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オサルスのおすすめランチ ランチdeチュ その111

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爽 −さやか− (箱菜3種・旬の茶碗蒸し・鮨・お椀・デザート)
2,940円

旭寿司 総本店
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティー53F
ランチ11:30〜14:30 TEL 03-5353-0470

  最近とみにインタビューは難しいというのを痛感。
相手の方は皆さん持論をお持ちの方達ばかり、専門分野のコアの部分をお聞きしたら話が難しくなるのは当たり前。
難しい話を、小気味よく語ることが出来れば、 オサルスにも光明が見えるだろうけど。
こんなに誤字脱字で悩むようじゃぁ、逆立ちしても無理だなぁ〜。

では、オサルスに何が出来るかといえば・・・。
素朴な質問。
ただ素朴な質問というのは興味本位に聞いてるように見えてちょっと恐縮。

 今日は、東京オペラシティーアートギャラリーのチーフキュレーター掘元彰さんにお話をお聞きしました。
オサルスは、今まで掘さんがあまりにも落ち着いていらっしゃるので年上の方だとず〜と思いこんで、何故そう思ったかと、ハテナと考察。多分以前勤めてらした神奈川県立近代美術館のイメージじゃないかな。
だって近代美術は威厳があるでしょ。
じゃあ、新しい現代美術はどうなんでしょうか。聞いてみましょう。

 その前に今日のランチは豪華。お寿司です。美味しそうですね。(東京オペラシティーのビル管理会社の方の了解を得て、そのご厚意でご紹介させて頂きました。ありがとうございます。今回は真っ当なランチ取材なので オサルスは食べられません。我慢です。)

・・・済みませんが、今日は素朴な疑問をお聞きしたいと思います。

 「素朴な疑問ほど難しいものはないかもしれないですね(笑)」

・・・学芸員になられる方は皆さん学歴ひとつとっても申し分のない方が多いと思うのです。例えば大学を出ていい会社に入ろうと思えば入れるような選択肢の幅は広かったと思うのですが、何故美術を選ばれたのですか?

 「僕の場合は珍しい例かもしれないですけど、大学では国文学を専攻していました。国文学を好きというわけではなく、色々なものに関心があるものの一つだったんです。学生時代は美術も演劇も映画も興味がありましたから、でも最終的には何故か美術を選びまして、大学院で専門的に勉強し始めたんです」

・・・では専門は日本美術なんでしょうか。

「最初は特にそういう気は無かったんです、昔は何でも見ましたよ。日展とか公募展とか、銀座の画廊は学生時代から廻っていましたし、大学は保守的な部分もあるので、現代美術は面白いと思っていました。今は少し変わってきていますが、大学で現代美術を教える、研究するというのはあまりなかったですね。日本の近代でも現代でも美術館に入ってから勉強をすればいいみたいな雰囲気があって・・・それは僕も卒業してから納得したのですが、古いところの研究や勉強は在学中じゃなければやり方が解らないとか出来ないとかがあるんですね。新しいところはその応用で出来なくはないと」

 お待たせしました。
爽 −さやか−  箱菜3種・旬の茶碗蒸し・鮨・お椀・デザート(2,940円)をお持ちしました。
凄いですね。彩りがきれい。

 こちらのお店は、
『48店舗の旭鮨グループの中でも最上の食材を使い、調理人の熟練の技と真心込めたおもてなしで贅沢なひとときを演出致します。』
と紹介されているとおり、店長さんのワザが際だってますね。     

 お寿司はいくらにいかetc、ピンクは銚子の金目を軽く昆布〆したもの。赤いのは生の本マグロ。箱菜3種は、右は新じゃがをくりぬいた中に竹の子、キノコ、カニのスティックの詰め合わせ、左の穴子の水晶寄せには黄色いウニあんが、ウ〜、思わずゴクンと・・・。
堀さん如何ですか?

「春らしい感じでさっぱりして美味しいですよ」

それはよかったオサルスもなぜか見ているだけで満足。旭鮨さんと管理会社の方に感謝です。

・・・それで神奈川県立近代美術館に。

「なるべく早く就職したかったんです。僕は大学院の修了時に藤島武二の論文を書いたんですが、83年に鎌倉近美(神奈川県立近代美術館)で藤島武二展(没後四十周年記念)をしていまして、それで話を聞きに行ったのが縁で、最初は非常勤でそのあと常勤に空きができたので採用試験を受けて入りました。一昨年の 12月でやめたので非常勤から数えると12年くらいいましたね」

・・・そうですか。ところで学芸員の方は一般職に比べて給料はいいんでしょうか。

「それほどでも無いと思いますよ。公立の美術館は全体的に給料は安いですから。バブルがはじけてからだいぶ他との格差は是正されたと思いますが、銀行とかの方が遙かに給料はいいと思いますし・・・」

・・・でも学芸員には中々なれないですよね。

「そうですね。毎年欠員があるわけではないし毎年採用するわけではないので、僕が入った時も七ー八年ぶりの採用でしたから」

・・・その人気の秘密はなんでしょう。

 「色んな人がいると思いますから、一概には言えませんね。ただ美術を勉強した人の就職口としては大学の先生か美術館を選びますね。最近企業のメセナ部門も増えて来ましたが、元々あまり空きがないからではないでしょうか」

・・・そうですか。今まで神奈川県立美術館の学芸員をされていて二年前に東京オペラシティーに移られて近代のものから現代のものへの転換は如何だったんでしょう。

「僕自身は若い作家が好きでしたから、まったく気にならなかったんです」

・・・昔、東京オペラシティはインターナショナルアドバイザーがおられたと聞きましたが、まだいらっしゃるんですか。日本では明治時代でも岡倉天心が外国のアドバイザーを連れて来て教えていた時期もありましたから、やはり外国人の視点で現代美術は見る方が解りやすいのかと素朴な質問で申し訳ないんですが。

「以前にはデイヴィッド・エリオットさん(現森美術館館長)、フランスのジェルマン・ヴィアットさん、ニューヨーク近代美術館のロバート・ストーさんがアドバイザーをしていましたが、今はいないですね。天心の時代とは違いますから、やはり日本には日本独自の視点も必要でしょうし・・・」

・・・情報源はご自身で作品をご覧になってという事ですか。

「そうなんですが、僕も最近あまり見られてないんですよ。昔鎌倉の近くの逗子に住んでいた頃は多い時は週に三、四回くらいは都内の画廊やオープニングに行ってましたが、今は仕事が忙しくてなかなか行けないんです」

・・・そうすると他のキュレーターの方がご覧になるんですか。

「もう一回きちっと見る時間を作らなければいけないなと感じています」

・・・現代美術は、今の時代にリアルタイムにつくられたものだから、例えば外国のものにしても、すぐ見られないとつまらないというか、画廊は現在進行系、では美術館はどうでしょう。

「どうしても美術館は一年前とかもっと前から準備をしていくので、画廊に比べてスピードが遅いとは思うんです。リアルタイムよりは時間がずれてしまう。でも最近その時間も少しずつ縮まっているような気はします。ただ歴史的なアプローチと現代をダイレクトに見せるアプローチと、どっちもメリットとデメリットがあると思うんです。例えば過去の歴史を知らないで今の若い作家は何でもかんでも作れるかといえば、作れる部分もあるかもしれないけれど、ある部分で過去のものと同じようなものも出来てしまう危険もあるだろうし、展覧会もそういう事があるのかなと思うんですけどね」

・・・東京オペラシティは先日のタイム・オブ・マイ・ライフ の展覧会でもそうですが、現在進行形の作家の展覧会をされますよね。そうするとその作家達の今後のフォローはどのように。

「先の事が解らないといってしまったら無責任ですが、展覧会で取り上げる以上はその作家に対して、新人であっても一回限りでは無くて将来個展が出来るような作家になって欲しいと思って取り上げますが、今後の事は本人次第の部分があるので、期待は持っていますがその辺は中々難しいですね」

・・・本当にこれからというのが予定調和のようにいかないから難しいですよね。私には自分がいま生きている時代の美術を考えても解らない事が多すぎるのです。堀さんは90年代以降の美術の動向をどのように捉えていらっしゃいますか。

 「僕はずっと美術史を勉強してきたので、出来事に筋道をつけて過去を掘り返すというか。歴史の中でそれを辿りたい気持ちはあるんです。90年代の10年間を見てきたなかでは途中で大きく変わったかなと、80年代からつながっていたものが90年代の半ばくらいで大きく変わったというか・・・表面的にいうと、実際ものを作ったり描いたりする作家よりはビデオアートみたいなものが多くなったとか、あるいはコンセプチャアルな部分で、作家が考えた部分がどうやって表現されているかみたいなところが中心になってきているとか、そこが大きく変わったと思います」

・・・なるほど。少し話を変えますが、こちらのギャラリーは女性の来館者が多いような気がするんですけど・・。

「どうなんでしょうね。もしかしたらそうかもしれないですね。他の美術館や博物館のように年配の方の層が少ないんです。お客さんの層は20代から30代が多いんですよ。それはやっている内容が大きい要因だと思いますね。新聞で紹介されれば年配の人が多くなる傾向はありますけれども、全体的には美術に関わる人が女性の方が多いのは確かですね。僕も一昨年前まで三年間だけ武蔵野美術大学の芸術文化学科で教えていたんですが、学生の八、九割方は女の子でしたね」

・・・そこを出られた方は学芸員とかになるんでしょうか。

「芸術文化学科の方針は学芸員とか企業のメセナ部門の担当者とか、もう少し広くギャラリストとか、美術に関わる人を養成しようという事です」

・・・例えば実際日本では80%は日本画、洋画商の仕事に拘わっている画商さん達ですよね。あとの20%が現代美術の画商さんなのかなと・・・。そうすると8割方の画商さんはマーケットはあるといい、現代美術系の画商さんはマーケット云々という。これを聞くと個人個人の取り扱うもので視点がまったく違うように思うんです。また、ギャラリストは最近なり手が少ないというのを聞きましたが。

「ある人に独立したらどうかという話を持ちかけたら、とても今は経済状況を知っていると独立出来ないといってましたね。その人がいった事で面白かったのは、『今、独立している人達は以前画廊で働いていたけれどその頃はバブルを経験している、私はバブルを経験していないし、バブルが弾けてから画廊で働きはじめたので、何年画廊で働いても独立したいという気が中々起こらない』と、いってましたね。マーケットというと古美術のマーケットがあったり日本画や洋画のマーケットがあったり、現代美術が一番お客さんが少ない層だとは思うんです」

・・・美術はお金が無いという事が定番になってきているような気がするんですが、お金にするのが厳しい状況で、美術館も人が来ないと話にならないですよね。

 「これが人が入るからといって、人が入るものばかりやっていると・・・人が入るということは、お客さんがある程度知っているからという部分があるかなと思うんです。何となく日本の美術ファンの人達は知らないと見ないという傾向があると思うんですよ。もう少しそこで知らないから見てみようという気になってもらうと随分違ってくるのかなと、この作家は知らないから見てみようと、見る側が発想を変えてもらうと変わってくるかなと思いますね」

・・・美術はコアの部分で見たい方と気軽に見たい方といると思うんですが。

「多分それがいいと思うんです。ここでやった宮島達夫展は二万人くらい入ったんですが、宮島さんが好きというよりも、会場の雰囲気がデートスポットみたいな感じで(笑)、そこで最先端のものを見なくちゃいけないとか理解しなければならないというのではなくて、色々な美術館の利用の仕方が在ると思うんです」

・・・そういってもらえると気持ちが楽になります。特に現代美術は解り辛いんで、見方が多様で難しい。

「解り辛い表現はあっていいと思うんです。でも現代美術イコールそういうものだという固定観念に捕らわれてしまっても困りますね」

・・・展覧会をされる時に、入場者数を予想して金額も設定されると思うのですが、読みが外れた場合はどうなるんですか。

「それがいつも悩みのたねですね(笑)。ここでやった展覧会でも37000人入ったものもありましたし6000人くらいしか入らなかったものもありますから、見るファンがえり好みをしてしまうのかなと思います。30000人の人が、次もまた見てくれれば同じ人数が確保出来るんですが、でも同じ数字を行ったり来たり、どうしても右肩上がりには伸びていかないですね」

・・・何故ですか。

「色々な問題があると思うんです。仕事で忙しくて文化に時間が割けなくなる人もいれば、関心が無くなる人もいるだろうし、本当はそういう人達にずっと見てもらえるようにしなければいけないとは思います。ある時期は美術館に行ったけれども、見に行かなくなってしまうんじゃなくて、毎回じゃなくても一年に一回は美術館に必ず行くというような人がいてもいいと思うんですけどね」

・・・難しいですね。ではこれからは如何でしょう。

 「一番解らない時期ですね。今、凄く動きが速くなっている関係で、作家も大変かなって気がするんです。少し前なら何年か作家の成長をみていく感じでしたけど、今どんどん新しい作家が出てくるから、すぐに目移りして、そっちの方が面白い感じになって来ているんです。傾向がどんどん変わっていって、今そういう流れがちょっと強すぎる感じがあります」

・・・揺り戻しは無いんですか。

「またあると思いますけどね。またそういう中でずっと変わらず同じ表現をしていく作家が評価されるとかそれはあると思います。でも揺れ戻しも段々小さくなっているかなという印象は受けます。以前こっちにポップアートがあったらたら急にコンセプチュアルになったりとか動きが激しかったんですが、その振幅が小さくなってきたかなっていう感じがします。こちらに振り切れる前にもう反発が出て来てしまっている事もあるのかもしれないんです。見た目が面白いけれども全体像は見えて来ないっていうか」

・・・そうかもしれませんね。ありがとうございました。

「同じ数字を行ったり来たり、どうしても右肩上がりには伸びていかないですね」 と堀さんは仰ったけど・・・。
gaden に関しては、ずっとアクセスは右肩上がり。それだけ美術に関心がある人は多いと思うのだけど、ドーナツ状に見ているだけで行動に起こすのは控えちゃうのかなぁ〜。
まあ、gaden のアクセスもこのまま増え続けるというわけにはいかないだろうから、そうなったら多分キーワードは発想の転換。そこで何が出来るか。でも、 オサルスは考えても解らない。
あ〜あ 誰かおサルに知恵の実を食べさせてくれ〜〜〜。

東京オペラシティアートギャラリー http://www.operacity.jp/ag/

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