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マリオ・ジャコメッリ展 2008年3月15日(土)-5月6日(月)

  東京都写真美術館 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 TEL 03-3280-0099
  http://www.syabi.com/
  ■主催 : 朝日新聞社/カンバセーション/NADiff
  ■共催 : 東京都写真美術館 
  ■後援 : イタリア文化会館 
  ■協力 : エキサイト株式会社

 マリオ・ジャコメッリ展は、隅々まで凝りに凝った意図で構成されている。
たとえば解説が縦組みの場合は、進行方向の左側に進み、横組みの場合は右側に進む、それはリーフレットにも反映され、ジャコメッリ研究者のカルリ氏の原稿や資料は横組み、評論家の多木浩二氏の原稿は縦組みに、また横組みは、初期の作品から始まり遺作で終わり、縦組みは、遺作から始まり初期の作品で終わる。
会場も同じように、入口は遺作で段々と初期の作品へ移行していく。その理由は、ジャコメッリは写真家であるが、写真の時代よりもはるかに長く死ぬまで印刷屋を営んで来たことをフィーチュアするねらいがあったからだ。

 ジャコメッリは、イタリア北東部のセニガリアで生まれ、ほとんどの作品をその街で撮り続けてきた。1953年のクリスマスから撮影が始められ、初期の十年を外すと作品はすべてシリーズにまとめられている。だから個々の作品にタイトルはついていない。
遺作となった 「この憶い出を君に伝えん」 では、死を覚悟して自身の人生を伝えるために、マスクをつけた人の背後や前面に、鳥を芸術的なもの詩的なものとして、犬を労働もしくは働いてきたことのメタファーとして配し、労働と芸術が彼の人生を支え続けたということを類推させている。

 「ホスピス」 「スカンノ」 「若き司祭たち」 「大地」 などの作品を通して 「死に依存する生と、生に依存する死」 を織り込みながら、ライフワークとして写真を撮り続けた鬼才ジャコメッリ。撮ることが喜びであり、それが並々ならぬ熱意に変貌したのだろう。その熱意が主催者に共感を呼びお越し、日本で始めての大規模な展覧会につながったと思う。
白と黒のハイコントラストな、一見すると地味な作品群だが、しみじみとした良い展覧会だと思う。

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