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石山直司のフィンランド リポート (Vol.4)
Finland report from NAOJI ISHIYAMA - - - Sun, 14 Aug 2005
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 行ってまいりました、一年半ぶりの日本。

 そう、前回お伝えした万博のプロジェクトを追行するためです。万博での活動の結果とその後の展開に着いてはこちらでのんびりとお伝えしますので、時々覗いてやって下さい。

 http://www.kolumbus.fi/naoji/expo/index.html 中部フィンランド11人のアーティスト

 ところで、もしこれから万博に行く予定の方は北欧共同館にもぜひお立ち寄り下さい。北欧の普通の人々の日常生活を小物の展示と液晶をつかったビデオで紹介する展示が良いです。
大型液晶を使った展示は他のパビリオンでも目に付きましたが、北欧共同館では地味だけど人間を伝えるために技術を使っているという印象を受けました。これが正しい技術の使い方だと思うのですが、どうでしょう。
 ちょっとひいき目で語っているでしょうか。うん、たぶん。
 なにせあまり時間が無くて比較的すいているパビリオンを2,3覗いただけなので。人気パビリオンではきっとすばらしいアトラクションが行われていたことでしょう。でももし時間が余ったりちょっと疲れたりしたら北欧共同館、お薦めです。

 さて、今回は京都の話。

 日本での最初の一週間を四国の実家と親戚巡りで費やした後、最初に訪れたのは京都在住のフィンランド人版画家トゥーラ・モイラネンさんです。

 彼女は私が現在仕事をしている工房でかつて制作していたことがあり、工房の仲間から話だけはいろいろと聞いていたのですが、直接お会いするのは今回が初めてでした。日本でフィンランド人に会うこと自体初めてだったので少し妙な感じでしたが、トゥーラさんご本人は気さくで気持ちのいい方で、京都の町にもごく自然に馴染んで見えました。というよりもほとんど日本人。なにせ彼女は京都精華大学に研究生として在籍したあと日本にもうかれこれ18年在住という人で、日本語もペラペラです。

 もともと京都とフィンランドは伝統木版を通した交流が頻繁に行われていたのですが、トゥーラさんは紙作り、木版、そして日本語を自由に扱って作品を作っています。
(彼女の作品はここ、http://www.tuulamoilanen.net/index.htm もちろん日本語対応)

 彼女の住んでいるのは哲学の道の近くにある、なんだかなつかしくなってしまうような古いアパートで、一世帯分を居住用、もう一世帯分を自分の制作用のアトリエと版画教室として使用しています。アパートに住む住人は現在彼女だけなので、大家さんと交渉して他の空いている部屋をゲストルームに使っているのだそうです。今までにもたくさんのフィンランド人が彼女のアパートを拠点に京都に滞在して行ったそうです。

 そんな彼女に最初に案内されたのが京都芸術文化センター。

 日本人作家による、詞を使ったインスタレーションなど、さすが京都だけあって(?)日本の文化に取り組んだ意欲的な現代美術の展示が行われていました。その時の展示がたまたまそうだったのかもしれませんが、日本人による作品なのに、まるで外国人が日本の文化をテーマにしている作品に似ている印象を受けたのは興味深いことです。

 次に伺ったのが美術書専門の古書店、山崎書店(http://www.artbooks.jp/)。

 外観はごく普通の建売住宅なのですが、一階のすべての壁を取り払った店舗には膨大な、そしてマニアックな蔵書の山。2階の展示スペース(その名も「京都パラダイス」)で行われていた、トゥーラさんも参加していた「第2回手作りアートブック展」の最終日ということで、打ち上げに飛び入り参加してきました。

 いわゆる専門家による展覧会ではないようでしたが、アートブックってなんだろうという参加者の強い興味と、店主の美術本に対する博識と情熱、が一体となって何か面白いことやってやろうというエネルギーがひしひしと伝わってくる打ち上げでした。こんなところから新しい物事や動きが芽吹いていくのだろうなと強く感じました。

 京都を出た後は東京、名古屋とまわって友人達と毎晩飲んで過ごしました。日本に帰ってみると何もかもが新鮮に見えるだろうなと思っての帰郷でしたが、帰ってみるとたいして変わっておらず、街の表示に韓国語表記が増えたのが目に付いたぐらい。あとは人の多さかな。とにかくどこに行っても人口密度が高い。でも人が多いゆえのエネルギーは確かに感じたのでした。なんといってもそれが日本の強い点なのではないでしょうか。いや、日本はすごいよ、やっぱり。

 それにしても・・・自分の生まれ育った日本という国に、自分の関わりのある人達がいる、そんな当たり前のことを再確認することが今フィンランドに住んでいる自分をこんなにもリラックスさせるものだとは思いませんでした・・・それが個人的には一番の収穫だったようです。

<おまけ>

 最近、といってもまだここ2週間ほどですが、実はキセルを楽しんでいるのです。
 そもそも日頃お世話になっている美術館学芸員のユッカ・パルタネンさんへの日本土産を捜していたところ、東急ハンズで小粋キセルというのを見つけたのです。金属製の簡単なつくりのものでしたが、実際に使える本物ということでユッカさんに一本、ついでに自分用にも一本買ってきたのです。単純に眺めて楽しむつもりで買ったのですが、数週間前ふと思い立って使ってみたのです。最初はどう使うものか全然分からなかったのですが、今はインターネットという便利なもののある世の中。いろいろ調べるうちにどうにか使えるようになって来ました。葉っぱは紙巻タバコをほぐして使っているのですが、それでもなかなか良いものです。なにより紙の味がしないのがいい。
葉を詰めたり掃除したりと手間がかかるのですが、休日にのんびりやる分にはそれもまた良し、なんてね。飽きっぽい性格なのでいつまで続くかはわかりませんが、今のところは十分楽しんでいます。
それではまた。

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フィンランドの美術関連のウェブサイトを紹介するリンクページ
TAITEEN PORTTI http://www2.odn.ne.jp/~ceq83450/taiteenportti/index.html

石山直司 関連情報 2005.3 2003.7 2001.10 インタビュー 2005.5
作家HP http://www2.odn.ne.jp/~ceq83450/index.htm
gaden 作家紹介 http://www.gaden.jp/arts/ishiyama.html

(c) Photo - Report. NAOJI ISHIYAMA , gaden

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