていたわけではなかったんです。ただ、美術しか出来なかったので、それにテーマは中学校から変わってないんです」

・・・テーマ?

 「楽人です。らくじんは音楽を奏でたり、サーカスのように人を楽しませるものだったり、自ら楽しんだり、そういうものをひっくるめた人物達が、小さい頃から私の頭のなかに住んでいるんです。
例えば、羽がはえている人とか楽器を持っている人とか、角がはえている人とか、人の格好に近いのですが、人じゃない。ですから何かくくりをつけるために楽のしいという字を頭につけました。彼らには特徴があって、何かが凄く秀でているものを綺麗だなと思っているんです。
例えば動物の凄く早い足だったり、凄く目がいい動物の瞳だったり、自然物の風や音など美しいものに魅せられる人達なんです。それが私の頭のなかでは凄く綺麗に見えるのに、頭のなかで見ている通りに表現できないから、中々うまくいかない。想像通りのものが出来たら素晴らしいと思うんですけどね。

  私は仏師とか仏像に惹かれるんですが、それと感覚的には同じような気がします。崇拝すべきものを現実の世界に属して作って、形が素晴らしいというよりは、そこには念ずる心が入っている。言葉にしづらいけれど、それは時代が変わっても変わらないもの。そこが一番魅力なんだろうなと思っています。
私も楽人に対して崇拝しているし、そういうものをこの世界に作り出したい。誰かに訴えかけるとか、世の中に対してとかでは無いので、淡々と、というか。だから大学の教授も自由にさせてくれたんだと思っています。でも頭に浮かんでくる人や舞台が浮かばなくなったら、作品は作れなくなると思っているんですよ」

・・・なるほど。

「だから展示に関しては、多く人に語りかけるよりは、自分の満足度だけだから引け目というか、おこがましいと思ってしまう部分があるんです。今はだいぶ素材になれてきたのでいいかなとは思うのですが・・・私は力を抜いてさらりと格好のいいものは出来ないですから、がんばればがんばるほど、がつがつした感じになってしまう。それが展示空間にでなければいいなと思って。
  力を抜いただけならいいけど、気が抜けてしまっては駄目だから、そのコントロールがうまくいけば見る人もいい具合に見れられるんじゃないかと、でもそれが難しいです」

・・・ん〜。今はいいものが出来なくても、そのうちできるかもしれないでしょ、それは死ぬまで解りませんよね。まあ、今はコーヒーが美味しく飲めればいいという事で、今日のお薦めのライブハウスに行きましょうか。

ここは渋谷の桜ヶ丘にあるアピア(http://homepage1.nifty.com/apia/)。夜桜が静かな雨に濡れています。
30年を超える歴史があるこのお店は、飲み物代とチケット代を払い。バーのようなスペースで談笑+食事が出来ます。控え室は中二階?。ライブは右側のドアのなかでやるらしい。壁に飾られたインテリアがアジアンテイスト。チベットのものなのかな〜。
ライブなんて20年以上聞いてないので、ちょっとドキドキ。

おっと、その前にディナーを紹介致しましょう。

小野塚さんのお薦めは豚の角煮とほうれんそうのトマト煮(ご飯付き 650円)

マスターの息子さんのおすすめ、アピア特製アジアンそばスタ(700円)

お待たせしました。

小野塚さんは、そばアレルギーなので、オサルスがそばスタに挑戦。豚の角煮とほうれんそうのトマト煮を、一口味見させてね。

「豚が柔らかいね。トマトの甘さなのかな。少し甘いけれど美味しい。ご飯にあうね。そばスタはどうかな。ん〜。パスタというよりはそばです。でも摩訶不思議な味。ショウガが凄くきいている。これは洋風? 和風?」

「和とアジアのミックスです。平皿に盛りつけてあるのがパスタ風なんですよ。そばにオリーブオイルを絡めてます。上に牛すじが乗ってるんですよ」 (マスターJ.R.)

・・・でも、そばはそばだ。ルーツは変えられない。そば好きにはお薦めかも・・・。(クレソンのおひたしと沢庵ごちそうさまでした。美味しかった)

「ここはライブを見なくても食事だけでもOK。だから、私は高校生の時から通っているんです。実は姉が15年前からここで歌っているんですよ」

・・・え! お姉さんが歌手なの? 何て名前なんですか?

「牲捜(SESO)といいます。今日は姉のCDの発売日なんです」

 ・・・それはそれは。おめでとうございます。あの天使の絵は小野塚さんの作品?

「去年、ここのママさんが亡くなられた時に私が描きました。あ、始まるみたいですよ。終わったら感想聞かせてくださいね」

外は冷たい雨が降っていても、このライブハウスの仄暗い暖かさから、お姉さんは静かなギターの弾き語りをする方だと思いこんでいたのですが。ぶっ飛びました。弾き語りというよりはシャウトするお姉さんなんだ。

 オサルスは音楽は語れないし、牲捜さんは、上手いのかどうかよく解らない独特な歌い方だけど。
『チューニングが解りません』 と・・・いいながら歌いまくる荒々しさがいい。
『どうせ終わるんだ。だから歌うんだ。何から何まで・・・』
という叫びがいい。
しばらくぶりにひりひりした痛みに似た熱く暗い情熱を思い出しちまいましたよ。
彼女の叫びを 一言の言葉にすれば、『Keep on Rocking』。
年をとっても、これを忘れちゃいけないやね。

「どうでした? 凄い静と動を象徴しているでしょ」

・・・でも流れているルーツは変わらないような気がする。何か二人で天使を追っているような・・・。

 「歌っている姉を見ていると、自分も早く帰って作ろうという気になってくるんですよ」

・・・それは凄く解る。私も帰ってページ作らなきゃって思うもの。今日はどうもありがとうございました。

いや〜。今日は大宮と渋谷。中々ハードな一日でしたが、疲れちゃ駄目だ。がんばろうという気になりました。
でも、立ち止まって空を見上げるのも必要だよね。
最近、体型と下を向いた歩き方からガラパゴスペンギンに似ているといわれているオサルス・・・フン! ガラペンだって空を見るのさ。『夜の窓をあけて』(by牲捜) 満天の星を期待してね。

牲捜(SESO) http://homepage1.nifty.com/apia/index.seso.html

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