gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network

オサルスのおすすめランチ ランチdeチュ その109

バックナンバー(お店リスト)はこちら オサルスインタビューの一覧はこちら

吉仙おまかせ御膳 1800円

吉仙
東京都港区六本木5-3-1 第2レーヌビル1階
TEL03-54117255

 森美術館に行った帰りに、美味しそうなベーグルのお店を発見。
今度誰かをランチで紹介するのもいいかもと、写真撮影を頼んでみたら・・・。
え! 撮影代に二万円取るんですか?
耳を疑う言葉にびっくり。テレ朝がそばのせいなのかな〜。グラビア撮影やテレビのロケとか多そうだけど・・・。そういえば森美術館も 入会金と年会費を払うとメンバーになれるMAMコンテンポラリーメンバーシップ・プログラムがあると聞いた事があったっけ。ん〜。特典は色々あってもまったくお金に縁のないオサルスには結構きついな。六本木ヒルズを見上げながらハぁ〜と、ため息。やはり凄いぞ六本木。

 そんな六本木に一年前に出来たコンプレックスビルのギャラリーは、さぞや景気がいいのでは、An inteligent person is always curious.とことわざにもあるでしょ。
今日はTARO NASU GALLERYのオーナーの那須太郎さんにお話をお聞きしました。


 那須さんのお薦めは六本木の吉仙、懐石料理のお店です。
数寄屋造りで風情のある純和風のたたずまいに、オサルスはひゅるるるる〜〜と一瞬怯みそうに。

「ここはいつも接客に使うんですよ。ランチは1800円。この料理でこの値段は安いと思いますよ」 と、那須さん。

・・・その言葉に何となくホッ!。

 ネットで検索してもこちらの吉仙はまったく紹介されていないんです。かなり隠れ家的な穴場かも。きれいに掃き清められた入り口の生成の麻ののれんをくぐると牡丹の花がお出迎。店内は牡丹の花言葉のような 『気品・風格』 を感じさせてくれる落ち着いた雰囲気。これは料理が楽しみです。

・・・ところでこちらに移転されてもう一年ですか。六本木ヒルズが出来て、お客さんや学芸員の方はかなり来られますか?

「4月4日でちょうど一年です。今まで来ていた方は来やすいみたいですが、はじめての方は、どこの場所でも画廊は入りにくいかもしれません。学芸員の方も来られる方は来られるし、来ない方は来ません」

・・・済みません。愚問でした。

 「ほんとうに」

・・・そういえば新川と六本木、何故一緒に同じビルでやらなかったのですか?

「最初はそういう風な話もあったんですが、候補になった場所が適当ではなかったので流れたんです」

・・・今年の3月にアメリカのscopeに出展されて、4月は北京のフェアーにも出展予定と月刊ギャラリーで拝見したのですが、海外のフェアーのメリットは・・・経費も掛かると思うのですが。

「経費は掛かりますね。実際そこで作品を売る事は大事ですが、そのあとでそこで出会った画廊の方や美術館のキュレーターに、日本の作家を見てもらう機会を作って次の話に繋げていく、色々な繋がりが出来る事がメリットとしては大きいですから」

・・・市場というとやはり海外に重点をおいて、日本の市場はあまり考えてらっしゃらないのですか。

「そんなことはないです。うちの場合は海外で売れますけれど、まだまだ作家がそんなに国際的に活躍している状況ではないですから日本で販売する割合の方が多いです」

・・・展覧会のスケジュールは年に6-7本、一人の作家が二年に一回のペースで?

「日本の作家は基本のペースは二年に一回ですね。それは、例えば松江泰治は二年に一度しか発表しないわけではなくて、うちで個展をして、その翌年はドイツのギャラリーでとか、予定は埋まっているんです。その間に海外のグループ展とか入りますから」

お待たせしました。『吉仙おまかせ御膳』(1800円)です。

凄いですね。先付、お椀、お造り、焼きもの、煮物、揚げ物、ご飯、香の物、サラダ、デザート。少しづつ色々食べられて嬉しいです。旬の素材で繊細に仕上げられているし、彩りも春らしくてきれい。
最近お蕎麦ばかり食べていたので今日は豪華〜〜これで温泉があったら最高みたいな・・・ちがうか!。
エビの天ぷらの衣がお餅なのかな、モチモチして美味しい。

・・・日本食がお好きなんですか?

「何でも食べます。ラーメンも食べるし、吉野家の牛丼がなくなったのはつらいです」

・・・え! そうなんですか。(牛丼を食べている姿は想像できないな〜。・・・ひとり言)
少し話を変えますが早稲田の経済学部を出られたとか、やはり商売をおやりになるんで入られたんでしょうか。

「そうでもないです。それに経済学部ではなくて、商学部です。学部選びはいい加減ですから」

・・・それでデパートの美術部に勤められて・・・。

「やりたいことがなかったんです」

・・・変な質問ですが、早稲田の商学部だとビジネスという考え方を最優先にするんじゃないですか。美術は一番ビジネスにはなりづらい部分があるように思うのですが・・・選ばれた理由はなんでしょう。

「やりたい事がなくて就職して、たまたま美術部に入って段々面白くなって、百貨店の美術部は悪い点が多いので画廊に転職したんです」

・・・悪い点というのは?

「個人的にですが、デパートのやり方が嫌なのは、自分たちではなにもしないからです。ものだけ売っているだけだし、結局画廊から仕入れるじゃないですか。だから作家に会う必要も無いし、基本的に与えられた知識でしかやらない。それって仕事として面白くないじゃないですか。仕事として面白くないから自分はそれをやり続けたくは無いという事です」

・・・それで画廊に。

 「スタッフをたまたま募集していたんです。その当時は現代美術の事は全然知らなかったし、それに百貨店をやめる時に独立しようと思っていましたから、だいたい他の画廊で一生働き続けるのはあまり意味の無いことなので、自分でやろうと思っていました」

 ・・・では、その時点で作家もある程度決まっていたんですか。

 「まったくないです。なにしろ当時は現代美術の事は知りませんでしたから、美術に接する仕事のなかで画廊という仕事がいいなと思っていたんです」

 ・・・画廊は100人の画商さんに話を聞けば100通りの答えがあると思うのですが、画廊の仕事はどういうものだと思われますか。

「現代美術を選んだのも、作品を作るアーティストの一番そばで仕事が出来るのは画廊だと思ったからです」

・・・現代美術の最先端を見るのであればキュレーターも選択肢にはいりますよね。

「色々な考え方があると思うのですが、アーティストも仕事じゃないですか、仕事がなぜ成り立つかは、きちっと収入がなければならない。収入は作品を売ることから成立するわけです。売るという手段はアーティストの仕事ではないですよね。アーティストがアーティストで生きていく為にやらなきゃいけない事を画廊がやるわけです。それに画廊は作品の価値を作っていく過程として在ると思いますから」

・・・実際に6年間画廊を経営されて、今はだいぶ状況が変わってきたような感じをうけますが、画廊を経営して後悔はありませんか。

「後悔はないです。楽ではないですけれど、6年前の状況より日本のなかの環境は改善はされてますが、急激な変化はないです。一歩一歩細かくやってきた事が少しづついい方向にいっているような感覚ですね」

・・・那須さんのギャラリーのコンセプトをお聞かせ下さいますか。

「いわゆるコンセプチュアルなものではなくて、うちはビジュアルアート、目で見て楽しめるものを基本にしています。必然的に素材やメディウムはクラッシックな写真であったり絵であったりとかが多くなります。インスタレーションの作家もいますが、いわゆる現代美術、現代美術したものがあまりいなくて・・・僕はそれを現代美術だと思っているので微妙な差異はあると思います」

・・・なるほど。6年前の状況から見て急激な変化がないという事は、今までの美術の流れのなかで評価されてきたもの、私は実際売れるものは共通評価されている普遍的なものかと思うんですが、それが主流としてあって、それ以外は傍流なのかなと思っているんですが・・・。

「今の現代美術の世界では逆転現象が起こっていて、それが主流ではないんです。いわゆる普通の絵画や普通の写真では面白くないという可能性があるんです。だから地味なんです」

・・・そうですか? 自然に出てきたものじゃないと受け入れられないと思うんですけど、時間が経てば淘汰されてしまうのじゃないかと。

 「それは考え方です。うちの作家の評価は必然的に時間が掛かると思っています。作品にバ〜ッとブレイクしたりする派手さは無いですから。ゆっくりゆっくり評価されていって、時間が答えを出してくれると、少しずつステップしていけばいいかなと」

 ・・・その間画廊を維持し続けるのもたいへんですね。

 「とりあえず6年続いて来ていると。この先どういう風に動くか解りませんからやれるだけの事をやろうと」

・・・最近は、今まで企画の展覧会をしていた画廊の展覧会が少なくなってきて、様変わりしてきたのをかなり感じます。

「環境も変わるし、今までとちがうやり方をしないと我々も10年とか15年経ったら、今の企画展をやらなくなった画廊と同じようになってしまう。そうならないようにしなければいけないんですね」

・・・でもね。やり続けていても20年経って時代が変わると太刀打ちできなくなる。流れが変わった時に見えなくなる可能性もあるんじゃないですか?

「僕はよくいうのですが、例えば個人商店の親父みたいに、ちゃんとした組織を作らないと・・・その人がいないと成り立たないとか、その人だけだと、その感性が衰えたら駄目になるじゃないですか。会社という組織は色々な人で成り立っているから次々に新しい人が入ってくるし、ちゃんとシステムがあるから会社として存続できるわけですよね。ギャラリーも自分一人で何でもやってしまっては、八百屋ならば、こだわりの野菜を売ってますという感じのままと同じようになりますよね。延々と時代にはついていけませんよ」

・・・そうすると会社組織にすると言うことですか?

「組織にしてもしょうがないですね。ちゃんと任せられる若いディレクターを育てていって出来るようになればいい。その為にはお金が必要だし、それまでにマーケットを作らなければならないとか段階がありますね」

・・・私はマーケットというのは、ある作品を売ったとして、それを客が売りたいと言ったときに買い取り、それをまた他の人に流通させるというような売買のシステムがあって成り立つものだと思うんです。現代美術の作品はそういうマーケットが在るのかどうか解らないので今日はお聞きするのはやめようと思っていたんです。

 「僕がいうマーケットは違う意味で、パイを広げなければならないという事なんです。なかで流通するお金の額を大きくしなければ駄目なんです。現代美術の市場にお金が流れてきて、そこでお金が動く。その規模が小さい。だから規模を大きくしなければいけないんです」

 ・・・そうすると。マーケットを広げるということは、一般の人達が実際買わなければ成りたたないですよね。

 「そうですね」

 ・・・その人達にどうやってアプローチをしていくかというと、共通評価された作品でなければ無理だと思うんですが。

「凄く難しい問題ですね。簡単に答えがあればそれをすればいいんだけれど、でも全部一般的になる必要はないですね。アメリカに現代美術のマーケットがあっても、動くお金が大きいだけで買っている人間はほんの少数です。現代美術を一般の人は知らないですから。ですからどれだけ大きなお金が動くようになるかです」

・・・でも、月刊ギャラリーの3月号をみると、状況はよくなっていて欧米のフェアーに出展すると一般の方に売れているのかと私はとったんです。実情はよく分かりませんが・・・。

「悪くなっている訳ではないです。でもスピードが解らない。このペースでいいのか、もっと早く広げなければいけないのか、相変わらず皆そんなに楽じゃないと思いますよ。楽じゃないということは環境が良くないと言うことです。楽であるべきだし、それに作家でも何処かで教えていたり、他の仕事をしなければ生活できませんから、ということは健全ではないということです」

・・・健全になりうるには、お金が回らなければならないですよね。バブルがくれば別でしょうけど。

「シフトすればいいだけですからね。陶芸や日本画や洋画を買っている人がシフトすればいい。動かせるお金を持っている人が、日本画で200万円のものを買っても、ちょっとした若手のものしか買えないけれど、現代美術ならまあまあのものは買えますよ。そういうのが面白いと、その人達が動いてくればいいし、今の現代美術を買っている人のなかにも、それを切っ掛けにして現代美術に動いてきた人もいます。それをもう少し促せればいい。まったくゼロからの人を動かす事も必要ですが、もっと近いところでシフトさせる事が出来るはずです。その人達はあらかじめ美術には興味を持っているし、作品を買った事もある。それは日本画かもしれないけれど、現代美術が解らなくても何か切っ掛けが作れれば、そこに移ってくると思います」

・・・切っ掛けがどこで生じるか問題ですね。

「簡単な答えはないわけです。だけど、それを黙って本人達が切っ掛けを見つけてくれるようになるまで待つのではなく。戦略的に何か切っ掛けに成りうるようなものを作っていかなければならない。それぞれが意識をもってやればそれでいいと思います。僕がどうやるかは僕の問題です」

・・・誰に聞いても時間が掛かるというのは結論的な事ですか。

 「時間を掛けずにやりたいんですけどね。解らないんです。うまく誰かが何かを見つけて、それがそういう人達を振り向かせる事ができたとしたら、一軒のギャラリーに来始めれば、他にも来ますから全部に広がっていくわけです。
 普通の画廊には来ても、現代美術の画廊には来ない人がいても、そこからでも構わない。ステップは色々あるから、ターゲットはたくさんあって、違う方法でターゲットに向かっていかないと全員に同じ方法では無理なわけですよ。段階は色々あると思います。すべてに向けていろんな事をしなければいけないというだけのことです」

 ・・・いろんなところにアンテナを張ってなければならないから大変ですね。

 「うまくいくかどうかは解らないですけどね(笑)」

どうもありがとういございました。

 うまくいくかどうかは、その人の人生だから解りませんが、だれも失敗しようと思ってやっているわけではないから、その願いがどこまで届くかという事なんでしょうね。
 だいぶ景気が回復してきたといわれているけれど、オサルスには実感がないので解りません。所詮お金には縁がないのだからと悟りを開いているので・・・そういえば、悟りを開くという事は、進化をさかのぼる事なんですってね。オサルス→ガラパゴスペンギン→?
結局最後は、ミジンコかな。一寸の虫にも五分の魂。踏まないでね〜。

TARO NASU GALLERY http://www.taronasugallery.com/

バックナンバー(お店リスト)はこちら オサルスインタビューの一覧はこちら

おすすめトップ RETURN


gaden presents
- g
allery / artist / dreamer / exhibition / network