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「ワイはミヅマの岩鬼じゃ-い!!」 会田誠 展 2008年9月3日(水)-10月4日(土)

 ミヅマアートギャラリー 11:00-19:00 日・月・祝休
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F TEL 03-3793-7931 http://mizuma-art.co.jp

・・・今展にはいろいろなタイプの作品が展示されていますが空間を意識されて構想されたのでしょうか。

 そうですね。どの壁にどの作品を設置するか空間から作品を決めていきます。ただ僕は大きい絵が好きなんですよ。例えば 「モクモク」 というタイトルの作品も許されるならこの3倍ぐらいの大きさがいいんですけれど・・・。(左側の壁面の判断力批判批判) こういう小さい作品は今まであまりないんですけれどこれはちょっとある考えがありまして、まぁ、文庫本の全ページに到底僕が読めない難しい本なんですが、だから読んでないんですが、読まない代わりに、これをやってみて面白かったのは、小さなカバンひとつに二十色くらいのペンを持って (作品を) 持ち歩けるので、今年も仲間と海水浴に行って海辺で描いたりしたんです。

・・・ある意味日記的な要素が強い作品なのでしょうか。

 日記では決してないですけど、これはカントの判断力批判という本で・・・読んでないので内容は分かりませんが、固い難しい美術評論を読むとよく出てくる文献で、おそらく抽象画を論ずるときには重要な文献になっている本なんだろうなぁという勘だけがあって、でもちらっと本屋で中身をのぞいてみると到底読めない。読む気もしないような本だったので読まない代わりに、落書きとも抽象画のトライとも何とも言えないようなものを描けば、何事か成し遂げたことにならないかなと思ってやってみたんです。

・・・文章の上に絵を描くことで、よくいわれるテクストの新しい読みたいな、新たな創造へ至る読みということを考えられたのではないですか。

 というよりは劣等生が描く教科書の落書きみたいなものです。劣等生が描く落書きは教科書の内容とは関係ないようにこれも基本的には関係ないんです。

・・・今回展示された作品【犬(野分)(陰影礼賛)・ドーハ・日本語・判断力批判批判・モコモコ】の関連性は薄いということですか。

 全体的に関連性はなく、たとえば 「戦争画リターンズ」 みたいなシリーズでちゃんとまとめた展覧会も僕はないこともないですが、今回はそういうのではないそれぞればらばらな作品なので、タイトルを付けるならば 「2008年新作展」 になるんですが、何かつけろと言うので全くナンセンスです。
でも今回の展覧会の一つの特徴は途中から、日本画系 「犬(野分)(陰影礼賛」 もあり、これは偽物日本画ですけどね。「モコモコ」 は偽物油絵、油絵と言ってもアクリル絵具を使ってますが、近代抽象絵画的ドローイング 「判断力批判批判」 があり、日本の書 「日本語」 があり彫刻「ドーハ」があり、奥にはビデオもありますが、美術のジャンルが全部一つずつそろっているみたいな、今回はそういう方針かなと途中から思いました。

・・・そういう意図があったんですか。

 僕はどのジャンルも専門ではないし、強いて言えば大学で油絵を学びましたけれど、最近は油絵の具は全然使っていないですし、どれも専門ではありませんが、どれもやってみたいという距離感なんですね。僕が思うに日本画には日本画の特徴があり、油絵には油絵の特徴がある。そういうことが好きみたいですね。

・・・でもジャンルはいろいろあるかもしれませんが、ご自身の中で通底している 「何か」 が、その都度いろいろなジャンルの中から出てくるのでしょうか。例えば会田誠さんという他面体の中に本質みたいなものがあるとしたら・・・逆に言えばその本質は曖昧な霧のなかから立ち上る記憶のように朧気なものとして表出されているような気もするのですけれど・・・。

 統一した個性とか片寄りと言うのはあるんでしょうけれど、これはあまり自分では意識していないですよ。「判断力批判批判」 も本当は似たような絵を一枚も描かずに六百枚描くことを目指したかったところなんですが、どうしても結果似たようなものが出てしまう。、それが僕の個性というか癖とかいうか・・・好きな色というか、僕の考え方としては自分の好きなタッチや好きな色を見つけて、それを何度も人に見せようと思わないので、なるべく毎回変えてなるべく自分の個性を特定されないようにしたいと、なぜかわからないんですがしたいと思うのです。ただどうしても限界として、失敗として僕の個性が表れてしまう。まぁそれはそれでいいだろうみたいな、スーパーマンじゃないんで個性を消すことは不可能なので。

・・・奥の部屋の作品の方が私の思っている会田さんのイメージに近いような気がします。

 壁のあちら側とこちら側で分けたのは深い理由もなく、作品のサイズだったりもしますが、「みんなといっしょ」 のシリーズは、手前側の部屋の作品に多少反応して、マジックペンで一番最後にアイデアを出して三十分くらいで描きました。たとえば 「西洋人は責任とって全員切腹しろ」 であれば、勝手に原爆を落としたのは西洋人の責任だ。と自分では特定しないけれど思ってくれれば思ってくれてもいいし、「人間は考えても仕方のない黴かもね」 というのは、パスカルの 「人間は考える葦である」 に対してカントもそうだと思うけれど、思考するということに人間の価値があるということをはなから諦めたような言葉は、「判断批判批判」 と対応している。そこら辺で多少の関連は少しは考えましたけれど・・・。

・・・五階では武蔵美の学生とコラボレーションをされているのですか。

 コラボレーションではなくて、僕のゼミでどんな課題を出してもよかったのですが、残らないものも作らせるのもいやだなと思い、僕の作品になってしまうようなものを作ってもらった方が良いと、段ボールを使った偽物のゴシック祭壇彫刻のようなものを作ろうと・・・合体していつの日か高さ6メートルの巨大なレリーフ上のものになるはずなんですがまだ始まったばかりなんです。

・・・どうもありがとうございました。

~ 10月4日(土)まで。

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