gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network

オサルスのおすすめランチ ランチdeチュ その161

バックナンバー(お店リスト)はこちら オサルスインタビューの一覧はこちら

ペル・ラ・サルーテ・ランチ 1250円

イタリアンレストラン・スベッキオ
新宿区大京町22-1 HAKUYOHビル1F TEL03-5369-2271

http://www.specchio-yotsuya.co.jp/

 

 今年で3周年を迎えるイタリアンレストラン・スベッキオは、四谷三丁目の交差点の直ぐ側。毎週水曜日限定でPer La Salute Lanch(ペル・ラ・サルーテ・ランチ) が食べられます。
ペル・ラ・サルーテとは、イタリア語で”健康のためのランチ”という意味。ただ健康といっても、ランチはボリューム満点です。ゴージャスな吹き抜けの開放的な雰囲気の中、かなりのグレードの高いランチを頂きました。
ご紹介者は、佐藤美術館の学芸員の立島惠さんです。
佐藤美術館の正式名称は、財団法人佐藤国際文化育英財団・佐藤美術館。
若い作家たちへの援助活動を行われている美術館です。

・・・佐藤美術館は90年に設立されたということですが、どういう形で設立されたのでしょうか。

 1990年にありました大阪・花の万博(国際花と緑の博覧会)に、「花と緑・日本画美術館」 というパビリオンがありまして、日本の美術界を代表する日本画家五十名による花や緑などの自然をテーマとした新作を展示致しました。それを機会にこれらの作品の保存と公開を目的に財団が設立されたんです。
ただそれだけでは美術館運営の特色が出ないので、花の万博に続くような作家を育成しようということを財団の寄附行為として盛り込みまして、ちょうど同じ時期に奨学金制度をはじめました。
プログラムは翌年からのスタートになります。ただプログラムは作ったんですが、はじめはファンドがあるだけでまだ何も決めていない状態で、どういう奨学金にするかも決まっていなかったんです。ですから自分たちで一から構築していきました。

・・・母体は企業ということですが、基本の基金といいますのは。

 ファンド自体は花博の企業のオーナーが出したものなんですが、応援してくれていますのはそのグループの関連企業ということです。

・・・ただ 「ファンドを設けその運用益を奨学金として給付している多くの財団は、長引く低金利によってかなり深刻な状況にある」 と新聞で読んだことがあります。また HP(http://homepage3.nifty.com/sato-museum/) を拝見すると寄付を受け付けておられますが、状況としてはかなり厳しいように思うのです。でも奨学金は、有利子の貸与制度ではないのがすごいですね。

 厳しいです、グループ企業などに応援してもらわないとなかなかできません。また奨学金制度については、貸与の場合回収するのに費用がかかります。ですから国でも民間でも奨学育英基金の動きとしては、審査を厳しくして返済をしなくてもいい方向も視野に入れているようです。

・・・イギリスやフランスなどは給与奨学金がほとんどと聞いたことがあります。でも日本は事情が違う。そういう意味のバックアップを国がしないというのは、おかしな話ですよね。

 そうですね。うちの美術館でも途中で厳しくなりまして、はじめは月額五万円出していたのですが、減額をするか。もしくは人数を減らしたいとその当時の監督官庁に話をしたことがあります。
当時は文部省の生涯学習局だったんですけれど、人数を減らすことは困るということでしたので、人数を減らさないで減額をしようということになり、月額三万円になったという経緯があります。第五期までが五万円で、今はもう十六期なりますけれども、六期からは三万円で返済無しということになりました。

・・・選ばれる基準は、全国の美術系大学より推薦された邦人学生と海外からの留学生ですね。もう作家として活躍されている方もおられるのではないでしょうか。

 大学側から推薦者を立ててきますが、十七人の募集に八十人以上応募して来ますので、最終的には当方の選考委員で選ばなければいけない状況なんです。でもおかげさまでVOCA展の大賞を受賞した作家もいますし、最近では日経日本画大賞を受賞した作家もおります。
学校側も優秀な人たちを推薦してくれていますし、逆に推薦枠に何人はいるか大学同士で競っているというか、意識しているようにも思います。また一期生が卒業してから十六年経ていますので、ネットワークが広がったといいますか。推薦された方たちは優秀な学生ですから、助手として大学に残り再度先生として学校に戻って来て、また奨学生を推薦してくれるようになってきています。やっとワンサイクルがついたので、最近では的確な人材が集まるようになってきたと思います。

 お待たせしました。ペル・ラ・サルーテ・ランチ(1250円)でございます。

 Antipasto(前菜)、Primo Piatto(主食)Caffeは2品より選べます。オサルスは静岡県三島より届いた新鮮な有機野菜を使ったサラダ、緑野菜をジェノベーゼペーストで和えたスパゲッティーニとコーヒーを(本日取り立てのカボチャ&パパイヤ&パイナップルのジュースを添え+パンが付きます)注文しました。ジェノベーゼペーストとは、イタリアのジェノバ地方の名物ソースのこと、新鮮なバジルを使わないとできない一品のようです。

 インゲンとプロッコリーとジャガイモのハーモニーの微妙な旋律は、何ともいえないまったりした食感を醸しだし、パンチの効いたニンニクとマッチして思わずボーノ。パンにもブラックオリーブとローズマリーが練りこんであり、このレストランの食に対するこだわりを感じました。

 立島さんが注文された。根菜と豚肉のラグソーススパゲッティーニは如何ですか?

 「根菜が入っているのですが、あまり強い繊維質な感じがしないので、柔らかくておしいですよ」

 本日取れ立てのカボチャ&パパイヤ&パイナップルのジュースもいい味を出しています。緑とオレンジの色合いがとてもきれい。
かなりお薦めのレストランですが、健康のためのランチは毎週水曜日限定ですので、曜日を確認してから行かれることをお薦めします。この日は予約は受け付けないそうです。

・・・ところで立島さんは、財団が設立された当初からいらしたのでしょうか。

 はじめから関わっておりました。その前は5年ぐらい別の美術館で仕事をしていたんです。はじめは学芸員になろうとは思っていなかったんですよ。学校の教師になりたくて美術教育を勉強していました。

・・・専攻は?

 芸術学科で現代美術をずっとやってました。

・・・現代美術なんですか。でも佐藤美術館で展示される作品は日本画が多いように思うのですが・・・。

 先ほどお話しましたように花博からの経緯がありますので、展示作品は平面全般を網羅していますけれども、日本画にウェイトがかかっているかもしれません。ただ平面をどう捉えるかの問題もありますしね。それに財団が設立された当時は、現代美術の作家が優遇されていたんです。
例えば国際交流基金もそうですし、アサヒの財団の助成金も現代美術でしたので、平面や絵画の助成金はすごく少なかったような印象がありました。ですからそちらに特化した奨学金でもいいのではないかという感じを持ったのです。
それにコレクションも日本画ですから、日本画にウェイトを置いて平面の作家をサポートするようなプログラムをそのときに組んでいるのです。あとは、問題点がいろいろ出たときに調整しながら、財団としてより良い方向に進むように考えてやって参りました。

・・・最近巷では、平面に回帰してきているようなイメージも受けますよね。

 僕もそれは感じます。時代が変わってもちゃんと描画する人たちはそんなに減らないんですよ。ですから大学側に聞いても、景気が悪くなったといっても日本画の受験者数が減ったという話はさほどないと言われていましたから、「描く表現者たち」 の人口は減ってはいないんだなという風には思いますけどね。

・・・逆に言えば今は作家人口が多すぎるので淘汰されないと、食べていくのは難しいように思いますが・・・。

 生活していけるインフラというのを作らなければいけないので、むしろ僕が描いている理想としては・・・誤解を恐れずにいうのならば、佐藤美術館で作家を育てて、画商が取り扱ってくれるようなシステムを構築し、そこから生まれた利益を財団に寄与してもらうような循環が生まれるといいかなと思っています。
奨学生展も今度で十六回目になりますが、来館者は一般の人も増えておりますけれども、画商は必ず見に来られます。それで何人かはスカウトされるのです。僕が知っている画商に声をかけられた場合は、紹介させて頂いていますし、作家のためになるような条件で、我々が間に入ることもあります。

・・・そうなんですか。

 若い画商さんで熱心な方も多いです。そういう方が増えてくるとありがたいですね。

・・・美術界も変わらないと今は閉塞感だけしか感じませんものね。

 ネットワークが大事ですから、美術館だけの個々の問題でもないし、画商だけの問題でもない。公立の場合はいろいろな問題が生ずるかもしれませんが、佐藤美術館は「私立」の財団なので公明正大であれば良いのではないでしょうか。

・・・美術館自体の入場者数はどうなんですか。以前会期中に千五百人ぐらい入場されると聞いたことがあるんですけれど。

 そのぐらいは入ります。2006年に開催した 「挿絵「海女(あま)の珠(たま)とり」 と大作で綴る岡村桂三郎の世界展は七千人近く入りました。この位入りますと、入館料やショップの売り上げも上がりますのでありがたいです。
ただ現在開催している 『ShinPA』 の前期は、評判も良かったのですが、来館者数は若干少なかったです。ただ会期の最後の方で産経新聞やNHKにも出ましたので問い合わせも多かったですね。ですから後期は入るのではないかと期待しています。それと一般のお客さんだけではなく、若い作家も多いですよ。自分たちよりも上の世代がどういうものを描いているか見に来るんでしょうね。

・・・立島さんもかなり展覧会は見ていらっしゃいますよね。サウンドの方まで見ていらっしゃるとは思いませんでした。

 これからの美術館は、多面的な運営をやらないといけないのではないかと思っています。ですから音楽にも目を向けなければなりません。一時期はラップを展示会場でしたこともあるんですよ。ラップは結構受けました(笑)。

・・・ラップとは凄い。

 とにかく必要なことは何でもやろうと思っています。美術館の向かいに小学校があるのですが、小学校の子どもたちとも年に三、四回コラボレーションをしています。
作家と子どもたちが似顔絵を描きあったり、ワークショップをしたりアーティストトークに来てもらったり、親御さんも含めて子どもたちに来館してもらいたいので、そういう努力はしていこうと思っています。逆に僕たちが、子どもたちの展覧会を学校に見に行くこともあるんですよ。地元に還元しなければ申し訳ないという気持ちがありますから。

・・・美術館の役割というのは、入場者を動員することも必要だと思いますが、展覧会をしたら終わりという部分があるように思います。人を育てるのはなかなか難しいと思いますけれども、展覧会という点を線につなげる作業をすることで、何か見えてくるようにも思うのですが・・・。

 僕たちのいる意味というのはそこだと思うんですよ。殆どの所は、奨学金制度があっても卒業した人たちのリサーチをしていない。それはとてももったいないことです。佐藤美術館は、手作りで運営している美術館だからそこの部分を大事にしたい。それをしないと僕たちのいる意味がないですから。
ですから奨学金のこととか、出してる期間よりもむしろその後を大事にしたいと思いますね。今までに奨学金を受給した方たちが三百人近くいますが、全ての人たちのファイルを作ってあって、DMから手紙まで全て入れてあります。他のところでは作っていませんから、問い合わせが来ることもあるんですよ。

・・・展覧会の資料はそのときでなければできませんものね。今日はどうもありがとうございました。

佐藤美術館 http://homepage3.nifty.com/sato-museum/

バックナンバー(お店リスト)はこちら オサルスインタビューの一覧はこちら

おすすめトップ RETURN

gaden presents
- g
allery / artist / dreamer / exhibition / network

© GA-DEN-IN-SUI-SYA