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高浜利也  「移動計画」 2005. 1/11ー2/10

同時開催
 
第一生命南ギャラリー
東京都千代田区有楽町1-13-1 DNタワー21
03-5221-3242 12:00-18:00
http://www.dai-ichi-life.co.jp/
company/activity/gallery/south/
GALLERY NATSUKA
東京都中央区銀座5-8-17 GINZA PLAZA 58 8F
03-3571-0130 11:30-18:30
http://www.ginza.co.jp/natsuka/


GALLERY NATSUKA http://www.ginza.co.jp/natsuka/

 あれ、工事中?

展覧会の案内が出ていたから、エレベーターで8Fまで来たのに・・・。
さては展示が間に合わなかったのかな。
でも何で床があるの?

題名は 「移動計画」?。でも版画展だよね。目から??? マークを出しながら、聞いてみると。

・・・床を先に作り始めたのは何故ですか。

 実は今住んでいる所が、区画整理によって都市計画道路になるらしく、立ち退かなければならないんです。普通であれば、まず場所を決めてそこに家を建てるなり借りるなりするんですけど、それが色んな事情がありまして出来なくて、取り敢えず今自分に出来る事を模索しようと、特定の場所が決まらないけれど、床という“場”だけは作れるという事で、まず“場”を作ろうと。
  例えば現実の工務店や建築会社の工程であれば、土地を買って場所を用意して、不動産として家が建つんだけれど、ギャラリーであれば、現実にあり得ない工程も画廊空間というアートの入り口として、その順番が逆に出来るのではないか。
まずそこからスタートしようと・・・。

・・・それがどうして作品と繋がるんですか?

 今、次回の越後・妻有廃屋再生プロジェクトを進めているんですが、実際に改修工事をしている過程を制作行為に繋げているんです。
 それはまず自分の現実からスタートして作品に繋げていく事なんです。
作品と現実の生活の境界線上の部分でやっていこうと思っているんですよ。
 ある意味私小説的なんだけれど、私小説的物語性を作るんではなく、もっと現実に差し迫った、自分の次の場所を探さなければいけないというドキュメンタリーの要素も含みながら、ただそれは完全なドキュメンタリーではなくて、立ち位置は美術でいきたいと思っているんです。


GALLERY NATSUKA http://www.ginza.co.jp/natsuka/

・・・立ち位置は版画?

 版画は社会と繋がっていくと思っていますから。もし油絵で 「移動計画」 を平面に置き換えたならば、美術として完結してしまってその先には進めないのではないかと。
元々版画の出自は、浮世絵というプロマイドや、黒本とか黄表紙という出版物など、常に時代を反映して社会と繋がったメディアです。
ですからこの作品に関しても、自分にとって現実とアートの部分で行きつ戻りつ、繋がっていくのではないかと思っています。

・・・なるほど。私はてっきり工事中なのかと思いました。

 工事中といえば工事中であり、アトリエであり、ギャラリーであり、木工所であり、自分が背負っている全部を出していますから、ある意味、私小説な部分もあるんです。

・・・展覧会というと、壁に飾ってある作品を見るものだと、自分で思いこんでいる場合が多いので、逆に全く違うものが展示されていると、違う見方が出来るのが面白いですね。

 今回二箇所で同時開催なんですが、第一生命南ギャラリーの方は版画展なんです。ですから二箇所で対比させている部分があって、GALLERY NATSUKAは、現実とアートのせめぎ合いで、第一生命南ギャラリーは、アートとしての展示になっています。ある意味自分の中で行きつ戻りつ試している部分がありますね。

・・・そういえば作り手の背負っている現実が垣間見れるという機会が、今まで希薄だったような気がしますね。

 ある意味年をとってくると、自分の背負ったものとか、置かれた立場とか、やはり考えてくるようになって・・・二年前にタイに留学したんですが、アートだけではなくて、現実に強烈なものがいっぱいあったので、観念的なイメージが凌駕されていったのです。
  ですから日本に帰って来た時に、アートだけの展開よりも、自分の置かれた状況の方を強烈に意識せざるを得ない事がいっぱいありましたから、その方が強くなってきて、それが平面に出て来たのは、僕の中では自然な行為だったんです。

・・・出て来て当たり前だと思うんですけどね。

 他の人はわかりませんが、自分の場合は押さえられないというか。出さざるを得ないし、逆に立ち退きの問題で、場所がないから取り敢えずこれを作らないと始まらない。これを手がかりに現実の生活で、次に向かわなくてはいけない場所を模索する手がかりの一歩にしたいというのが、切実な願いなんです。

どうもありがとうございました。

 この展覧会は 「移動計画」 というので、会期の終わる2月10日まで、何処に着地出来るかわからないそうです。住む場所が決まればそこに移動していく事も考慮にいれなければならないようなんです。
 何処に行くのか、興味がありますので、随時写真を撮りながら、展覧会が終わった時点で高浜さんとランチでも食べながら、お話を聞かせて頂こうと思っています。

 そういえば、去年木村リン太郎さん (http://gaden.jp/info/2004a/040703/0703.htm) のいわれた 「社会とのヒリヒリするような接点からしか芸術は生まれないよ」 という言葉を思い出しました。

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