gaden presents - gallery / artist / dreamer / exhibition / network

公開制作40 大巻伸嗣 ECHO-white void 2007年12月1日 - 2008年3月2日

  府中市美術館 東京都府中市浅間町1-3 TEL 042-336-3371
  http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp

 謹賀新年 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 年初にご紹介するのは、大巻伸嗣さんの公開制作です。
大巻さんといえばたえず変化し続けているアーティスト。
今回はどんな作品なんでしょうか。

・・・え! 箱ですか? タイトルの white void の void には空間, 虚空, 真空, 空白状態という意味があるから、white void は白い空間という意味なのですか。

 ええ。白の空洞を作り出すことを作品にしています。内側を創っていく世界と外側を創っていく世界を今回展示しようと思っているんです。

・・・透明な箱に内側から白いペンキを振りかけて内側の世界を創っていくわけですか。では外側は?

 外側は限りなく表皮に近いギリギリの面が出来上がってくるわけじゃないですか。例えば皮の内側のような。外側はここでは見えませんが、外側の世界は表面を創っていこうと思っているので、人間をかたどってもいいのですが、椅子などの家具を透明な樹脂でかたどりして、その透明な樹脂の上に表面を描いて展示しようと思っています。

・・・そうするとこの箱状のものが置かれている公開展示室内部が内側の世界になり、パフォーマンス (この模様はビデオで常時見ることができます) をこの内部でやっていて、外側に展示する作品は、廊下の部分に展示するということですか。説明してもらうとわかるんですけど、聞かないと戸惑いますね。

 ほとんど毎日僕はいますので聞かれれば説明しますし、いない時は普及員の方が説明してくれると思います。でもまず何だろうと思ってもらうことから始まってもらいたいと、そして少しずつ疑問を持ってもらって最後に説明を受けてわかってもらえたらいいかなと、時間の経過といいますか、作品を体験するプロセスを大切にしたいと思っているんです。普通は制作して終わりになってしまうんですが、最後まで変化し続けるようにしようと思います。

・・・完成が目的ではなくて、プロセスが重要だということですね。

 そうです。時間が大切なんです。

・・・ところで今回の作品は ECHO のシリーズということですが、ECHO のシリーズは記憶に新しいところでは、2005年 (http://www.gaden.jp/info/2005/050822/0822.htm) が思い出されますが。

 東京画廊の展示で右側にガラスのキューブがありましたでしょう。今回はあのキューブを人間が入るサイズで創り展開していく感じです。

・・・2001年からの資料を見るとずっとつながっていることがよくわかりますね。根本は変わらないのに毎回変化し続けている。次に何をするかわからないその変化の部分が大巻さんの魅力だと思います。(これがオサルスの定点観測なんです。何故こう言ったか詳しくは http://www.gaden.jp/info/2007/071215b/1215b.htm

 最近ずっと花の作品と白い花の作品を世界のいろいろな所で展開してきたじゃないですか。それをもっと深く掘り下げて展開したいと思っているので、自分が実際に変化するものとなってやってみようと、いつもは人にやってもらうのですが、今回は自身が見られる側にまわり、やりたい人にも参加してもらっています。

・・・汚れてもいい服装で来ないとダメですね。

 つなぎを用意してますから(笑)。ただいつもペンキを使っているとは限らないですよ。20分間この箱の中で音を出しているだけかもしれませんし、じっとしているかもしれない。

・・・え?ちょっと待って、この箱は閉まっているんですかいつも。

 そうです。今日はどうしても中を見たいという人がいたので開けました。ですから開けるのはワークショップをやっている時とか、タイミングを見計らって開けて、あとは写真だけで展示していこうと思っているんです。中身が何なのかというイマジネーションを働かせてもらうのもいいのかなと思っています。

・・・まだ頭が整理されてないんですが、蓋はいつも閉まっているということですか。

 隙間から中が少し覗けます。

・・・中で何をしているのかわからないということですか。

 例えば今話をしているオサルスが何を考えているかわからないように、心の奥底は他の人にはわからない。それと同じように箱の中身が何なのかわからない。それがたまたま開いた時に覗けたら、あ! っと。思うじゃないですか。

・・・あ! 確かに人の心は見えないから・・・すごく面白い作品ですね。「心」 を創ったと今やっと理解できました。

 (笑) 12.1(土)―2008.3.2(日) まで開催中の 「府中千年 心のかたち」 につながるかと思っているんですよ。

・・・奥が深いですね。すみません。展覧会を見る時は先入観を無くし頭が真っ白な状態で見ようと思っているので、何も調べずに見に行くことにしています。見た時にまず自分はどう思うかを大切にしたいなと、だから何がなんだかわからない状態でいつも見ているんですよ。それこそ自分が気付くプロセスが大事なんです。

 スタイルが確立してしまうとつまらなくなるじゃないですか。流動的なパッションというか、自分を動かすために完成しないものというのを創り上げていかなければいけないと思うので、僕も今回のこういうことがやりたくなった部分はありますね。

・・・どうもありがとうございました。

この他に韓国と中国でゴミプロジェクトを展開されているというお話をお聞きしましたが、実際に拝見してから観測させてもらおうと思っています。
しかし、蓋をとって中身を見ようとしたのは誰なのか?



実は東京画廊の山本さんなんですよ。
心の中を読むのも画商の仕事なのかもしれませんね。
2月にインタビューさせていただく予定です。

おっと最後に大巻さんの手のひらを拝見しました。と言ってもオサルスに手相はわかりません。でも傷だらけの手にしっかりと刻印された線が未来を暗示しているように思います。

大巻伸嗣 関連情報 2006.6 2005.9 2004.8 2003.7 2003.3 2003.2 2002.3 2001.7

RETURN


gaden presents
- g
allery / artist / dreamer / exhibition / network