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RICA BANDOのニューヨークリポート (Vol.41)

NEW YORK report from RICA BANDO - - - - - Thu, 23 Jan 2005

 ニューヨーク、今週は氷点下の気温がめずらしく続いています。
記事を書いているこの週末はブリザード、15インチ積もるそうです。
昨年11月に再オープンしたMOMA、
今回は2回目のカメラ持参、1回目はじっくり観るつもりでカメラを持参しませんでした。
出かけた水曜日も風邪が強くて極寒、そのうえ朝早い時間だったので人が少ないかな、と思ったのは大間違い、それなりに混んでいました。

 新しいMOMAの建築家は、谷口吉生氏、彼の仕事を紹介する展覧会は、1月31日まで。
タイトルは、Yoshio Taniguchi: Nine Museums  

 元MOMAディレクターの友人が、11月のオープニングに出席した時に聞いた話。
谷口吉生氏は、予算をたっぷりくれたら beautiful な建築を造ってあげる、
それよりもっと沢山予算をくれたら、(建物が) disappear するものを造ってあげる、とMOMAに言ったのだそう。
又聞きなのでどのような言葉を使ったのか明確ではありませんが、invisible 建築。。。MOMAはどこまでお金を出したのか?

 もう既に建築雑誌や美術雑誌で紹介されているだろうから、いまさら私が記事にしなくても良いとは思うのですが、そこを検証する記事にしてみましょう。

 彫刻庭園を見張らすエントランスホール、パリのメトロの入り口の飾り門が無くなって生粋の彫刻庭園となりました。
マチスのリリーフブロンズ彫刻は3階室内ヘ移動となっています。
ロダンも室内ヘ、Welcome 彫刻となっていて、さすがMOMAと唸らせる展示です。


Look out The Sculpture garden

 MOMAは、何度も行っているので常設展示の作品はお馴染み、特別展でもないかぎり、ミッドタウンに出掛けた時にカフェでランチをとるのに寄るくらい。
せっかく入ったのだからと見たい作品だけサラッと観て出てしまいます。
これが出来るのはAAMのカードを持っていて、列に並んで待たずに入場料無料で入れるからですけれど。
以前にも紹介したと思いますが、メンバーになるとアメリカ全土、殆どの美術館、博物館等が同伴者も含めて無料となります。
アメリカ滞在の長い人はメンバーになっておく事をお勧めします。
American association of Museums
http://www.aam-us.org/index.cfm

 MOMAの入場料は特別高くて、20ドルになったと新聞に出ていました。
他の美術館もこれに見習って高くなるかもしれない、というような記事でした。
メトロポリタン美術館、一応建前は寄付ですが、suggestion price 表示があって殆ど強制、かなり心臓が強くないと25セントで入れなくなりました。
ここアメリカも文化は高くなりました。

 ヘリコプターが飾られた階段を上って第一展示室。
モネの睡蓮と Barlett Newman "Broken Obelisk 1963-69" の部屋、これだけの重量の彫刻を2階に置くには、どのような建築構造になっているのか? と気になります。
以前のモネの部屋は暗くてじゅうたんのような物が壁にも張られていてじめじめした感じでしたが、これですっきりはっきり色彩がうねるように感じられます。


2nd floor

2nd floor Barlett Newman "Broken Obelisk 1963-69"

Look up from 2nd floor

 この吹き抜けの部屋から見上げる渡り廊下、これがこの建築の強いアクセントになっていて、各階で色々な風景を見せてくれます。

Look down 2nd floor to 1st floor

2階奥、ギフトショップ側から観た1階受付風景。

Martin Puryear "Untitled 1997"

2階、プリントのセクションを出たところにある、Martin Puryear の部屋。
ここは古いMOMAに、壁面がガラス張りになっただけで、殆ど変わらないままであったな、という印象のある部屋です。

Gary Hill "In as much as It is Always Already Taking Place 1990"

カフェに入る通路の壁面をくり抜いて展示されています。
今回、一番印象に残った作品、"I can't sleep." と繰り返し唸るような音声があります。
肉体の細切れで、眠れない夜の切実さがヒシヒシと伝わってきます。
この作品はPS1で観たような記憶が。。。

at 2nd floor, Cafe 2

さて、少し早いけれど混みだす前にランチ。
私たちは2階のカフェへ、その他に5階にもカフェがあり、地上階にはレストランThe Modernがあります。
以前のアメリカンフードのカフェとは、味が格段に違います、ここはイタリアンに変身しました。
今回はトスカーナ風ウズラ豆スープ、ガーリックブレッド付き、旦那は生ハムのパンニーニ、ローストビーツにリコッタチーズは、二人でシェア。しめて21ドル73セント。
今回、ワインは頼みませんでしたが、ワインも悪くないです。
前回頼んだスープには特別な油で揚げたらしいマッツォが付いて来て、非常に美味しかった。
ローストビーツは、私の大好物。日本人で好きな人が居ないのは試した事が無いからだと思う。
ビーツのピクルスで皆、懲りてしまうのかもしれない、まあ騙されたと思ってお試しあれ。

 3rd floor, a elevator hall

 ここは3階のエレベーターホール、これだけ混んでいるのにいつも誰も居ないのです。
奥まったとこにあるので、皆、気が付かないのかもしれないけれど、こんな風な空間のポケットがあるのがとても不思議な感じ。
絵を飾る訳でもなく、椅子だけ置いてあります。
ぼーと外を眺めて休むのに丁度良いですけど。
これは建築家の意図なのか?構造上で出来たたまたまの空間なのか?
窓も建築家の手が入っていない、という感じ。


Stair case of Matisse

Melton Avery " Sea Grasses and Blue sea 1958"

 ここもまた不思議な空間。
下から見上げて、マチスの大作を飾るにはちょっと苦しいかな? と思ってしまいますが、階上に行って反対側から眺めるとまあ、許せるかな。。。という空間。
この部屋、画像右側には、私がMOMAの所蔵作品の内で一番好きな作品、Melton Avery の " Sea Grasses and Blue sea 1958" があります。
改装前はエントランスホール、コートチェックのところに飾ってありました。
この作品には良い部屋を貰ったようで私も嬉しいです。

from the stair case

階段から眺めた渡り廊下。
非常に心弾かれる風景です。この風景の為に造った階段ですね。
6th floor as top floor

4〜5階は飛ばして最上階の6階。
ガードがなんと4人。渡り廊下からの撮影を禁止する為に居ます。
多分カメラを階下に落とした人が居るのだと思います。
ここは巨大な特別展の部屋がありますが、今回は展示替えのため閉室。
渡り廊下の向こうには空中に浮かんだようなホールがあり、ベーコンのトリプレットの傑作が展示されています。
ここにもガードがいて、がっちりと監視しているので撮影を諦めました。

 


6th floor elevator hall

6階ギフトショップの辺り。

Look out view from 6th floor

ギフトショップの窓から外の風景。
雪が降りはじめて、綺麗なコントラストを見せてくれます。

如何でしたか? 画像を楽しんで頂けたでしょうか?
建築は器、人々の姿が非常に美しく見える建築なのではないか、というのが私の感想です。
それが、建物が消えるという事なのではないかと私は思います。
きっとMOMAは十分な支払いをしたのでしょうね。

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(c) Photo - Report. RICA BANDO , gaden

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RICA BANDO
1984年よりニューヨーク在住。その間、ニューヨークでのグループ展など多岐に渡る活躍。
作品はハンタードン美術館をはじめ多数コレクションされている。
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