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石内都 mother's 2006年9月23日-11月5日

  東京都写真美術館 2階展示室 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
  TEL 03-3280-0099
  休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
  料金 : 一般 700 (560) 円 / 学生 600 (480) 円 / 中高生・65歳以上 500 (400) 円
  http://www.syabi.com/

 9月23日から石内都 「mother's」 展が東京都写真美術館で開催されています。

 今展は、2005年第51回ヴェネティアビエンナーレ日本館で開催された展覧会をもとに、【写真作品40点(未発表の作品を含む)、映像作品3点】 mother's の完全版として構成されています。

 以下は、9月22日に行われたプレスインタビューを編集致しました。

・・・まずヴェネティアビエンナーレについて。

石内: コミッショナーの笠原さんと私は、やれることを全部やり切ったという思いがありましたので、とても楽しめましたし、面白かったです。またヴェネティアは世界における日本の美術のあり方 (状況や環境) が明快に見えた場所でもありました。
今展は母へのオマージュという側面があり、パンフレットに、「母と娘の葛藤」 が英語とイタリア語で紹介されているので、日本館に入ってこられる方達は皆それを踏まえた上でじっと見入ってくれていました。
ただ私自身 「母と娘の葛藤」 という言葉が、なんとなく陳腐な気がして、あまり好きではないのですが、現実には、私と母はあまりうまくいってなかったのも事実です。そういう目線で、ヴェネティアでの反応を見ますと、世界共通として、娘と母親というのは、非常に問題があるのだなということがわかりました。
ただ私の母はとてもシャイな人でしたので、母の遺品である下着や口紅を展示することにはじめは胸が痛みました。でも5カ月という時間 (展示) を経ることで、段々ともの達が写真として自立し、写真としての意味が出てきたように思います。
ですから、今回の展示は完全版であり、これ以上作品数を増やすことはありません。これで打ち止めになります。遺品はまだたくさんあるのです。うんざりするほどたくさんあるんですが、それをすべて写真化するつもりはありませんし、「mother's」 は私にとって、一つのテーマであり、もうこれを超えて新しい作品に取り組みたいと思っています。

笠原: 20年近く使っていなかった床の大理石を復活させ、空間の持つ過去の歴史と現在の空気を未来につなげる展覧会を目指したつもりです。70カ国が参加しましたが、日本館は非常にオーソドックスで静かな展示でしたので、逆に目だったと思います。
ただヴェネティアは空間自体が主張していましたが、今回の展示はまったく逆です。ですから空間をどのように生かすかは、作者とともにかなり悩んだ点ではあります。今回は展示空間の奥に映像作品がありますが、ヴェネティアビエンナーレの時よりも、鮮明な映像になっていると思っています。
また私がコミッショナーをやったことで、無理矢理写真美術館の展示をしたと、思われる方もいるかと思いますが、今展は写真美術館の自主企画であり、私が現代美術館にいる時には決まっていたことをお話しておきます。

 質疑応答から気になった部分を抜粋します。

・・・mother's はこれで終わりということですが、それはお母様との葛藤を終えることができたと捉えてよろしいのでしょうか。

 そういう簡単なものではないですよね。写真は写真で私と母の葛藤はまた別のものです。確かにきっかけは当然ありますけれども、色んなきっかけの中の一つの要素でしかない。
ですから私と母が、何かを乗り越えたかといえば、それはないです。但しやはり時間が経つとわかることもあります。今までわかってないことが、「あ!そうだったかもしれないな」 と、少し母のことがわかったような気がしています。

・・・会場に音楽がずっと流れているのですが、映像についている音楽だと思うのですけれど、ひとつはヴェネティアでも同じように流されていたのかということと、会場で聞こえることを前提に考えているのかをお聞きしたいと思います。

 ヴェネティアでは、オープンスペースの白い壁に映像を映していましたので、当然全部聞こえていました。私は、はじめ映像には音楽はいらないものとして考えていましたけれど、「映像は音楽をいれないと飽きるよ」 というコミッショナーの要望がありまして、やむなく音楽をいれた次第です (笑)。
ただ元々撮影時に NHKFM のクラシック曲が流れていましたので、編集段階でも入っていました。実はそのまま持っていこうかなと思ったのですけれど、著作権の問題とかいろいろありましたので、著作権フリーのCDを買い (笑) そこからG線上のアリアを選びました。
ただヴェネティアと同じようにするつもりではなく、今回は敢えて聞こえるようにかなり意図的に音楽をいれています。でもこの音楽がお葬式にかかる音楽とは知りませんでした。本当に知らなかったんです。ヴェネティアでも皆しんみりして音楽を聴いているので 「なんだろう」 と思っていたんです。これは本当に偶然です。

 音楽をいれたのは空間を感じて欲しいからと石内さん。大小の作品が静かなリズムを刻んでいます。

 「ぴったりだったのこの曲が、だからやっぱりそういうことなのかもしれないですね」

 記者会見の最後の言葉が印象に残りました。

関連情報 2006.2 2005.5 2004.11

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