世界的に有名な絵画のおもしろい裏話5選

筆者は決して美術史の専門家ではないのですが、有名な絵画の裏話にはとても興味があって、日頃からよく調べています。そこで今回は、誰もが知っている名画の裏話をいくつかご紹介しようと思います。では早速、一度は目にしたことがある絵画の裏話をチェックしていきましょう!

フィンセント・ファン・ゴッホの《星降る夜》1889年

有名画家ゴッホは1889年、自らの左耳を切り落とすほど精神的に病んでしまい、サン・ポール・ド・モーゾール修道院病院で治療を受けました。ちなみにこの間、同時代を生きた画家ピカソは《燕子花》や《青い自画像》など、代表的な絵画を制作しています。ゴッホ作の《星降る夜》は、夜明け前の東向きの窓から見える景色を描いた作品で、光とともに集落が加えられています。

葛飾北斎の《神奈川沖浪裏》1829-1833年

荒れ狂う海、三艘の船、富士山という三大要素で構成されている名画。右手に描かれた富士山は、頂上に雪をいただく神聖な山で、日本を象徴するシンボルでもあり、自然の美の代表とみなされています。左手に描かれた30人乗りのボートを目安にすると、波の高さは12メートル近くあるように見えます。そして、富士山に爪のように巻きつく荒波は、予測不可能な海に対する驚きと恐怖の念を表現しています。

エドヴァルド・ムンクの《叫び》1893年

ムンクはとある日、日没後に散歩に出かけた際、夕日が雲をまるで血のように赤く染めているのを目にして、「自然を横切る無限の叫び」を感じたといわれています。作品に映し出された異様なまでにオレンジ色の空は、火山の爆発によるものではないかと推測されています。また、妹が精神病院に入院していたため、ムンク自身の精神状態が悪かったことも要因のひとつではないかと予想されています。

ムンクは、絵具とパステルで4種類のバージョンを制作したほか、リトグラフの石版も制作しており、多くの版画が現存しています。一時、絵画版と非画家版の両方が盗まれましたが、現在は回収されています。公開オークションにおいて、パステル画の1点が絵画としては史上4番目に高い値段で落札されました。

ジャン=フランソワ・ミレーの《落穂拾い》1857年

収穫後の小麦の茎を拾い集める農夫3人を描いた作品であり、農村の最下層の人々の生活を親身に表現したものとして有名です。1857年にミレーがこの作品を展示したところ、上流階級から厳しい非難を浴びることになりました。というのも、上流階級の人々は、この作品はフランス社会が労働者大衆の労働の上に成り立っていることを思い知らしめるものであり、当時急速に拡大していた社会主義運動を促すものになると恐れたからです。当時、労働者階級が貴族階級を上回りつつあり、この絵が労働者階級の反乱を誘発するのではないかと懸念されたのです。そのため、フランス革命の記憶がまだ新しい上流階級の人々には、この作品はあまり受け入れられませんでした。

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの《雲海の上の旅人》1818年

《雲海の上の旅人》は、フリードリヒによるロマン主義の作品です。一部の人によると、この作品は不確かな未来を描いただけでなく、自己反省のメタファーであるといわれています。フリードリッヒ自身は、被写体について、「画家は目の前にあるものだけでなく、自分の中にあるものを描くべきだ」と意見を述べています。