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オサルスのおすすめランチ ランチdeチュ その117

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スパゲッティランチ 1,050円 税込

LEs DEUX MAGOTS PARIS 渋谷店
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1-1F
TEL 03-3477-9124

ちょっとパリまで出かけて来るわ! なんて事がオサルスに出来るわけも無く。以前から渋谷のBunkamura にあるパリを代表するカフェ『Bunkamura ドゥ マゴ パリ』(本店はカルチエ・ラタンにあるドゥ マゴ パリの海外業務提携1号店)で食事がしてみたいなぁ〜と思っていたら、BunkamuraのギャラリーでBunkamura art show 2004 “LANDING”(http://gaden.jp/info_p/040821.pdf 8月21日-31日)を開催する情報が。メンバーを見るとあの大谷有花さんが入っているではありませんか。ふふふ・・・これはランチのチャンス到来。絶対ドゥ マゴ パリを紹介してもらわなきゃ。だってまだまだオサルスごときじゃ顔パスでOKなんて訳にはいかないからね〜。

 パリのカルチェラタンにあるドゥ・マゴ本店は、かつて古くはヴェルレーヌにランボー、マラルメ、ピカソ、ヘミングウェイ、サルトルやボーボワールなどが集ったカフェだとか。きっと活発に芸術を語り、そこでのやり取りに刺激を受けて、自らの創作に生かしたに違いない。ね! 憧れるでしょ。
今日は、『Bunkamura ドゥ マゴ パリ』でのランチにご尽力頂いたI .C.Artsの太田 善規さん
http://www.i-c-arts.com/)にお話をお聞きしました。(Bunkamura ギャラリーの方、レストラン事業部の方にも感謝致します)
太田さんといえば6月の大谷有花さんのインタビュー『アートマネージメントかぁ、詳しくは Director の太田さんに次回お聞きするとしましょう。』でご紹介した方、アートマネージメントとはどういう仕事なのかな聞いてみましょう。

・・・太田さんの肩書きはDirector なんですか。マネージャーどちらなんでしょう。

 「基本的には、アートサイトを基盤に活動しています。I .C.Artsの事業内容のひとつとしてアーティスト・マネージメントがあるという事です。
マネージメントだけをするというわけでもないんです。今そういう形になりかけていますけど、現実的にはディーリングもしますし、サイト上で作品の販売もしています。肩書きはI .C.Artsの主宰ということで、Director といっております」

・・・以前はカサハラ画廊にお勤めされていたんですよね。画廊を持たずにネットで活動されているという事ですか。

「カサハラ画廊がなくなりましてからもう一年くらいですけど、そこから準備を始めて、画廊のスペースを持った方がいいのかどうか疑問を感じてまして、今景気も悪いので持ったとしても小さなスペースになってしまいますし、そのなかで作家にどれだけのものを発表してもらえるのか、作家が果たして満足するのかという事ですね」

・・・今、取り扱い作家は何人かいらっしゃるんですか。

「取り敢えず大谷さん一人です。まず大谷さんで道筋をつけたいという事なんです。基本的には若いアーチストを売り出すという事を考えていますが、若い作家は本当に難しいですね。実際アートマネージメントといっても、単に応援するとかいうのではきれい事になってしまいますから、ビジネスとして成立しなければ意味がないんです。それにアートマネージメントは作家と接する機会が画廊よりも密になるので、作品も気に入らなければ無理だし、人間的にも信頼関係が成立しないと難しいものですから。ですから大谷さんの次の作家も探してますが、作品も良くて、人間的にも共感出来る部分を見つけていくのはとても難しいですね」

・・・音楽ではマネージャーがついてというケースはよく聞きますけど。

「私が考えているのは芸能界のようなシステムです。芸能界の場合はシステムがカチッと確立してまして、いわゆるプロダクションというマネージャーを抱えている会社がフリーのタレントさんをマネージメントして、売り込む先はテレビ局やメディアであったり、ですから発表する場とマネージメントする人とアーチストが別々の立場で成立しているという事です。アートの場合は発表する場(画廊)とアーティストの二つしかない。私のようなマネージメントをする立場の人間は凄く少ないんです」

・・・見た事ないですね。

「日本の場合はそうですね。海外の場合は何人かいます。キュレーターがそれを兼ねている場合もありますけど」

・・・イサム・ノグチや他のアーチストのマネジャーもよくご存じだとお聞きしましたが。

 「カサハラ画廊の時代にイサム・ノグチも取り扱っていましたし、ただカサハラ画廊というとコンテンポラリーというよりもモダンアートなんです。日本の作家も巨匠クラスを扱っていましたから、若い人は大谷さんくらいなんですよ。ですからアートマネージメントは殆どしていないんですね。逆にいうとカサハラ画廊が反面教師になった部分はありますよ。例えば展覧会は二年に一回のペースで行われます。でも二年に一回では現実的には、作家は食べられないですよ。その間画廊は何をしているかというと、一応扱い作家といいながら美術館やお客さんに在庫や委託作品は売り込みますが、殆ど手をつけないんです。次の展覧会、次の展覧会が入って来ますから、その展覧会の仕事に追われて、あとはスポットで売りたい作品を仕入れて、そちらの方に商売が優先してしまいますからね。取り扱い作家といいながら結構なおざりなんです。作家はどうやって食べているのかと、それが凄く不思議なんですよ。
それで画廊はマネージメントをしているのかと根本的な疑問がずっとあったんです。巨匠クラスの方は、今までの蓄えがあったり、直接美術館とご商売される方もいらっしゃいますから、一点売れれば大きいのでそれほど気にする事もなかったんですが、若い作家は難しい。また逆に若い作家をどうやって売っていっていいのかさえも解らない。それは美術大学では教えないですよね」

・・・確かに。

「普通の大学であれば就職課があって就職先をお世話してくれますが、アーティストの場合は現実的な道を教えてくる人がいないし就職を世話してもらえない。教授や助教授の方でアーティストをしている方はいらっしゃいますが、アーティストだけで食べていくのは難しい。逆にいえば学校の先生をしているから食べていかれるわけです。先輩諸氏でもそういう現状なのに、若い作家に教えられないですよ。最近アートマネージメントの講座が色々ありますけど、結局何を教えるのかなと思いますね。前例が無いにも等しいにも関わらず、講座であったり、専攻の学科があるのは不思議ですよね」

・・・不思議ですね。結局食べていかれる職業をきちっと持っていないと美術に関わるのは難しいという事ですよね。美術で食べられる食べられないの間には深くて暗い川があってこっち岸にいる限りは無理なんですよ。

「企画画廊で出来る人と、貸画廊でしか出来ない人とは大きな隔たりがあって、超えられない壁がある。何人かは何とか乗り越えられるけれど、殆どそれ以前に作家を断念してしまう部分がありますよね。10年も貸画廊で毎年展覧会をしていれば流石に生活は無理ですから、諦める人が多い。そういう人のなかでももったいない人が絶対いると思うんです。結局アーティストが作品を作る事に専念できないし、若い人の場合は何でもしなければならないでしょ。画廊に作品を見てもらったり、評論家にコネクションを作らなければならないし、いわゆる営業を全部自分でしなくてはならない、そうしないと目にとめてもらえないという部分がありますよね。そうなると作品を作る事に専念出来ないので、ただでさえアルバイトしている人も多いのに、作品の質も落ちてしまう。巨匠クラスになれば、それを画廊がやってくれるから作品に専念出来る。それは逆なような気がする。若いうちに専念しなければいけない時期があるんじゃないかと思うんですけどね」

・・・まあ、作家もいいときもあれば悪い時もあるから長期のビジョンで見ていくのも骨がおれる。それがマネージメントの力の見せ所ですね。

「基本的には長期的な展望で考えていかなければ無理でしょうね。結局話し合いながら一緒に作っていくしかないですね」

お待たせしました。(ドゥマゴのランチタイム 11:30 〜 14:30)
スパゲッティランチ(1,050円税込)と日替わりおすすめランチ(本日の肉料理・魚料理・サラダの盛り合わせ 1,575円税込)です。

という具合には運んで来ません。  ※各々 スープ、パン、コーヒー、デザート付

やはり、スープから粛々とお出ましです。スープは、じゃがいもの冷製スープ、高級レストランの定番のビシソワーズ。冷たく濃厚なのに、喉越しの爽やかさに圧倒されました。ん〜美味しい。トレビア〜ンです! ビシソワーズという料理名は1917年、ニューヨークの旧リッツカールトンホテルのフランス人シェフが考案したもの。フランスの有名な温泉地ビシーの名をとったものだそうです。

オサルスはスパゲッティーランチを注文。今日は小柱の入ったパスタです。
こしのあるパスタにたっぷりの小柱、塩かげんが絶妙でオリーブオイルとニンニク、バジルのハーモニーが食欲をそそります。量も多くて大満足。おまけにごまの入ったパンも美味しい。勿論デザートもしっかり頂いて、カロリー取りすぎで、これじゃまた太っちゃうよ。

・・・先日ある画商さんに従来の画商と若い世代の画商との違いを聞きましたら、呼び名が違うと、若い世代の画商はギャラリストというんだといっておられましたが(笑)、若い作家は若い世代のギャラリストと組みたいという気持ちが強いんじゃないですか?

「売り上げからいったら洋画商や日本画商の方が売り上げてますよ。日本の現代美術はマーケットが凄く小さいですし、現代美術系の画商は、自分一人の力で商売しようとする方が多いですね。横の繋がりがほとんどなくて、自分のところの作家をメージャーにしていきたいという事を考えておられるので、要するに同じ作家を共有する事が無い。
例えばある若い作家がそこで展覧会をするとすれば他の現代美術の画廊では基本的には出来ないわけです。でも洋画商の場合はある作家がある画廊で展覧会をしたら、他の画廊もその作家の作品を欲しいという事で流通が生じ商売が成立する。作家にとっても発表の機会が多くなるんです。一つの画廊で抱えられてしまったらその画廊でしか販売のチャンスが無い。その違いは大きいですね。現代美術は抱え込むケースが多いから、逆に発表の場が制限されてしまう弊害が出てきてしまう。それはどうなのかなと思います。
私の場合は画廊の方々にも作家を扱ってもらって、作家の発表の機会もできるだけ多くしたいと思っているんです。私が抱え込んでしまっては自分の所でしか出来ないですよね。スペースがある場合はそうせざるを得ない場合もあるけれど、スペースが無いと自分自身が探さなければならない。それは作家の発表の場を探す事であって利害が一致する所なんです」

・・・ただ若い世代の画廊は、若い作家を海外で売り出す可能性も秘めてますよね。

 「日本の作家は日本で認められなければ話にならないじゃないかと思うんです。海外で認められたからいいんじゃないかという舶来意識は、本当に評価されているのかという疑問があるんです。海外で認められた作家を買っている方は多いと思うんですが、逆にそうじゃないお客さんを開拓したいと、そういう人達に支えられて、そこから海外に出たい。海外で売るのが嫌なんじゃなくて、日本で足場を固めてから海外という方向性を考えているんですよ」

・・・う〜ん。共通了解が無いものは売れないのは解りますし、今までの作家はバブル後に値段が暴落したわけだから、交換会やオークションに出ない新鮮な作家じゃなければこれからは売れませんよね。目の付け所は解るんです。だから余計20年後の大谷さんへのインタビューは楽しみなんですよ。そのくらいのスタンスで見ないと難しいと思うから。

「特に女性の作家の場合は、結婚や出産などで、生活環境が劇的に変わる場合がある。それらを乗り越えて作家活動を精力的に続けていくことは、男性の作家よりたいへんなことだと思います。今若い女性のアーティストはもてはやされていますが、現実的には残る人は限られて来るでしょうね」

・・・小倉遊亀になればいいんですよ。

「小倉さんや片岡さんみたいなバイタリティーのある人が現代美術のシーンにも欲しいですね。昔の女性の作家は社会的な偏見もあり、そのなかで第一線でやって来られたのは尊敬に値しますよ」

・・・ところで大谷さんの作品はかなり売れるんですか?

「今ままで展覧会も評判が良かったですし、作品もかなり売れています。多摩美術大学の(http://gaden.jp/info/2004/040418/0418.htm)展覧会の三点組の150号の作品も売れました」

・・・凄いですね。どなたが買われたんですか?

「ある現代美術のコレクターです」

・・・へぇ〜。そういえばバブルの頃、画廊のこの壁に掛かっているの全部とかいう買い方をする方がいたと聞いた事がありますし、個々の画廊の展覧会に赤丸がついていたら、結局一人の方が買っていたなんて事もあるから、ある程度皆名前を知っていたりしてね。

 「誰が買ったか大体解るかもしれませんね。現代美術の業界は小さい世界ですから(笑)。ただ、大谷さんの作品を買っていただけるお客さんは普通の方が多いんです。ちょっと美術に興味が出て来て初めてアート作品を買う方とか、気に入ってもらえて何点か立て続けに買っていただけるケースもあります。カサハラ画廊では一見のお客さんは殆どいなくて、皆大口のコレクターばかりでしたからね」

・・・それは、ネットや本で目に触れる機会が増えたからですか?

「NICAFで発表してから二年経ってますし、美術館で発表が続いた事が大きいですね。大谷さんの作品を買う安心感が出てきたのかもしれませんね。それに展覧会をやるたびにお客さんが増えて来るみたいです。でも逆にいうと一般受けする部分があるので、怖い部分は確かにはあります。例えば飽きられるとか・・・それは作家の性格の力で乗り越えられるとは思いますけど」

・・・これから山があるんでしょうね。

「一般の方にも解ってもらえて、クロート筋にも評価されるような作家じゃなければこれから難しいですから。一般受けしても、クロート筋に評価されないと残らないし、一般の方はある程度間口が広くなければ買わないし、コレクターはその作家が美術の流れのなかで重要かどうか判断して買いますからね。両方向を見ていかなければならない。マネージメントをする立場からいうと、情報提供を上手くしなければならないんです。私は今までギャラリーでお客さんに接する仕事をしていました。それで解った事は、お客さんが要望している事とか、希望していた事とかがあっても、画廊で止まってしまって、作家にあまり伝わらないんです。それをもっとアーティストに提供していきたいし、何処かギャラリーで発表する場合は、ギャラリーの要望を聞いてアーティストにフィードバックしていきたいんです。作家がよりいい作品を作る為の情報提供であり、庶務や雑務や営業をするのが私の仕事ですから。まあ、何といっても作家に人間的な魅力がないと人は買ってくれませんけどね。ある程度スター性がないと難しいですし、メディアに取り上げられる要素を作家自身が持っていないと難しいですよ」

・・・なるほど。最後に今後のご予定は?

大谷さんのマネージメントにからむんですが、8月21日-31日まで、Bunkamura ギャラリーで、Bunkamura art show 2004 “LANDING”
(
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/event/artshow04.html)が開催されます。
あと、9月-11月に掛けてVOCA展(買い上げ作品)10周年の展覧会が大原美術館で、また、11月15日から大阪のギャラリーほそかわで、大谷さんの関西での初個展があります。今年は年始から美術館にギャラリーと立て続けです」

・・・いつも皆の目に触れていかなければならないからたいへんですね。

 「逆に出し過ぎも駄目なんです。飽きられるひとつの要因ですから、それが難しい。売るためには出したい。出したいけどもあまり飽きられるのはこまるから控えたい。でもまだ若いですから名前を売り出す時期だと思うんですよ。ある程度チャンスがあれば色々な所で発表してもらいたいなぁとは思ってはいるんです。名前が出てきて、それこそ作品の単価が上げられる状況になって、今の二倍や三倍の値段がつけられるのであれば、展覧会の回数を減らしても大丈夫でしょうけど。今の金額からいえば作家一人では食べられません。これが三倍くらいになれば充分食べていけると思いますけど、それくらいまでに早くなってもらいたいなと。評価と値段は難しいですからね」

どうもありがとうございました。

「8月21日からの展覧会は現代美術がおしゃれな渋谷で展示されますから、宣伝宜しくお願いします」と太田さん。
それで今回のランチはこちら持ちではなく割り勘 と。ラッキー!。

I .C.Arts http://www.i-c-arts.com/

Bunkamura art show 2004 “LANDING” http://www.bunkamura.co.jp/gallery/event/artshow04.html

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