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「ウニのかくれんぼ ダイナミック・フルイド」展 児玉幸子の磁性流体アートプロジェクト 2005. 12/3 - 17
  http://www.kodama.hc.uec.ac.jp/index-j.html / http://www.jsf.or.jp/event1203.html

  科学技術館 2階 東京都千代田区北の丸公園2-1 TEL 03-3212-2440 http://www.jsf.or.jp/


「脈動する――溶ける時間、散る時間」 Pulsate --- Melting Time, Dissolving Time 2004

【第5回文化庁メディア芸術祭インタラクティブ部門大賞に輝いた児玉幸子+竹野美奈子の 「突き出す、流れる」 をはじめ、海外でも多くの話題を集めた磁性流体アートを、これまで一般には未公開の作品を中心に、白い部屋のインスタレーション 「脈動する」、磁性流体をウニに見立てた 「波と海胆」、新作 「モルフォタワー」 など、複数のインタラクティブアートと映像でプロジェクトの全貌を紹介する初の試みです】

・・・プレス用の資料を拝見していて 「磁性流体アート」 の文字に目がとまり、聞き慣れない言葉に興味を持ちました。磁性流体というのは、
「磁性体の微粒子を水溶性あるいは、油性の溶液の中に拡散させ、溶液の状態でも強磁性を保つようにした黒色の液体」
と資料に書かれていましたが、このタイルの容器の中に入っているのが磁性流体なんですか。

 ええ。指を近づけると海胆 (ウニ) が集まってくるんです。

・・・何故、指を近づけると海胆が出て来るのか。よくわからないので少し御説明して頂けますでしょうか。

 原理はあまり説明してはいないのですが、少しだけ説明しますと、ものすごく細かい鉄の微粒子が液体の中に均一に溶かし込んであって、鉄は磁石に反応するじゃないですか、液体でありながら磁石に反応する性質が保たれていて・・・砂鉄はトゲトゲしていますでしょ。
砂鉄が液体になったような感じだと思って頂ければわかりやすいと思います。そこに磁場がかかるとピョコっと砂鉄が飛び出す。それをコンピューターで解析しながら動かしています。ただこれを説明すると種明かしをしているような気分になるんです。
私の作品は 「アート&サイエンス」 とか、「アート・テクノロジー」 とかよく言われるんですけれども、アートの文脈で表現しているつもりです。

・・・私は美術はカオスの中から、それぞれの文脈に於いて形を表出させるものだと思っているんです。ですからプレスの資料で 「脈動する-溶ける時間、散る時間」 「呼吸するカオス」 などの作品を拝見してとても興味を覚えました。
美術家が絵具や筆を使って表現するのも、児玉さんがコンピューターや磁石を使って表現するのも、手法として同じことだと思いますね。ところでこの器は竹野美奈子さんが作られたものなんですか。

 竹野さんと私はコラボレーションをしながら制作しています。彼女は今、焼物に関心を持っているんです。

・・・「コラボレーション」 という言葉で思い出したのですが、先日、日本画家のマコトフジムラさんにインタビュー(http://www.gaden.jp/info/2005/051207/1207.htm)をしたときに、日本画は、紙を作る人、筆を作る人、絵具を作る人そして描き手のコラボレーションであると話されていた。
その後に多摩美術大学の渡辺達正先生にお話をお聞きしたとき(http://kgs-tokyo.jp/interview/2005/051212a/051212a.htm)も道具について同じようなことを話されていました。私は、今まで表現者を主として考えていたものですから、目から鱗でした。それを聞いてから、いろいろな関係性の中で作品は創り上げられていくものだと思いはじめたんです。
でも何故このような作品を創ろうと思われたのですか?

 「磁性流体アート」 をはじめたのは2000年からなんです。私は元々筑波大学で芸術学を勉強していたんですけれど、就職先は理工系の大学でした。
以前はコンピューター・グラフィックスやホログラフィーなど、バーチャルの世界の映像や作品を創っていましたが、コンピューターやいろいろなテクノロジーを使うと、素材がいろいろな表情を見せることは予想ができていたので、理工系の環境を駆使しながら制作してきたのです。
そしてこの液体を見たときに物質の持つリアリティに引き込まれたんです。素材の持つ力は強く。表面の質感やその密度に圧倒的なパワーを感じました。コンピューターを使って、今までに見たこともないような素材感が表出するようなものを創りたい。端的に言えばマテリアルに目を開かされたというか・・・。

・・・質感は、見たり触ったり、五感で感じるものだからでしょうね。

 肉体は大事だと思います。
生々しい液体の感じは、ある意味エロティック。そういう部分は身体で感じるものだと思っています。

・・・身体性というのは、メトロノームを心臓の鼓動と同じ間隔で動かし、音に反応して液体が動く 「脈動する」 という作品にも、液体が螺旋状に昇っていく新作の 「モルフォタワー」 の作品にも通底していますね。そういえば遺伝子も螺旋だし、身体の構造も螺旋を描いているそうですね。

 螺旋は重要な形です。それに螺旋形でないと上まで昇らないんですよ。

・・・不思議ですね。

 「モルフォタワー」 は、表面が流動するような感じにしていますが、液体が上に昇る前に上下に6回呼吸をして昇りはじめます。ご覧になっている方達は 「何か」 が起きるんじゃないかと思ってボーッと見ていますね。触りたくなる感じがあるみたいですよ。

・・・液体が呼吸をしているのが面白い。

 人が呼吸しているような感じを思い起こすように動かしています。オーガニックな形というか、有機的なものに見えるように設計しているんです。

・・・これからはどのような展開を考えておられますか。

 来年はグループ展がいくつかありますので、がんばりたいと思っています。アート系の方達にもサイエンス系の方達にも両方から関心を持ってもらえると嬉しいですね。そのバランスをとりながら取り組みたいと思っています。

ありがとうございました。

児玉幸子 Sachiko Kodama's Home Page http://www.kodama.hc.uec.ac.jp/index-j.html

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