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RICA BANDOのニューヨークリポート (Vol.44)

NEW YORK report from RICA BANDO - - - - - Sat, 9 Apr 2005

 リトルボーイ 爆発する日本のサブカルチャーアート、 
村上隆氏キュレーションによる展覧会が今日から始ります。
プレスレビューは4月6日、アーティストと関係者が揃って、村上隆氏の挨拶がありました。

Japan society Gallery
333 East 47th street
New York NY 10017
212-832-1155
http://info.japansociety.org/site/PageServer?pagename=ac_cooljapan

悪天候女の友人、4月1日に一年半振りにニューヨークへ2日間の嵐を連れて到着、お陰でニュージャージー州では大洪水。
超有名アーティスト村上氏の挨拶をぜひ聞きたいとせがまれて、仕方ないなあ、と連れて行く事になりました。

 ジャパン・ソサエティ・ビル全体を覆う村上氏の作品、Eco Eco Rangers Earth Force, 2005
版権に関してかなり厳しそうなので、悪天候女にモデルをしてもらいました。
全体が見えなくて申し訳ありません。会場内も撮影禁止です。

 昨年12月8日に豪華なワイン付き2段お弁当のランチでもてなされたプレゼンテーションがあり、こちらにも出席しました。プレゼンテーションが早くからあったので、もうすでにニューヨークタイムス日曜版、ニューヨークタイムスマガジンに村上氏とその会社に関しての記事や、展覧会と同時にニューヨークで展示されるパブリックアートの記事等がでています。
しかしこれらの記事は、どちらかと言えば批判的な匂いが漂う、展覧会の意義を理解しがたいというもの。

 今日のニューヨークタイムス金曜日版、アートレビューでは、Roberta Smith氏が書いています。
こちらはさすがに一級アートクリティック、展覧会を解りやすく説明しています。 http://www.nytimes.com/2005/04/08/arts/design/08smit.html?

会場風景 村上隆氏、Japan Society 企画者 Alexandora Munro氏
Public Art Found 企画者 Tom Eccles氏

 私もプレゼンテーションに出席した後は、この記事を書かなくてはならない事にかなり苦しみました。
原子爆弾のトラウマ云々、オタク等と日本のネオポップアートがどう絡むの?
そのうえ、同時に開催される日本の演劇、 COOL JAPAN : OTAKU TAKES OVER! というタイトルにかなりのショックを受けたのです。
12月から4か月間、いったい今の日本て何なのだろう? と考え続け、悪夢にうなされた一夜もありました。
20年日本外に住んでいれば、知らない事が山ほど、未知の国になってしまうのは日本の変わり様が早すぎるから。
それにしても私は日本人だし、たまには日本へ帰るし、日本の雑誌だって読む、特に文藝春秋は読んでる、と自負していても、この理解できないということは何なのだろう! と。。。

 まず、10数年前に ”オタク” って何? と放送作家のインテリジェンスな義兄に聞きましたら、
漫画やビデオ等、自分の好きな事に狂信していて、その世界に嵌ってしまった若者、他人との距離を測れなくなってしまった為に彼等は、人を呼びかける時に ”あなた” ではなく ”オタク” と言う言葉を使うので、反対に ”オタク” と呼ばれる ようになった、とのことでした。
その他人とのコミニュケーションの出来ない ”オタク” が、自己顕示欲の塊と表現してもおかしくないアーティストとどのような関連を持つのか?
しかし、よくよく考えれば、大抵の日本人は外国で起こっている事件、戦争には無関心で、ユダヤ人がどこの国の人かも知らない、現在日本政府が自衛隊を送っている国を間違ってイランと書く人も居る、そういう意味で言ったら、日本人全体像は、”オタク” かもしれない、そのうち日本は、憲法を一文字も変えずに新しい解釈として、軍隊を外国に送る事が出来る不思議な ”オタク” 国なのだから、老人力という言葉のように、日本力という言葉が出来て、クールジャパン! と外国に賞賛される日が来るかもしれない云々、とかなり皮肉な考えに落ち込んでしまいました。

 そうしたら、村上氏、外国人には日本のオタク等アングラな部分は理解しがたいだろう、彼自身でさえ解らないから、これからも考え続けるだろう、と言っていたので私も安堵したわけです。

 彼の展覧会の趣旨を私の言葉で表現すると、戦勝国の英米のポップアートと敗戦国日本のポップアートと言われるアートは、根本的に違うところから発祥して いると考える。敗戦国、唯一の原子爆弾投下国である日本は、アメリカの51州目の州と揶揄されるような屈辱的なアメリカの庇護下に、物質的な豊かさを手に入れたが、そのトラウマが、カワイイ、ユルイ、オタクというようなサブカルチャーを産み出していて、それは夢想平和の世界であるということ。それを外国の若い世代は日本はクール! と賛美している。
今一度この展覧会で平和とは何なのか? と世界の人々に考えてもらえればと思っている、ということです。

 そう言われると、こちらは文句の一つもでない。
私でさえこの4か月間、何かにつけこの展覧会のことを、日本の事を考えたのですから、彼の希望どうりになった訳です。

Artists Artists Artists and Kaiyod Manufactures: Mr. Yuki Oshima

 会場で有限会社カイカイキキのマネージャーの中川正美さんと田村裕子さん、アーティストのタカノ綾さん、悪天候女にこれは何? と聞かれて、全く知らなくて困った ”ユルキャラ” の説明を詳しくしてくれました。
そのうえ、”オタク” という言葉については、10数年前は、本当に病的な人々を指して ”オタク” といっていたが、年月が経つにつれ、意味が薄められ、ちょっと趣味に凝った人の事も ”オタク” 、”オタク的” と呼ぶようになっているのですよ、とも教えてくれました。ああ、そういうことね、と納得。

 帰りがけに、”おたくのおみやげ” というパッケージを手渡されました。
Kaiyod Manufactures : Mr. Yuki Oshima の組み立て人形が3種類入っていました。
悪天候女は、私はこんな物はいらない! とすげなく私に手渡すので仕方なく、パッケージ2箱持ち帰りました。
10歳の娘に見せると、テレビのキスシーンや下着の広告にも究極の恥じらいを見せる年頃なので、敏感に何か感じたらしく、いらない! とそっぽをむかれました。
そこで、かわいい物好きのアメリカ人女性の友人に見せたら、パッケージもかわいい! 人形もかわいい! としごく気に入った様子だったので、これは日本の成人男性がコレクトする物なのだと説明したら、それって Pedophilia? それは違法よ! 犯罪よ! 日本には Pedophilia を取り締まる法律って無いの? と目を丸くしました。展覧会の概要を説明したのですが、その展覧会の記事を書くなんて、あなた皆に嫌われるわよ! と言われてしまいましたが、パッケージを私に返さずに持ち帰ったので、これが典型的なアメリカ人の反応かな、とも思いました。
制作の動機には嫌悪感を持っても、実物の日本製品の魅力にはかなわない。。。

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(c) Photo - Report. RICA BANDO , gaden

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RICA BANDO
1984年よりニューヨーク在住。その間、ニューヨークでのグループ展など多岐に渡る活躍。
作品はハンタードン美術館をはじめ多数コレクションされている。
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