|
「和解」 をテーマにしたマコト・フジムラ氏の公開制作を中心に女優、和泉ちぬさんの朗読、サウンド・アーティストmamoru氏の演奏など3名のアーティストが繰り広げる即興芸術表現。 パフォーマンス・アートを直前に控えたマコト・フジムラ氏にお話を聞きました。 ・・・オープニングアクトは、かりんさんのお琴、そして4枚の紙が運び込まれ、和泉ちぬさんの朗読、同時にmamoru氏の演奏がはじまり、フジムラさんの制作が開始されるそうですね。テーマは 「和解」 ですか。
今とても興味のあるテーマなんです。今回は私を含む。3名のコラボレーションになるのですが、コラボレーションは一人ではできない世界を追及していく形ですよね。 ・・・確か今年の春にニューヨークでコラボレーションをされたとお聞きしましたが。 5月にニューヨークの The Kitchen で 「シャングル・ラ」 というモダーンオペラのコラボレーションをしました。視覚芸術においては刺激が必要だと思いますし、そこから生まれてくる新しい可能性をすごく大切に思ってるんです。 ・・・コラボレーションという言葉をお聞きして、仏教の 「縁」 というか 「依他起性」 という言葉を思い出しました。難しいことはわかりませんが 「依他起性」 とは、私という存在も、そこに展開する認識も、多くの条件の出会いによって関係している。その関係性のなかから自分を認識していくし、それは人と人の関係だけでなく、植物や動物、大気や地殻など自然と人との関係性にも繋がっていく。今回のテーマである 「和解」 も、ある意味関係性の崩壊を修復することが念頭にあるような気がしたんです。 人間のあり方をクリエーティブに創造するということは、汚染にも繋がれば改善にも繋がるわけですよね。そこにはすごく大きなテーマがあってイマジネーションという力がある。でも、例えばアメリカであれば、和解というものから離れてどんどん成長している。僕にとって日本の文化は、そのなかに自然に和解というものがあるような気がしてならないんです。
・・・フジムラさんは日本画を描かれているけれど、日本画というのは、水と膠と絵具を使って描くもの。技法は、洗練されれば使いこなせていくかもしれないけれども、それには長い時間をかけた経験値が必要になってくるだろうし、たとえ経験値を積んだとしても、水と膠、絵具を含めて自然が相手だから、予定調和は難しい。 受け入れる。それがひとつの和解へと繋がっている部分でしょうね。 ・・・そして身体感を伴った画面との関わり方においても、水のように曇りがなく澄んでいる状態で、画面に向っていかないと描けないのではないかと思うんです。 そうだと思います。そこのプロセスのなかで描いていると、不思議な何か・・・歴史の流れや自然と人間との関係というものを感じますよね。つい最近エッセイに書いたんですけど、アートというのは農業でもあり、都市でもある。両方なんです。 ・・・コラボレーションがパフォーマンスという場を生むのか。場がパフォーマンスを生むのか。とても関連性があるのだと思うのですが、人生も一回性のものだから、二度と繰り返せない。それを考えれば、人生もパフォーマンスみたいなものですよね(笑)。
そう思います。パフォーマンスといいますと、表面的に聞こえる言葉なんですけど。そういう本質をつかむ。いい役者というのはそれを理解しているんです。創る世界だから、偽りではなくて、本当の姿を現すんだと。それが劇というひとつのアートの素晴らしいところなんです。二度とできないことでしょ。 ・・・でも緊張されるんじゃないですか。 僕は面白いことにアトリエのなかで描いているのと、こういう場で描いているのと、あまり違わないんですよ。それを発見したのもこういうコラボレーションの実験を海外で何回かやったからだと思います。 ・・・なるほど。
描くという行為は僕にとって、アトリエにいてももちろん戦いはあるわけで、例えば、他の人の目を気にしたり
「誰かがこう言ったからこうやってる」 というようなそういう戦いなんです。かえって開き直って、もちろん人が見ているわけですけど、しれはコントロールできないですからね。あまり心理的には違わないんですよ。 ・・・音楽は耳元を流れ。絵画は永遠か一瞬を瞼に焼き付け、それに人の口から発する朗読という言葉。音楽も絵画も言葉も、すべてが多義的で原初の部分ではまったく同じものではないかと思います。 ひとつ感じたことは 「和解」 というものは時間の問題なんです。この時代というのは時間をできるだけ短くしようとしている。最近は芸術もできるだけ早く20秒でわかるようにしたり、マスコミもそうでしょ。でもこの 「和解」 の作業というのは時間を延ばす作業なんです。時間を引っ張って伸ばしていく。そうすると何かこうスローダウンする。そのなかに永遠性があってそれを僕たちは必要としている。それが自分なりに感じたことなんですよ。 ・・・開演前のお忙しいなかありがとうございました。 |
gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network